第十三話 襲撃者『???』①
「おいコラァ!無視くれてんじゃねぇ!
オレと言う名の人生が直々に相手してやってんだぞコラ!!」
「だ、誰だよアンタ…」
「あぁん?聞きてぇか!?聞きたいよなぁ!
いいぜ教えてやる!オレと言う名の人生は…
「テメェ何してくれやがんだコラーーー!!!!!」
「ファフナ様によくもホコリを付けてくれたな愚かなニンゲンが!!」
「おわっ!龍紋 ファフナと言う名のっ!!
ちょ待て!オレと言う名の人生が用があるのは、テメェらと言う名の人生じゃ…」
「「問答無用!!!」」
「どわぁーーーーっ!?!?」
爆炎から現れた不審者は、これまた爆炎から無傷で現れたファフナちゃんとヴロちゃんさんに炎の中へと引き摺り込まれていった。
なんだったんだ一体…?
それにしても、流石はチート主人公とそのお守り役。これ程の大爆発に巻き込まれても肉体にはキズ一つなかった。
俺からは見えやしないが、この炎の向こう側では戦闘が繰り広げられているのだろう。
どかんばきん、と破砕音に混じり、時折男の悲鳴の様なものが聞こえる…。
あっちはなんとかなりそうだな…。
俺は痛みに耐えながらフラフラと立ち上がった。
辺りを見回すが現場は阿鼻叫喚だ。
未だ炎は燃え上がり、濛々と煙が上がっている。
逃げ惑う人々。悲鳴は絶えない。
落ち葉ちゃんは…?オヒゲ教官も見当たらないな。
ふらつく体を支えながら少し歩くと、幸いなことに落ち葉ちゃんはすぐに見つかった。
「落ち葉ちゃん…!」
『ヒドイ姿ダナ愚カナ独葉巳』
どうやら俺のヘビくんたちがクッションになったことと、彼女のスキルである陀羅ちゃんが守ってくれていたみたいだ。
外傷らしき外傷は無い。しかし、気絶してしまったらしく、陀羅ちゃんの腕の中で落ち葉ちゃんは静かに眠っていた。
「陀羅ちゃん。落ち葉ちゃんは大丈夫?」
『アァ。落ち葉ハ気絶シテルダケダ。シカシ…』
「しかしって…あ…」
そう言って己の手を見る陀羅ちゃん。
…そうか。スキル使用者が気を失った場合、術者によって召喚されたモノは形をとどめ続けることが出来ない。
『癪ダ。実ニ癪ニ障ルゾ独葉巳』
「…どうして?」
『ワタシニハ、落ち葉ヲ守ルチカラガアル。
ナノニ、コウシテ弱弱シイ独葉巳ニ落ち葉ヲ任セザルヲ得ナイ』
「ちょっとは頼りにしてくれよ」
こんな状況なのに思わず苦笑してしまう。彼女は粒子に還りゆく指で俺のことを指差しながら、低く落ち着いた声で口にした。
『…落ち葉ニ傷一ツ付ケテ見ロ。
次、ワタシガ召喚サレタ時ニ独葉巳ハ地獄ヲ見ルコトダロウ』
「もうちょっと応援の言葉とかをだな」
『オ前ニハコレデ十分ダロウ?』
陀羅ちゃんは最後にくすりと微笑むと、風に吹かれた砂の様にかき消えた。
「まぁね。…おっと」
陀羅ちゃんが居なくなったことで、支えがなくなった落ち葉ちゃんを受け止める。…柔らかい。何がとは言わないが。受け止める場所を間違えたな。




