第11・4節 壺荘 ~結びについて~
中立が終わった。
古田:「では壺荘を行います。まあ正式には、表千家第五代家元・随流斎宗匠の頃から行われる結び方です。」
私:「壺荘?」
古田:「壺荘は、口緒という紐を使って、口覆の上から茶壷の咽喉を結ぶ所作です。真・行・草の結びがあります。真は両輪奈結びをし、結び目を正面に向けます。行は総角結びをし、結び目を客付に向けます。草は、淡路結びをし、結び目を勝手付に向けます。ただし、この時代は、唐結びのみ行います。」
細川:「陰陽五行説はご存知ですか。水引だと、丸いものを結ぶ片輪奈結び、平たいものを結ぶ両輪奈結び、そして結び切りというのがあります。丸いものは天の形で陽を、平たいものは、地の形で陰を表します。」
古田:「淡路結びは、基本的に解けないようになっていますね。祝儀用の水引などは、金銀と紅白の二種類あって、金銀結びは、結婚式などに使用され、二度とない、切れないことを表し、紅白結びは、御礼など、一度だけの大切なことに使用されるはずです。」
細川:「古田殿と同じような内容になりますが、紫式部の『源氏物語』で、薫の歌の中に
あげまきに 長き契りを むすびこめ
おなじ所に よりもあはなむ
というのがあります。この総角結びは、古墳時代の男子の結髪である美豆良が変形したものですが、 頭髪を左右に分けて頭上に巻き上げ、双角状に両輪を作ったものです。一種の魔よけといったところでしょうか。また、淡路結びは、明治以降に考案された結び方です。水引の色を使い分ける事で、慶弔ともに用います。中部地方以北では結び切りの変形として扱われ、何度もあってはならないことに対してのみ用います。逆に、関西以西や北陸の一部では、結婚以外の祝事にも紅白の淡路結びが使われます。」
古田:「では、唐結びの練習をします。」
私:「よろしくお願いいたします。」
私は、壺に口緒を何度か結んでは解く練習をした。
古田:「良さそうですね。では濃茶点前を始めましょう。先ほど壺から出した茶です。挽きたては美味しいですよ。」
茶会が終わって帰る際、細川から茶の入った茶壺をもらいうけ、家に帰って水屋に置いた。
この茶壺は、10月20日の千家での自主練習で、口切することとなった。
翌日、10月18日は古田家で、次の10月19日は細川家でそれぞれ茶の湯の特訓を行った。
この作品は「YouTube(
https://www.youtube.com/watch?v=x96evlxTrrs&list=PLH33wsaeFCZWtchkfIIltAH2CqFwbjcH8&index=18
)」にも掲載しています。




