第17話「庁の胎動と、暮らしの礎」
朝の空気は澄み、広場には新たな緊張が漂っていた。 庁の仮事務所前に集まるリーダーたちの顔には、決意と不安が混じっている。
ユウは掲示板の前に立ち、静かに口を開いた。 「今日の議題は三つ。庁の内部構造、通貨の制度、そして保護施設の設計と運用についてだ」
リナが記録帳を開く。 「庁は三部門に分けます。生活支援部、流通管理部、通貨運用部。それぞれの統括は、私、ミナ、オゾンが兼任します。実務は別途職員を配属します」
ミナが続ける。 「流通管理部では、物資の買い上げと税の徴収を担当します。ギルドとの連携もここで行います」
オゾンは通貨の案を示す。 「通貨の名前は『リズム』に決定しました。街の響き、暮らしの流れ、希望の鼓動を象徴します」
リズムの単位換算が掲示される:
1リズム → 10円
10リズム → 100円
100リズム → 1,000円
1,000リズム → 10,000円
10,000リズム → 100,000円
100,000リズム → 1,000,000円
ユウが頷く。 「初期分配は一人あたり20,000リズム。まずは生活の安定を図る。その後は働きに応じた支給へ移行する」
トーヤが設計図を広げる。 「保護施設は『響きの庵』と名付けよう。医療班と連携し、食事・住居・就労支援を提供する」
セラとドロスが建築支援を申し出る。 「素材は工房ギルドが提供する。建設は防衛班と協力して進めよう」
リナが記録を閉じる。 「以上の制度で、当面の安定を図ります。これにて今回のリーダー会議の取りまとめを終了とします」
ユウが掲示板に通達文を貼る。 「この決定は中心広場へ通達し、案件は完了とする」
広場に響く鐘の音。 人々が掲示板の前に集まり、通貨の名前と庁の構造を見つめる。
街は、制度という水路を得て、静かに流れ始める―― それは、暮らしの音が響き合う、新たな日々の始まりだった。
次回は、冒険の旅再び




