【五十九話】ハーレムについて話そう
投稿が遅れてしまい申し訳ありません……
鏡花さんの衝撃の告白を受け、俺は再度何と無しに正座の姿勢に戻り、鏡花さんの発する言葉を待つ。
鏡花さんは珍しく真剣な様子で口を開いた。
「まず、空君と桜さんの関係の事をセツナが入るってことであえて二人の関係を僕はハーレムと呼ばせてもらうけど、ハーレムに関して二人はちょっと認識が甘いところがあるんだよね~」
そうして真剣な様子で鏡花さんが放った言葉は俺と桜を混乱させるには十分な言葉だった。
「……認識が甘いと言うと?」
「うん。まず、空君はセツナに好き勝手させすぎ、桜さんの方が正式に婚姻を結んでいるわけで、今はセツナは仮の関係なわけでしょ?」
「まぁそうだけど……」
「む、仮じゃない」
俺が鏡花さんが言った言葉は確かに正しいことで納得していると、セツナは俺の同意の言葉を聞いて納得がいかないようにムッとして鏡花さんに反抗していた。
「仮だよ。法律的にね、勿論僕が言ってる空君のハーレムに入れてもらうのも仮の話だから。今はね」
「むう」
確かに鏡花さんが言う通り今現在俺と婚姻関係にあるのは桜だけで、セツナも鏡花さんも今は口約束の段階で法律的に家族として認められているのは俺と桜の二人だけになる。
セツナ自身鏡花さんの言っていることが正しい事というのは分かっているようで、これ以上反抗するつもりは無いようで、大人しく引き下がった。
相変わらず不満そうではあるが……
「まぁ、そういう事~空君は仮でしかも二番目の女の子に甘すぎ。勿論桜さんもセツナを諫めないと~一番最初のお嫁さんなんだから」
「確かにそうだね……」
桜も鏡花さんの言葉を聞いて何か思う所が有ったのか、少し落ち込んだように言った。
「勿論僕が言っていることが全部正しいと言うつもりは無いけどね~一般的には順番って言うのがあるわけだよ」
「……それじゃあ私は桜に絶対服従?」
「いんや~、そういうわけでもないんだなこれが、これはちょっと細かい法律の話になるんだけど、多重婚をするにあたって、配偶者に対して平等に扱わないといけない法律があるんだよね、だから、セツナが空君にこうして欲しいってのがあれば桜さんが許す限りはセツナの言うことを聞いてあげないといけないって訳」
「勿論桜さんがセツナと空君がどうこうするのが嫌だって言っても法律的に許されないってこと。ただ、司法が家族間の話にそこまで割り込めないのも確かなわけで、結局は個々で上手くやりくりしましょうねってこと~。ただ、そのやりくりが二人は絶望的に下手糞だから良くないよねって言いたかっただけ」
鏡花さんの話を大人しく聞いていたセツナが疑問を投げかけるとその疑問にも鏡花さんは流れるようにきちんと返答してくれた。
どうやら法律的には俺がどちらか一方をあからさまに優遇することは出来ないが、それではおさまりが付かない事が多々あるから、そこは家族間で何か決め事でも作って上手くやってくださいねということらしい。
――なんか、ふわっとした法律だよなぁ
俺がそう思ってしまうのもしょうがない事だろう。
そもそも俺がこの世界に来てから、法律には驚かされてばかりではあるが、元の世界にもこう言って絶妙なニュアンスでの法律は有ったが、それが結婚関係についても出てくるとは思ってはいなかった。
「分かった。」
セツナも鏡花さんの説明に納得したようでそれ以上何か言うことは無かった。
「えーっと、私あんまりそう言った決め事決めるの得意じゃないんだけど……」
鏡花さんの話を興味深々の様子で 聞いていた桜が決め事という点で不安そうにおずおずと口を開いた。
どうやら桜は決め事のようなものを自分で決めるのは不得意のようでいまいち自身がない様だ。
「そんなに難しく考えなくてもいいよ~。ただ、これこれは桜が決める、これこれはセツナが決めるとかで良いんだよ。夜の事とかね?」
「へぇ~そのぐらいなら私にも出来るかも?」
「うん。そこらへんを決めるのは空君の最初のお嫁さんの桜さんに権利というか、優先権はあるからね」
「そういう事教えてくれるのはすっごい嬉しい」
桜は胸の前で拳を握って鏡花さんに感謝の念を送るように詰め寄っていた。
「いいよ~、ていうかこのぐらいは普通に女子同士の話とかで何となく分かりそうなもんだけど?」
鏡花さんは桜さんの言葉を聞いて不思議そうに首をかしげていた。
桜は鏡花さんの疑問の言葉を聞いてどこか居心地が悪そうに言葉に詰まらせながらぽそりと言った。
「……私、あんまり友達いないから……」
「……なんかごめんね?」
鏡花さんもまさか桜がそこまで友達が居ないとは思っていなかったようで、桜を気遣うように優しい口調で語り掛けていた。
「桜は友達が少ない……」
セツナも桜の様子を見て自分と同じ何かを感じたのか、自分と同じものを見るような目で桜の事を見ながらつぶやいていた。
「ま、まぁ!鏡花さんが教えてくれるから、今は私の友達が居ない話は良いでしょ!」
「……まぁそうだね~」
「それで、決め事はどうするの?」
「そこなんだよねぇ~、セツナちゃんどうする?」
不思議な雰囲気になった事をかき消すように、桜が大きな声を上げ、鏡花さんとセツナはこれ以上桜の友達について突っ込むことはしないようにといつの間にか通じ合っていた。
セツナはこれから決め事をどうするのかを桜に聞くが、桜自信あまり考えていなかったようで、二人で話し合い始めてしまったで、何となく話の途中から省かれていた俺と、元から省かれて一人悲しく携帯をいじっていた一葉さん、仲良さげに二人で話初めた桜とセツナを眺めながらニコニコと笑っている鏡花さんと言った何とも不思議な空間が出来上がっていた。
◇
「そういえば、なんで鏡花ってそんなにハーレムに関して詳しいんですか?」
相変わらず話し込んでいる二人を置いて俺は鏡花さんに気になっていたことを聞いてみることにした。
俺が鏡花さんに話かけると、それまで二人を面白い物を見るような目線で眺めて居た鏡花さんは俺の方へと向いて口を開いた。
「いや、恥ずかしいんだけどね~……ほら年頃の時とかって法律とか意味もなく調べたりしなかった?それのおかげ」
鏡花さんが言った言葉は前の世界では割とありきたりな理由だった。勿論俺だって法律は調べはしなかったけど、日本神話とか調べてたりしていたりと、今となっては忘れてしまいたい過去がある。
「……あぁなるほど」
「何さ~!その生暖かい目で見るの止めてよ!」
鏡花さんは赤くなった顔を隠すようにパタパタと顔の前で手のひらを仰いでいた。俺はそんな鏡花さんの様子を見て、鏡花さんも照れたりするんだななんてことを思っていた。
俺が鏡花さんではなくミラーさんとして二人でVPEXをしていた時にはいつも冷静で、声を荒げている事なんてあんまりなかったので新鮮だった。
「まぁ、そういう事だよ、後は僕自身ハーレムに憧れていたってのもあるけどね」
「それまたどうして?」
「ほら、少女漫画とかでもありきたりな展開だけど、やっぱり憧れるじゃん?」
「ん?そうなんだ」
「あれ?空君ってあんまり少女漫画とか読まない人?結構定番なシチュエーションだと思うけど……」
「……そうなんだ、少女漫画読んだことないなぁ」
どうやらこの世界では少女漫画ではハーレムは結構ありふれた設定の様だった。
俺のいた元の世界ではハーレムと言えば男性向けの物語のイメージが強かったので、ここでもワールドギャップを感じるとは思わなかった。
「そうなんだ~、結構少女漫画面白いよ?読んでみたら?」
「うん。おすすめとか有ったら教えて、読んでみたいな」
「おっけ。おすすめ今度教えるね」
「あの~~……皆さん楽しそうにお話してるところ申し訳ないんですが……私を置いてけぼりにしないでください……」
俺と鏡花さんが漫画談義で盛り上がっていると、そこはかとなく昏いオーラを纏った一葉さんがゆらりと顔を上げて言った。
俺もそれなりに蚊帳の外ではあったが、一葉さんは俺以上に蚊帳の外だったのを完全に忘れていた。
「なんでみんなで私を置いて結婚するとかしないとか話し始めちゃうんですか~!!」
「「こんなもんかな?」」
一葉さんが鏡花さんにひんひんと泣きつき始めるのと、桜とセツナが決め事を決めるのにひと段落つけるのはほとんど同時の瞬間だった。
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