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【二十一話】魔法少女?魔女じゃ無くて?

今俺は白峰学園に転入の手続きの為に来ていた。

目の前では有馬先生がいろんな書類を持ってきていて、それに一枚づつ中身を確認してサインを繰り返していた。


「あの、なんか多くないですか?」


俺は何枚目かも分からない書類に目を通しながらパイプ椅子に座っている有馬先生にそう聞いた。


「まあ、この学校も色々と特殊な学校だからな」


「さいで……」


「そんな事より早くサインをしてくれ、このままだと私の昼休憩がなくなってしまう。」


有馬先生は酷くめんどくさそうにそう言った。前回俺に転入の手続きの説明をしてくれた時はここまで、面倒くさそうにはしていなかったが少し話して、俺との関わり方を大幅に路線変更したようだ。


「マジでめんどくさそうにするの止めてくれません?」


「無理だな。お前は私がどんな態度を取ろうが気にしないだろう?であれば、お前に気を使う必要はない。」


有馬先生は当たり前かのようにそう言った。

この人なんで先生やってるんだ?


「それに私の皆の知らない一面が見れて嬉しいだろう?クラスの皆には内緒だぞ!」


「いや、クッソ棒読みでそんな事言われましても。そもそも俺にクラスの皆はまだいないです。」


有馬先生はお手本のような棒読みで、某有名魔法少女アニメのセリフを言っていた。


「なんだ、お前そのなりでいける口か?」


「何をもっていける口かと判断したのかは知りませんが、それなりに行ける口です。」


「そうか、そうか。魔法少女は良いものだよ、少年」


「逆にあんたのなりで魔法少女アニメが好きなのが不思議ですよ」


「いや、別に魔法少女に限定して見ているわけではないがな」


「……そすか」


「で?あと、どのぐらいかかる?」


急な催促怖えよ


「まぁ、あと二十分もあれば」


「了解。じゃあ私はマギ〇コしてるから、終わったら声掛けてくれ」


ホントにこの人大丈夫か?

そんなことを思いながら、携帯を横向きに持った有馬先生を横目で見ながら、手元の書類に目を通すことにする。


――てか、俺が居るのに普通に音出してゲームするなよ……


「終わりましたよ。」


俺は何とか大量に積みあがっていた書類にサインをしえ終えて有馬先生に声を掛けた。


「ちょっと待ってくれ、今いいところなんだ」


声を掛けたはいいが、有馬先生は未だにゲームを辞めることはしないようで、俺はすることもなくぼーっと待っていることにする。


「すまんな、確認しておくからもう帰っていいぞ。」


有馬先生はゲームを閉じ、顔を上げたと思ったらそんなことを言いやがった。


「いや、今確認してくださいよ、これで何か漏れがあったらもう一回来ないといけないじゃないですか」


「細かいやつだな、お前は。いいんだよ、ミスがあったら私の方でちょちょっとやっておく。……それに転入テストを満点とったぐらいだ、ミスなんかしないだろ?」


あ、やっぱり満点だったんだ。

それにしたって、有馬先生が俺の書類直したのがバレたら怒られるんじゃないか?まあ俺が怒られるわけではないだろうから良いんだけど。


「……じゃあ帰りますね。」


「あ、忘れてた。お前の制服と教科書類が届いているから、持って帰れ」


俺が帰ろうと席を立つと有馬先生がそう言って紙袋とハンガーに掛かっている制服を持ってきた。


「どうも。」


俺はその二つを受け取った。制服は思っていたよりも軽かったが、教科書類は地獄のように重かった。


「来週からお前は私のクラス1-4の生徒だ。遅刻するなよ」


「分かりました。初登校は最初に有馬先生に会いにくればいいですか?」


「なんか、お前に会いに来るって言われると、……照れるな」


「……さいで」


「ま、クラスの皆にはホームルームの時間でお前を紹介するから、自己紹介考えて置けよ?」


「了解です。」


「それじゃ」


「ああ気を付けて帰れよ」


俺は背後から有馬先生の声を聴きながら、部屋から退室した。

正直あの人の担任のクラスって時点で少し不安ではあるが、今になってクラスを変えてくれと言うつもりもないのでしょうがないだろう。


LINEを等々力さんにしておいたので校門に出ると直ぐに等々力さんが運転する車を見つけることが出来た。俺は前みたいに雪原セツナに話しかけられるんじゃないかと少しドキドキしていたが、話しかけられるどころか生徒が一人もいなかった。

そう言えば今日は日曜日だったか。


今日が日曜日と言うことを完璧に忘れていた俺は無駄にドキドキしていたことが恥ずかしくなってしまい

そそくさと車に乗り込んで家に帰ることにした。




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