第2・3節 細川邸へ
朝食後、宗恩がどこかへ出かけたので、今が好機とばかりに細川邸へ向かった。
無事、細川邸に着いた私は、さっそく古田織部に茶道の指導を受ける。
古田:「次客が茶室に入る場合、正客の後に続いて、床を拝見します。このように、まず扇子を、カナメを右にしてひざ前に置きます。」
私:「扇子ですか。先日の関白様の茶会では、まったく使わなかった気がします。」
古田:「知っています。かなり、ひやひやしました。それに、関白様の茶会で懐石料理が出なかったのも幸いでした。」
私:「食事が出ていましたが、懐石料理ではなかったのですか。」
古田:「関白様の茶会では珍しいのですが、あれは点心といいます。作法はあまり気にせずに済みます。」
細川:「そういえば、点心のあと、炭もつがずに、すぐ濃茶点前というのも茶会としては珍しいですね。関白様らしいと言えば、それまでですが。利休殿には幸いでしたな。次客なので、ほとんど何もせずに済みましたから。」
古田:「そうでもありません。最後に関白様を怒らせてしまいましたから。」
細川:「紅梅の散らし方ですね。本来はどうあるべきなのでしょう。」
古田:「史実では、紅梅を右手で握り、水がめに一気にばら撒きます。」
私:「知りませんでした。」
細川:「関白様の件は、おいおい考えましょう。」
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