ワインとチェス
ショートストーリー第2段です!!
今日も暇な俺はウィール村に遊びに来ている。
いつも通りに喫茶店に入ったり衣類屋で時間を潰していた。
『んー特にこれといった物はないか・・・』
帰る前にミリアの母親が経営しているパン屋に行くか。
結局いつも通りだな。まあ、こういう平和な日常は好きだけど。
パン屋に向かって村の中を歩いていると、
湖辺りの所でさっきまで無かった人集りがあった。
何だろう?寄り道して近くに行ったら荷台付きの馬車が見えて、
何かを販売している女性がいた。
『いらっしゃいましー、ワインは如何ですー?
在庫は沢山ありますので、お並びになってくださいまし』
テーブルの上に大量のワインボトルを置いて売っている女性は、
舞踏会で着そうな真っ赤なドレスを身に付け、
谷間が見えるきわどい格好をしていた。
容姿も髪はなめらかなウェーブがかかり、
綺麗な赤色のグラデーションをしているからすげー派手に見える。
まぁ、いつもの事か。
その女性は偶にこのウィール村に来てはワインボトルを販売している女性だった。
この村にいる住人のほとんどがそのワインが好きで、このように人集りが出来るのだ。
前に一度、ルーナの為にワインを買ってあげた事があったな。
んー今日も並んでいるが買ってやるか。
俺は最前列に並んで待つ事にした。
時間が流れると共に列が減って行くと、
数分後くらいでやっと俺の番が来た。
『お一人様三本までですが、何本買いますの?』
『んー、一本で良いよ』
俺は銀貨を一枚布袋から取り出し、女性に手渡ししてからワインを受け取った。
『またいらしてくださいましー』
『どもー』
女性はいつもの口調で話、手を軽く振って見送ってくれた。
ワインボトルを買った次に俺はパン屋に入り、ミリアの母親と世間話をした後にパンを買って帰った。
『ありがとうございます。また来てくださいね』
『はい、また来ます』
俺は数種類のパンが入っている紙袋とワインボトルを持ちながら村を出て、森にある小屋に帰宅した。
◯
その日の夜、俺とルーナはリビングで集まり、例の物とチェス台を用意した。
『ロアン、ちゃんとワインは冷やしたのかしら?』
『ああ、バッチリだ』
俺はそれぞれのグラスにワインと葡萄ジュース注ぎ、二人で乾杯をしてチェスを始めた。
ふっ、これが大人の時間というもんだな。
まぁ葡萄ジュースだけどね!
『ふふっ、このワイン。本当に美味しいわね』
『喜んでくれて良かったよ』
会話をしながらルークの駒を掴んで前進し、相手のビショップを倒した。
そんな時、ルーナがワインを口に含んでから提案してきた。
『ねーロアン。提案があるのだけど良いかしら?』
『おっなんだ?』
ルーナが不敵に笑ってから言った。
『このゲームに負けた人は勝者の言う事を何でも聞くってどうかしら?』
『おー面白そうだな。その挑戦受けるよ』
お互いに勝った後の条件を述べて、
葡萄ジュースを飲んだ後に再び勝負を始めた。
ゲーム開始から時間が流れてお互いの駒を次々と倒し、
俺はルークの駒を相手のキングに詰めた。
『チェックだ』
『むむ・・・』
ルーナが険しい表情をしながらクイーンでルークを倒すも、
もう一つ残っているルークを横に移動してクイーンを倒し、
再びチェックした。
『チェックメイトだな、ルーナ』
『ま・・・負けましたわ』
よっしゃああああ!!俺の勝ちだぜ!!!
ルーク使い手のロアンに掛かればこんなもんよ!!!!
俺は立ち上がってルーナの元に寄り、約束を果たして貰った。
『それじゃあ、ルーナの胸を触りほ・・・』
『ロアン? そんな約束はしてないわよね?』
手の伸ばすと思いっきり右腕を掴まれた。すいません、調子に乗りました。
本当の約束は勝ったら膝枕をして貰う事だ。
俺とルーナはソファがある場所に移動し、
横になってルーナに膝枕をして貰った。
『んー・・・やっぱりルーナの膝枕は寝心地が良い』
『くっ、恥ずかしいわ・・・』
恥ずかしがっているルーナまじで可愛い。
それにしても勝って良かったわー、
負けたら夜の滝壺に全裸で入らされる所だったぜ。
ルーナに『それは本当にしぬからまじで辞めて欲しい』とお願いをしたが、
『じゃあ、膝枕をしてあげないわ』と返されたから命懸けでチェスをしたよ。
この日の夜は気分が良いまま自分の部屋に戻ってベッドに入り、熟睡する事が出来た。
翌日の夜。
俺とルーナは夜中にチェスを昨日と同じく罰ゲーム付きでやり、
ルーナに勝ってもっと恥ずかしい思いをさせようと思ったが負けてしまい、
夜中に滝壺に全裸で入らされ、次の日に風邪を引いてしまった。




