第十四話 襲撃者『???』②
落ち葉ちゃんを背負って避難する。ファフナちゃんとヴロちゃんさんもちょっぴり心配だが、チート並みの力を持つ2人だ。
並大抵の相手じゃ屁でもないだろう。
どかぁん!
と再び爆発音が聞こえた。ファフナちゃんかヴロちゃんさんか、もしくはさっきのツンツン頭か…。
…あの男はどうして俺のことを狙っていたんだろうか。原作での絡みはもちろん無い。
蛇腹として生きて来た16年間の記憶にも覚えは無い。
「ん…」
「落ち葉ちゃん!気が付いた?」
「ぱふぇ…むにゃ…」
「………」
いや、考えるのは一旦後にしよう。今はとにかく避難だ。
背中の落ち葉ちゃんを背負い直し、出口を目指して早足で行く。
重いなぁ落ち葉ちゃん。いてててて!なんか背中つねられてんですけど。ねぇ、実は起きてたりしない?
「あぁ、クソったれ!!
あの女共、クソ強ぇ!!人のこと好き勝手ボコりやがって!!!ハハッ!!
オレと言う名の人生は…オレと言う名の人生がこの程度で終わるかよぉ!」
「げ」
この爆発を引き起こした犯人らしきツンツン頭の男。奴が立ち昇る煙の中から現れた。
俺たちの目の前に。おそらくファフナちゃんたちから逃げて来たのだろう。
どこからか「あのツンツンどこ行ったー!」などとファフナちゃん達だと思われる声も聞こえてくるし。
「あ?」、目が合った。悔しさに歪んでいた男の口角が上がり、歯を見せる凶暴な笑みが浮かぶ。
「ハッ!随分ツイてるなぁオレと言う名の人生は!!!お早い再開だぜ赤ロン毛!」
「ふざけんなっての!?」
最悪だっ…!!このだだっ広いコートでわざわざ俺の目の前に出てくるなんて、一体どんな確率だよ!?
慌てて身を翻し、反対方向に走り出す。
「無駄なんだよ!逃げてもよ!」
「『蛇群召喚』!『蛇群召喚』!!」
足止めの為にデカヘビくんを召喚できるだけ召喚した。大きいことはいいことだ!でもやっぱり大量召喚は疲れるな…!
さっきの訓練でオヒゲ教官が言った通り、俺のスキルは人型などに最大の効力を発揮する!
腕、脚、胴、頭、どれか一つでも噛みついてしまえば、相手の機動力を著しく落とすことが出来る!
「やっちゃってくれデカヘビくん!」
「「「ジャー!!!」」」
「ちんけなスキルだなぁ?えぇ?
あの女共と違ってよぉ!刺激が全然足りねぇよっ!」
「『爆殺本懐』」
ドォン!ドドォン!!!!!!!
「うあぁっ!!!」
また爆発…!凄まじい風圧と熱風に体が吹き飛ばされる。落ち葉ちゃんを落とさない様に胸にかき抱いた。
ごろんごろん、とまたもやタンブルウィードとなった俺は何度も何度も地面に打ちつけられ、身動きも取れない程に打ちのめされる。
「はぁ…はぁ…ぐっ、もう打ってないとこ無いぞコレ…」
明日はきっと全身紫マンの誕生日…。くそ。冗談考えるのもキツい。
でも、これで一つ確信を得た。やっぱり爆発はコイツのスキルだった…!
「可哀想な人生だなぁ?えぇ?
1つアドバイスだがよぉ。
楽に死にたいなら身を委ねるのが一番楽だぜ」
「その方がこっちも楽だ」と笑いながら、爆炎の中から再び奴が現れる。
怖い。正直怖い。体はガタガタと震えるし、叫び出したいくらいには限界だ。
「ん、う…どっくん、にげ、て…」
「お、落ち葉ちゃんっ」
気を失っている落ち葉ちゃんがうわ言の様に微かに声を発した。目を覚ましたかと目を向ける。
…!どうやら俺は落ち葉ちゃんのことを完全には守り切れていなかったみたいだ。彼女の額には切り傷が出来ていて、そこからわずかに血が垂れていた。
「ごめん落ち葉ちゃん…」
どす黒い感情が胸の中に湧き上がる。これが怒りか勇気なのかは俺には分からない。でも、さっきよりも腕に力が入る。
俺は手の中の暖かい感覚を感じながら、『蛇群召喚』を発動した。
「ごめん落ち葉ちゃん。陀羅ちゃんにも後で謝らないと。
ヘビくん達。どうか頼んだよ」
立ち上がる。傷ついた体は不思議と痛みが気にならない。
乱れた髪を後ろにまとめ直しながら、悠長に歩いてきた奴を睨みつけた。
「今日はこの後パフェ食べるんだから、さっさと終わりにしちまうぞ」
「チッ、早く終わらせねぇと女共に見つかるだろ。人の人生に迷惑かけてくれんなや赤ロン毛」
「赤ロン毛じゃない。みんな大好き蛇腹 独葉巳だ」
「なんでもいいよテメェと言う名の人生なんか。…あぁ、そういや、こっちはさっき名乗り損ねたなぁ。
オレと言う名の人生は爆世。爆世・マーダーだ」




