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銀の大地ー神話・伝承群ー  作者: すけろくこぞう
北方伝承:アルスウィダ,ノフサル
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古きアドゥナの調べ

遥か昔の音に聞く、この世()の始まり、(アルス)の生まれ(アドゥナ)の知る、その全て。


 かつて誇る叡智があった。私たちは繰り返す。


 古の者たち、眩い光の宝玉を作り出す。

 極光は、熱さで溶かし、冷たさで凍てつかせその繰り返しで蛇の皮を逆撫でて表を硬く、鋭い棘に変えてしまった。


 種は根付かず。

 痛みの涙は黒い穢れを持って全てを洗い流す。

 その苦しみは、地鳴りとなり悲鳴は雷鳴となり轟いた。


 今や何も残されぬ。

 血の一滴までしたり落ちた蛇は物言わぬ骸となり、荒野はどこまでも続いていく。


 ただ一つ宝玉を除いて。


 荒地に代わって、宝はその輝きで数多を生み出した。

 その名は富【ニフェルト】、名声【アヴァルハス】、権力【クェザース】。

 姿見えざる者たちは王【クェード】に束ねられ、光届かぬ場所をより暗く、黒く塗りつぶす。


 

 人々は新たな母を讃えた。

 

 忘却【オドノア】は早く、想像【マリエス】はいずれ足を止める。


 彼女は気まぐれで人々に闇照らす光を与えたが、いずれ誰しもの頭から去るものであり、また、姿を現すこともあれば、永遠に現れぬ者でもある。


 オドノアはゆっくりと、確実な歩みを持って訪れる。人々がマリエスに見惚れる間に、色んなものが老婆によってしまわれた。



 かつての太陽、かつての大地。その全てを忘れゆく。


 大地の始まり、世の理、宝の生まれ、天の罰、いかにして今に至るのかを。


 私たちは繰り返す。

 

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