第1話 月光
この物語に書かれている地名・人名は実在のものと一切関係ありません。
「うわあああっ!」
俺は布団を蹴飛ばす勢いで目が覚めた。
反射的に自分の首を触ってみたが、さっきの生温かい感覚や傷などは一切なかった。
だがよっぽど恐ろしかったのか、額からちょっぴり汗が滴っていた。
「夢か......?」
正直、夢にしてはリアル過ぎだ...
自分の部屋を見渡すと、向かい側の壁に、午前1時と表示している壁掛け時計が目に入った。
そして、カーテンの隙間からナイフのように切り込んでいる月光は、俺の名前の「松原 政銀」と書かれた制服の名札を照らしていた。
「あっ、やべっ.....」
今更だが、夢から覚めた時に大声を出したことを思い出した。
アパート住まいなので、隣人に迷惑をかけるのはまずい。
この家では俺と大学生の姉ちゃん「松原 翔子」と住んでいる。
姉ちゃんは面倒見が良すぎる上に元ヤンだったから、グチグチうるさいので少し焦ったが、特に起きてくる気配はなく、家中は静かなままだったので安心した。
そもそもなんであんな夢を見たんだ?
ってかそんなことを考えなくていいか。
疲れすぎって事でいいだろう。
明日は月曜日だということも相まって、俺早く寝ることにした。
じゃ、おやすみ。
......
............
.....................
「雅銀ー? 大声出したのあんたぁ?」
おいおい、なんで今来るんだよ...
せっかく寝れそうだったのに...
俺は眠そうな声で答えた
「気のせいじゃないの......」
「ホントに?あんたの部屋から聞こえたんだけど?まぁいいや、おやすみー」
「おう......」
......めんどくさい姉ちゃんだ。
今度こそおやすみ......
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