カンディラ
あるところにカンディラという娘がいた。
ほがらな娘は狼に名前をつけて可愛がっていた。
あるときカンディラは狼を連れて叔父の家に行ったとき。
狼が悪い狼だと思った叔父に殺されてしまった。
いい狼だと知って叔父はひどく気に病んで、カンディラにその毛皮で作ったコートを与えどうにか償いをした。
カンディラはその日からオオカミと一緒になった。
朝に一度顔を洗うとき以外はずっと狼の姿でいた。
だからいつしか彼女は自分が娘であったことを忘れて狼と名乗った。
あるところに若者がいて、その若者も狼に名前をつけて可愛がっていた。
その狼は美しい毛並みの雌狼で、とても賢く優しい狼だった。
若者が食べ物に困っているとどこからともなく現れて、ウサギを一匹置いていく。
またあるときはタカ、シカなどを持ってきた。
そして若者がとこに就いた時は、ともに暖をとって眠るのだった。
時々言葉がわかるような仕草をするので若者は彼女を人間のように扱い、すっかり惚れ込んでいた。
そんなあるときカンディラの話を聞き、若者は彼女こそがそのカンディラだと確信した。
だからまずその皮を剥がそうと銀でできた櫛を用意して日中に三度撫でておいた。
その話は西の魔女から聞いた。
西の魔女は物知りで、夜中に撫でた部分を三度擦ると皮が剥がれると教えてくれた。
その代わり彼は全財産を失ったが、カンディラを手に入れるためには少しも惜しくなかった。
とうとうその時がやってきた。
夜中、暖を取るためにやってきた雌狼を三度擦るとその皮が剥がれ落ちて美しい裸の女になった。
そうしてカンディラは人に戻ったのだ。
彼女の両親は喜んで、金銀財宝を携えて若者の元にお嫁にやった。
それから二人は娘を産んで末長く暮らしたのだった。




