出会い ‐咲‐
「いってきまーす」
反抗期なんてなかった咲でもこの暑さには疲弊して挨拶が間延びする。
あーあ夏ってなんでこんなに暑いのかなぁ
最寄り駅までの片道15分が嫌になる
日傘なんて意味ないよー
蝉が鳴くのは求愛とかいうけど私からしたらすごい迷惑。私だってイケメンと出会いたいな。いやこんなミンミンいう男なんてちょっと嫌かも
そんなどうでもいいような大切なことを考えながら歩いてたら駅に着いた。
「よし、今日も頑張るか!」
いつものように惰性で学校を乗り切り部活には入っていないので朝来た道を帰る
最寄りに着いたところで夕立にあった
最悪。
でもラッキーお母さんが朝折りたたみ貸してくれたんだよねー!帰ったらお母さんに感謝しようっと
いつもの帰り道に通る公園に男の人が項垂れて座ってた。普通なら無視するところだけど私はなぜか今日は興味が引かれて話しかけちゃった
「大丈夫ですか?」
「....」
「ほら、風邪引きますよとりあえず傘入って下さい」
「なぜ俺に構う」
何故だろう、いつもならこんなことしないのに
「だって雨の日に1人は寂しいじゃないですか!」
雨でナイーブになってるのだろうか変なことを言う
「雨の日に誰かといたら体は寒くても心は暖かい気が....そんな気がするんです」
テレビで聞いたような言葉を並べてみたでも心の奥底でこれを思ってるはず
「変....ですかね?」
「なぁ君の名前なんていうの?」
「私?咲だよ!花が咲くの咲」
私は空に書いて見せてみた
「咲....いい名前だ....ねぇ咲」
「なーに?」
私はここで魔が差したんだろう
「俺と一緒にいてくれないか?」
「え?」
普通なら走って逃げるところだろう
「もう止みそうだけど雨はまたふるからその時君が隣にいてくれたら」
私は人生に退屈してたのかも
「えぇよろこんで!」
私の初めての恋だった




