パレード
「明日はいつも通りでしょうか?」
「恐らくな」
「またパレードかよ。よくもまあ恥ずかしくもなくやるよな!」
ニーナの問い掛けに答えると今度はケインが呆れた様に吐き捨てた。
「俺達は裏方だ。そう言う事は表の奴らに任せよう」
魔王軍に脅かされた人にとって希望を与える意味では派手にパレードをするとかの行動は有効なのかも知れない。
そう考えると勇者パーティも全くの役立たずでは無いのかも。
「その後はやっぱり祝勝会よね?」
「ああ。避難していた領主も戻ったそうでな、明日の夜に盛大にやるらしい。それも俺達とは縁が無いな。どんな顔してあの戦いを語るのかは見たかったけどね」
「本当に良い性格してるわね」
「お互い様だろ?」
奴らの戦いを見届けた後は落ち着いた口調の姐さんとこんなやり取りをするのが俺のルーティン。
◯▲△
その後は予定通り勇者パーティによるパレードが行われた。
満足気な笑みを浮かべている勇者パーティの面々!
自称勇者のロバート、インチキ賢者のダニエル、残念な剣聖のチャーリー、そして性悪エセ聖女のエミリーが恥ずかしくもなく町の大通りをパレードしている。
それを少し離れたカフェでお茶を飲みながら冷めた目で見ている俺達。
「後で今回の報酬をもらって来るから先に飲んでいてくれ」
「そうね。重要な事だからリーダーが行かないとね」
「それで報酬金の管理までするんだろ。流石は俺達のリーダーだぜ!」
「本当にリーダーには頭の下がる思いです」
その手の事は誰もやらないし。俺以外。
「ん?」
不意に誰かの視線を感じた。俺の感覚も鋭くなった物だ。俺はすぐに辺りを見渡す。だがそれらしい者は居なかった。
「気のせいか」
だがまだ感じる。確実に感じるそれには殺気等は無い。何か違う想いが籠もっている様な視線だ。
視線を手繰るとこれはかなり離れている勇者パーティからか?
「あれは…」
かなり離れていて見える筈が無い。しかし俺は、パレードをしてあちらこちらに愛想を振り撒いているエミリーと目が合った気になって仕方がなかった。




