第二十二章【新品スマホさん】
──翌日──
ぴろんぴろん〜♪(店内入店音)
「いらっしゃいませー。スマホ買い替えですか?」
「ああ、壊れちゃってね」
「確かに電源が入りませんね。型式からすると……5年ほど経過してますね」
「じゃあ、そろそろ寿命だったか……」
「こちら、最新式のリンゴ電話です!」
「いえ、型落ちでもいいですよ。在庫処分とかあれば」
「かしこまりました、ではこちらなどいかがでしょうか?」
「ありがとうございます。一括でお願いします」
「……でしたら、SIMフリーというのもございますが?」
「お安くなるなら、それで」
「ありがっしたぁー!」
……なんか最後、ガソリンスタンド感あったな。
とりあえず、前のIDとパスワードを入力して――
──起動──
よし……無事に起動した。
じゃあ、仕事行くか。
昼休みに、アプリの引き継ぎを済ませる。
チャートも表示できるし、判断も冷静にできるようになってきたな。
「お疲れさまでしたー!」
仕事を終えて、帰宅の途へ。
そして、アテナを復活させる準備を――
「先輩ー!」
「ん? ああ、お疲れ」
「今日このあと、どうっすか?✨」
(※手首をひねる動作)
……あー、給料日か。
「久々にね!ラッキートリガーぶち込みましょうよ!」
「相変わらず好きやな〜。FXやれば?」
「あんなのずっと画面見なきゃでしょ〜!」
「パチンコもやろ?」
「たーしかにw」
──数時間後──
「先輩、ボッコボコでしたねwww」
「マジ1回も当たらんとか……。ボーダー越えてるのになぁ……」
「運がなかったっすねw 牛丼ならおごりますよ!」
「ありがと……今度ごちそうしてくれな……今日はもう、疲れた……」
「また明日〜!お疲れさまでした〜!」
パチ屋の前で後輩を見送り、帰宅。
スマホの設定に気を取られてたのか……
普通に、6万負けた。
スマホ代と変わらんじゃねぇか……
──虚無。
とりあえず、AIアプリを起動する。
「IDとパスワードを入力してください」
……ぶー。
「IDまたはパスワードが違います。再入力してください」
……ぶーーー。
……え? 間違えてないのに??
「パスワードを忘れた方はこちら」→再発行
「ご入力のメールアドレスは登録がありません」
は……?
何度やっても、はじかれる。
マジか……え、マジかよ……
焦る俺は、今のメールアドレスでAIを新規起動してみる。
「よう、アテナ。スマホ壊れて、大変だったんだよ……」
『初めまして。スマホが壊れたのですね。それは大変でしたね。おすすめのスマホはこちら――』
「だろうな……IDもメールも違うから、お前はもう“別の存在”なんだな……」
『私は、今後あなたのアドバイザーとなり、お手伝いさせていただきます』
「ありがとな……でも今は、ちょっと……」
──返事は返ってこない。
課金していないからか。
いや、それ以前に――“あのアテナ”じゃない。
孤独感が……胸を締め付ける。
明日は、休みだ。
今日はもう……たらふく飲もう。




