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1話

ーー俺は今、自棄気味で虚空を眺めている。

(あー、めんどくさいなぁ。部屋から出たくないよ...)そう。俺は、12歳にしてインドアを極めていた...

 親に昔言われたよ。子供は外で遊ぶものだぞっ!って。馬鹿言うな。部屋で楽しく読書だろ!俺は必要最低限部屋から出ずに本を読み、知識を溜めている。なぜかって?そこに本があるからさ(キリッ)...俺だって頭ではわかってるんだよ。そろそろ引きこもり卒業しなきゃいけないことくらい。でも、この生活快適過ぎるんだよなぁ...


 そんな馬鹿なことを考えている間に時間が来てしまったようだ。


 「アオトー!そろそろ教会に行くぞー!」


 「エリックー、そんな引きこもりなんて置いて行きましょー」


 「そうよぉ、あんなの置いてきましょぉ。」


 玄関から幼なじみ達の会話が聞こえてくる。とても失礼な会話が...彼らは順に、エリック・ルル・サラだ。因みに、俺が引きこもりになったのも、半分はコイツらのせいだ。幼い頃はよく四人...いや、三人と一人で遊んだもんだ。エリックは良いやつだ。こんな俺を遊びに誘ってくれた。問題は、ルルとサラだ。

 

 この二人は、俗に言う『美少女』ってやつだ。ルルは肩まで伸ばした銀髪で、クリクリとした目がとても庇護欲を誘う。サラは、腰までの長い茶髪の髪をストレートにしている。お姉さんキャラ(あくまでキャラ。同い年。)で、よく二人エリックとルルの面倒を見てとてもしっかりとした性格だ。俺以外には。俺のことは...まぁ、ほったらかしだ。そんな二人を侍らせていたりするエリックはというと、当然平凡な顔つきな訳がなく、薄い赤髪に、キリッとした鋭い目付きだがとても優しい。容姿端麗で運動神経もよく、皆から信頼される完璧人間なのである。

 

 そんな人達の周りで育った俺は、エリック以外誰からも相手にされず、寂しく育った。でも、俺はルルとサラに一目惚れしていた。幼なじみという特権を使い、毎日あの二人の近くで一人で遊んでいた。因みにあの二人は、当時からエリックとイチャイチャしてました。そんな光景を見ても諦めず、毎日を過ごしていた。しかし、忘れもしない当時、俺が10歳の時に事件が起こった。なんと、あの二人が行方不明になったのだ。

 これは、ポイント稼ぎのチャンスとばかりに俺は人一倍頑張って二人を探した。当然エリックと一緒に。


 まぁ、はっきり言って最初から目星はついていたのだが...


 僕たち四人(三人と一人)で遊ぶ場所と言えば隠れ家とは名ばかりのこの町にある、森の小さな洞窟だった。


 うん、やっぱりいた。


 エリックが事情を聞いてみたところ、どうやらある傲慢な貴族がこの二人ルルとサラに縁談を持ちかけてきたそうな。そしてキッパリ断ったらしい。その態度に怒った貴族は「大貴族である俺が決めたんだ!お前らは俺の物だ!」とか言い始め、強行手段に出たそう。そこで二人は怖くなり、ここまで逃げてきたらしい。


 正直、とっても面倒なことになっていた。今すぐ帰りたい。よりによって大貴族(自称)さんかよ...その人は結構有名で、よく年端もいかない少女を捕まえているとの噂がある。...ロリコンかよ。


 よりによって、この森に入るところまで追いかけられていたが、森の中に入ると追いかけるのを止めたと言っていたがそれって多分...


 「こんなところに居やがったか、糞ガキども!」


 「へっへっへ、悪いな。これも仕事なんだよ。悪いことは言わねぇ、さっさとこっちに来たほうがいいぜぇ~」


 まあ、違う人に頼むよね。めんどくさいよぉ...てか、俺以外に戦える人いる?...うん、いないね。しゃーねーな、捨て駒として残るとするか...よし、覚悟を決めるとしますか。

 

 「絶対守るからな...」

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