表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/91

【二十話】そんなこと言ったってしょうがないじゃないか

俺と桜さんは芝桜の前から車に戻ることにして、今は車に戻ったあと発進した車の中で行きとは比べ物にならないほど静かな車の中にいた。


「……なんか食べに行かない?」


俺は芝桜の前で桜さんとした会話のせいで車に戻った後も桜さんとはあまりしゃべることが出来ずにただ車に揺られていたが、そのままではいけないと思い、そう提案した。


「いいっスね~」

「何食べに行く?」


俺の提案に二人とも賛成のようで、直ぐに食いついてくれた。


「何か食べたい物とかある?」


「うーん、肉っスかね」

「私は、特にないかなぁ、お腹は減ったけど」


「桜さん肉系でもいい?」


「うん。いいよ~」


俺の質問に等々力さんが肉と答えてくれたので、桜さんに肉系でもいいか確認をすると桜さんもそれに了承してくれたので、お肉が食べられるお店を俺は携帯で調べる。


「こことか、どうかな?」


俺は検索した結果の中でも静かな雰囲気のお店を桜さんに見せた。


「……確かここ高いところでしょ?私所持金ギリギリだよ」


「高いとこっスか!?オゴりすか?」


俺が見せたところを見て桜さんがそう言うと、直ぐに等々力さんが前を向いたままそう聞いてきた。

勿論おごるつもりだったので桜さんの心配は無用なのだが、等々力さんみたいに自分から言われるのもそれはそれで違う気がした。


「……まあ、おごるけど」


「おー!やったっスね!桜!おごりっスよ!」


「……あはは、でも空君本当に大丈夫?」


「あ、うん。全然大丈夫!じゃあ予約しちゃうよ。」


俺の心配をしてくれたのは桜さんだけで、等々力さんはただ飯を食える喜びを大声で表現していた。

等々力さんに少し言いたいことはあるが、この世界に来てからと言うもののお金を使うのが楽しくなってきている自分が居ることも否定できなかった。


俺は携帯でそのお店に電話をかけて無事三人で予約を入れることが出来た。今からでも席が取れるのか少し不安だったが、席は空いていたようだ。


「予約取れたけど、等々力さんこのお店の場所分かる?」


予約の電話が終わるとちょうど信号待ちをしていたので、等々力さんに携帯の画面を見せて店の場所が分かるか聞く。


「あ、ここ結構有名なとこっスよ!勿論分かるっスよ!」


等々力さんは俺の携帯に表示されている地図を見て直ぐに店の場所が分かったようだ。そのままそのお店に向かうようで行きとは違う方向にハンドルが切られた。


――――――――


「あ~美味しかった~」


俺は桜さんとのピクニックデートの後の夕食を終え、無事家に帰ってきて布団に飛び込んでいた。

今日は色々とあってとにかく直ぐに眠りに付いてしまいたかったが、寝れそうになかった。それほどまでに今日の朝から自然公園にかけての出来事の数々は衝撃的過ぎた。


数々の出来事を思い出しているとふと先ほどの出来事を思い出した。、


「私、頑張るから!」


桜さんは白峰学園前駅で車から降りた時に気合を入れてそう言っていた。

俺にはその言葉の本当の意味は聞けなかったけれど、芝桜の前での会話の時とは比べ物にならないほど桜さんは明るい表情をしている様に見えた。


「……でも両想いってことでいいんだよな?」


桜さんの告白を思いだしながらそう呟く。確かにそれを聞く雰囲気ではなかったが、俺と桜さんは両想いだと思っていいはずだ。


「あ~!!わかんね~!結局俺は桜さんに頼られるのを待ってればいいってことだよな?」


布団の上で何度考えても俺には今の状況で、何をするべきなのか分からなかった。


「……考えてもしょうがないか。」


そして二時間ほどずっと今日有ったことを思い出しながら悩んでいたが、壁に掛かっている時計を見ると時計の針が10時を指していたので俺は考えるのを一旦辞めた。

確かに桜さんは俺を頼ると言ってくれていたので、今悩んだところでどうにもならないことに気が付いたからだ。


「あ、受かってる。」


桜さんのことは一先ず置いておいて、何となく携帯を開いたら白峰学園の転入試験の結果がメールで通知されており無事と言うか、当然というか受かっていた。

また後日転入の手続きで学校に来てほしいという事なので了承のメールを送っておいた。


白峰学園では普通科に転入するつもりなので、これからは平日にゲームをしたり遊び惚けることが出来なくなると思うと少しもったいないな。とは思ったが青春をやり直すと決めたので、学校に行かないという選択肢は無い。


「……とりあえず風呂はいろ」


俺はベットから立ち上がり脱衣所の方に歩いていく。



――――――――


「あ~きもち~」


俺は馬鹿でかい風呂に入りながら、そう呟いた。

正直このマンションに住んでいて一番感動したのは、湯舟が大きいだけではなくジャグジーが付いていることだ。

ぼこぼこと泡が下から湧いてくるのを感じながら風呂に入ると、なぜか疲れが良く取れたような気がするのだ。


「そろそろ出よっかな」


三十分ほど湯舟に浸かっていたので、そろそろいいだろう。ザバァと湯舟から立ち上がり風呂場から出た。


「とりあえず、今は学校のことを考えよう。だけど桜さんから連絡があれば桜さんを最優先する。」


俺は髪を乾かし終わり、ベットに寝転がりながらどこかの誰かに約束をするようにそう呟いた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ