第24話「鉱山の罠、塔への突破口」
ギルドの朝。依頼掲示板には新たな任務が並んでいた。ユウたちは、報酬が高めの「鉱山での鉱石採取補助」依頼に目を留める。目的地は、記憶域の外縁にある鉱山。報酬は銀貨8枚。
「これで、ユウの銀貨は10枚になるね」レイナが言う。
「じゃあ、任務が終わったら教会に行ってみよう。試練に挑戦できるか確認したい」ユウが頷く。
受付で手続きを済ませると、隣の窓口で別のパーティーが同じ依頼を受けていた。彼らは中堅ランクの「灰牙団」と名乗り、どこか冷ややかな視線を向けてくる。
「初心者が鉱山任務か。無理すんなよ」その一言に、ライが目を細めた。
鉱山は静かだった。ユウたちは慎重に採掘を進め、魔力鉱石をいくつか確保する。任務は順調に進んでいた。
だが、帰路に差しかかったとき、岩陰から盗賊が現れた。さらに、先ほどの灰牙団が背後から現れ、武器を構える。
「鉱石、置いていってもらおうか。命は助けてやるよ」盗賊が笑う。
「挟み撃ちか…」ライが低く呟く。
ユウたちは即座に陣形を組む。リナが魔力矢で盗賊の足を止め、レイナが障壁で背後の奇襲を防ぐ。ライが双刃連撃で敵の隙を突き、ユウは水流跳躍で岩場を飛び越え、指揮役を狙う。
激しい戦闘の末、盗賊と灰牙団は撃破された。ユウたちは彼らを拘束し、ギルドへ戻るのではなく、記憶管理局が管理する騎士団の詰め所へ向かった。
騎士団の詰め所で、事情を説明すると、隊長が目を見開いた。
「灰牙団には前から目をつけていたんだが、尻尾を出さなくてな。助かったよ。盗賊も指名手配されていた連中だ。君たちの働きは大きい」
報酬として、銀貨20枚が手渡される。だが、ユウはそれを受け取る前に言った。
「報酬もありがたいですが…記憶の塔への挑戦を許可してもらえませんか?」
隊長は少し驚いたようにユウを見つめた。
「銀貨10枚は誰でも集められるが、実は塔への挑戦は、記憶域とその周辺への“貢献度”によって許可される仕組みなんだ。今回の件は、十分に該当する」
彼は奥の部屋へと消え、しばらくして管理官を伴って戻ってきた。
「この度の功績に感謝すると同時に、記憶の塔への挑戦を正式に認める。残念ながら挑めるのは君たちの中から1名だけ記憶域に入る事を許可とする。したがって塔に挑めるのは1名のみとなる事、問題が無ければ署名してもらう必要がある」
説明を受けたユウは署名を済ませ、受理された証を手にした。
「これで…突破口が開けた」ユウが静かに呟く。
その夜、宿の部屋でユウは窓辺に立ち、塔の影を見上げる。仲間たちは静かに見守っていた。
明日、彼は一人で塔の試練に挑む。




