闇の組織・レッドスネーク
気づけば、リリーの身体は剣で貫かれていた。ぽたぽたと鮮血を地面に流し、倒れてしまった。
「リリー!!」
わたしはイクス様から離れ、リリーの元へ。いったい、誰が……。見上げると、そこには『男』がいた。
うそ……うそよ。
なぜ、この男がそこに立っているの!!
「……ローズ。いけない子だ」
「ヒッグス!! どうして生きているの!?」
そこには手も足も無事で、血の一滴も流していない完全な状態のヒッグスが剣を持って立ちつくしていた。
「俺を殺したって? 言っただろう、組織は永遠だと!!」
「貴方は不死身なの……ヒッグス」
「違う、違う、違う、違う、違う……!! ローズ、僕は『アレックス』だ。ヒッグスは、大切な双子の弟だった……」
「ま、まさか……そんな、兄がいたなんて」
「ああ、弟から逐一聞いていたよ。ローズ、君は弟になんて酷い事をしたんだ。なぜ手足を切り刻み、心臓を突き刺した!! 可哀想だろう……これはその剣だ」
ニヤニヤとした表情で見せびらかすアレックス。もともとは、リリーの剣。なんてこと、このままではリリーは死んでしまう。
「……お姉様、ごめんなさい」
「諦めてはなりません、リリー!」
「……もういいんです。私は最後まで迷惑しか掛けられなかった……ほんの一瞬でもローズさんをお姉様と呼べて…………よかった」
どんどん冷たくなって、リリーは帰らぬ人となった。……そんな。こんな事って。わたしに力がなかったせい?
「くっ、リリーがやられた。おのれアレックス!」
イクス様が剣を構えた。
「おぉ、これは帝国のパラディン……イクスか! お前なんぞ、俺の相手にもならんぞ。いいか、お前は所詮、フォートレス家のお飾りだ。お飾りはお飾りらしくしていろッ!!」
地面を蹴り、アレックスはイクス様に猛攻を加えた。……あの男、強い。
「――ぐッ!! アレックス、貴様……何者だ」
「大国セルペンスの王だよ」
「なんだと!?」
「いいか、大国と帝国の戦いは長きに渡る。無論、帝国に正攻法で勝てるなど思っておらぬ。ならば、内部から崩壊させ、混乱に陥れる。そうだよ、我々の組織・レッドスネークとは帝国を乗っ取る為に秘密裏に動いている闇の組織」
「貴様あぁぁ!!」
ガンガンと剣を打ち合う二人。でも、イクス様が押されているだなんて……信じられない。あのアレックスという男は、かなりの手練れ。




