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コミュ症日記  作者: 猫自慢


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63/64

63.春の季節

63.春の季節

寒い冬が終わり季節は4月となった。

春の季節がやってきた。

みなと病院にある桜も花が咲きそうになっている。

12月みずきはかなえと別れてから一度も連絡を取り合っていない。

みずきは自分の方から連絡をする事が出来ない。

やはりみずきはコミュ症である。

またかなえもみずきとは全然連絡を取り合っていない。

お互いがお互いに連絡は全くしていない。


けれどかなえに関してはみずきが働いている病院には月に1回程度通っている。

みずきは栄養士としてみなと病院で働いている。

このみなと病院は地域に密着した中規模の病院である。

内科、外科、整形外科、皮膚科等様々な診療科がある。

またその中のひとつとして精神科もある。

精神科では主に発達障害、不安障害、鬱や統合失調症

認知症など様々な疾患の診断を行っている。


かなえは祖母きくえさんの受診による付き添いの為月1回程度精神科を定期受診している。

きくえさんは足が不自由であり杖をつかないと外出する事が出来ない。

外出する時は常に孫のかなえが付き添っている。


またきくえさんは認知症を患っている。

短期記憶が欠如しており10分前の事も忘れてしまう程だ。

ご飯を食べたにもかかわらずかなえに

「ご飯はまだ出ないか。」

なんて聞く事もしばしばである。


けれどきくえさんはこの精神科の受診日に関してははっきりと覚えている。

きくえさんは孫のかなえと一緒にいる時間が大好きである。


それと・・・・・


これはあくまでの個人の感想となるが

精神科の先生というのは少し変わった先生が多い気がする。

きくえさんの担当している精神科の先生は佐山先生。

この先生も少し変わった先生の代表的な先生である。

年齢は30代後半ぐらい、身長は高くて少し細め、顔は少しイケメンに入るかもしれない。


髪の色は緑色に染めている。


看護師や栄養士、事務員さんがもし髪の色を緑色にしていたら直ぐに注意が入るかもしれない。

緑色に染めても何も言われないのはやはり先生の特権なのかもしれない。


きくえさんはこの佐山先生が大好きである。

病院受診を何かのデートだと思っているのかもしれない。

「明日は佐山先生とデートの日だ。」

前日にはこんな会話をしている。

きくえさんはこの先生を目当てに病院を受診しているといっていいだろう。

受診日当日9時

病院での待合室。

受付を済ませてきくえさんとかなえが待合室のいすに座っている。

先生の診察は3番の診察室で始まる。

先生の診察がもうすぐに始まる頃だ。

「橘 きくえさん。3番診察室へお入り下さい。」

マイクで先生のアナウンスが聞こえた。

きくえさんは椅子から立ち上がり右手に杖、左手にはかなえが握りしめながら3番診察室に向かった。


「きくえさん最近体調はいかがですか?」

緑の先生による問診が始まる。

「しんどい時もありましたが緑の先生に診てもらっているからとても元気です。」

「今日は何を食べましたか?」

「先生、私今日は何も食べていおないです。

それどころか昨日もデイサービスで私の分だけ食事がないのです。

それとデイサービスの人で私の事じ~っと見ている人がいるのだけど何なのかしら?」


ちなみにきくえさんは今日の朝食にはバナナ、ヨーグルト、パンを食べコーヒーを飲んでいる。

デイサービスでもしっかり食事を食べている。

デイサービスでじ~っと見ている人が誰なのかは分からないが認知症状による幻視である可能性は高い。

よく認知症になると性格が変わり攻撃的になる人もいるがきくえさんは非常に穏やかな性格である。

どんなに悲しい事があっても常に前向きに歩いてきた。

「自分の欠点を笑いに変える事が出来る人は強い。」

たまにいうきくえさんの口癖である。


「それではいつものお薬を出しておきますのでまた1か月後受診をお願いします。」

先生の問診が終了する。

「1か月後と言わずまた明日きましょうか?」

そんな会話が緑の先生ときくえさんは続くのである。

先生の診察が終わり診察室から出ようとした時、


「痛い、痛い、お腹が痛い。」


かなえが突然叫びだした。

かなえが右脇腹を押さえ床にうずくまった。

次第に汗が出るようになった。

「おい君。大丈夫か?」

緑の先生が問いかけるがかなえは返事をする事が出来なかった。

「看護師さん。急いで内科の先生を呼んできて。

それと入院が必要だからベッドの確保もお願い。」


かなえはあまりの痛さに意識を失ってしまった。




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