3.
自分の築いた国の中に入ってきた。魂的には帰ってきたのが正しいか。
取りあえず昔なじみのあった店があるか確認しよう。
位置が分かってたからすぐに見つかった。地形が少し変わっていたが。
それでも日本の昔の都をまねしてわかりやすい地形を作ったから店が変わっていて迷うかけたってだけだ。
いざ店内に入ろうとしたら店から出てきた人にぶつかった。
「おっと、わるいな」
「こちらこそすまなかった」
ぶつかった人物は黒のコートにこの世界では珍しい銃を持った顔はとても整っているのに隠しているという残念な人物だった。
と言うかこの世界に戻ってくるきっかけになった神崎悠太の幼馴染で親友の卯月時雨その人であった。
「って、その声もしかして葵か?」
「遠からず近からず、如月葵とゆう名前があった気がしなくもない」
「~~っ!?久しぶりだな葵、なんでお前までこっちの世界にいるんだ?」
「巻き込まれの時雨に二次災害として俺が巻き込まれそうになったからバックステップでよけようとしたらトッラックに衝突して転生して早15年だ」
「実に完結的な回答をありがとう。それは悪かったな、とりあえず時間があるんだったらどこかで飯にしないか?俺のおごりで」
お言葉に甘えさせてもらい近くの食堂に入った。
たぶんいろいろ聞きたいことはあるのだろう。
「ここの食堂が安いうえにうまいんだぜ」
食堂『疾風満腹堂』…つぶれてなかったんだな。
店内に入ると、
「時雨の坊主じゃねえか」
「ちっす、おやっさん」
店に入るとごっつい見た目が印象的なおやっさんと呼ばれるのが似合う人が出てきた。
店内はそういう時間なのか客が私たち以外居なかった。
「後ろの黒いのは坊主の知り合いかい」
「久々に親友にあってよ、ここで食事だよ」
「そうかい、そうかい再開ってのは良いこった今日は俺のおごりだ、一杯食っとけ」
「ありがとよ、おやっさん。んじゃポークジンジャー山盛りで。葵は?」
といい、カウンターの上にある品書きをさす。
取りあえず亭主が変わってるからあるかわからないが、
「温玉うどん+油揚げ勇者盛りで。あ、これ知り合いにもらったやつです」
フードの中でボックスを開きその中から一枚の紙を取り出す。
「おいおい、そんなメニューn「!?っ。坊主おめえどこでそんなこと聞いたんだ!」」
「勇者キサラギからもらったやつをもらいました」
「初代国王からか、そりゃ頑張って作んねえとじゃねえか」
おやっさんは店の奥に引っ込み準備に取り掛かった。
その様子を時雨は不思議そうに見ている。
「時雨、勇者キサラギってゆうのはこの国の初代国王にして魔族の王と同盟を組んだ盟友みたいなもんでこの国ができたのはその同盟の証みたいなものなんだ。ちなみに神崎は2代目勇者に当たるな」
「なんでそんなに詳しいんだ?お前がキサラギってゆうのも関係してるのか?」
「そんな質問すんな。多々、お前らが勇者召喚される十五分前にこの世界へ一度俺は勇者召喚をされているんだ。こっちの世界で寿命死したらアッチの世界に戻ってた。ただそれだけだ」
「……つまり自画自賛か」
「うるへー」
あまりにも的確なツッコミを入れるので少しいじけた。
時雨との会話で俺って言ってるのがなんか変な感じがする。
まぁ、何年も言葉ずかいを気を付けてればそうなるよな。
「そういやなんでフードなんてかぶってんだ?」
ふと思い出したように言う。
「…ひかないか?」
「ああ、親友に対してそんなことはしねえよ」
「さっき転生したって言ったよな」
「ああ、それで魔族とのハーフにでもなっちまったのか?」
「いや、人間族なんだがその、えっとだな………女…になったんだ」
時雨は間抜けな顔になり、『は?』と言う感じの顔をしている。
「だから女になってしまったって言っているんだ!」
「…マジで?」
「本当だ。今からローブ脱ぐけど本気でひくなよ」
「大丈夫だ」
時雨が即答したので観念してローブを脱いだ。ローブの下の服はあれだ、上は長袖に胸当てなどの鎧を少々、それと膝下8㎝のスカートとニーソックス。
はたからみたら普通のどこにでもいる少女だと思う。
そして親友目を見開き絶句。
「やっぱりひいてるじゃないか。……時雨の馬鹿」
ショックを受けて声を素に戻してしまう。
「グハッ!?」
時雨が血を吐いた。
「だ、大丈夫、時雨」
「だだだ、だだ大丈夫。あまり女子と話したことがなくてな…」
「…早くも女子扱い」
「実際にそうなっちまったんだから仕方ないだろ」
「別に不満がある訳じゃないからいいんだけどさっ」
やさぐれてみる。
「やさぐれんなよ葵。姿が変わっても過去は変わらないからな、お前と親友だってことも変わんねえよ」
ちょっと久しぶりに聞く親しい人の優しい言葉で涙が出てくる。
「ちょっと胸貸してくれるか時雨」
「いくらでも使ってくれ」
「……それじゃ――」
声を出さずただ涙を流した。長い時間流した。それから時雨から離れたのはおやっさんからの「女を泣かせてんじゃねぇ」とのコメント付きのお玉が飛んでくるまでだ。




