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令嬢の想いと令息の行動~誤解の先に~

シリアス続いたのでラブラブ持ってきました(・・;)

よろしくお願いします

翌日の放課後、私はアリステア様のお茶会に押し掛ける事になった。

あらかじめベアトリス嬢には、参加者の令嬢達に私が来ると根回しをして貰う。

不意打ちの様になるけれど、普通に考えて私との面会を素直に受けて下さるとは思えない…。

今のアリステア様の状況から、突然の面会を怪しまれるのだけは避けたかった。



―今日もレオと話せなかったわね…。

教室でベアトリス嬢が呼びに来るのを待ちながら、レオの事を想う。

姿は見掛けるが、気づけばどこかに行っている様で、いつの間にかいなくなっている。

―アリステア様とお会いする事、レオにも話しておきたかったわ…


彼が怒るから、ではなく、私が行おうとしている事をレオにも知っておいて貰いたい。

彼はそれ程に私にとって大切な人だから。

そして、彼が今している事も、私に話して欲しいのに…。

―私は、レオに信頼されていないのかしらね…

自嘲する笑みを浮かべながら、つい先程見かけた光景を思い起こす。


先にサロンへ向かおうと歩いていると、向こうからレオとマッケンジー男爵令嬢がやってくるのが見えた。

私は慌てて柱の影に身を隠し…二人の様子を伺っていた。

―なぜ、隠れたりしてるの!

そう思うけれど、足が動かない。

お互いに話に夢中なのか、こちらに全く気づく様子も無く…そのまま二人はサロンの一室に入っていった…



自分の見た光景が信じられない。

ふらふらと教室に戻った私の頭の中は、レオとマッケンジー男爵令嬢の事で一杯だった。

―私はレオを信じてるわ。

先程の事も何か理由があるのよ。

頭をブンブンと振り、目に焼き付いている光景を追い払う。

―お父様もああ言ってらっしゃったもの…

レオを信じるようにって…


と、そこまで考えた時、何かがプツンと弾けた気がした。

―けれど…悪いのはレオではなくて?


「そうですわ!くよくよするなんて、わたくしらしく無いのですわ!」

勢いよく立ち上がり、敢えて声に出してそう言ってみる。

―そうですわ、何も話してくれないレオが悪いのですもの。

今度こそ捕まえて、白状させてみせますわ!


久し振りに、気分が高揚するのを感じる。

―ゲームで見た悪役令嬢の様に、腰に手を当ててオーホッホとやりたい気分ですわ。

まぁ、彼女達はきっとこんな感じでしたのね!

レオを捕まえる、そう決心したことでモヤモヤが晴れた気がするわ!


―けれど…誰かにこんな姿を見られたら、恥ずかしくていたたまれませんわね…

おかしくなって少し笑った。

―一人でぶつぶつ喋り、百面相をしているのですもの。

―もしかして、前世のわたくしはこんな感じだったのかしら?

クスクス笑いながら何気なく顔を上げると…

唖然とした顔で固まっている、ベアトリス嬢が立っていた…




「ご、ごきげんよう。ミーシア様。お迎えに上がったのですが…………も、申し訳ありません!わ、わたくしは、何も見ておりません!」


―それは…見たと同義ね?


猛烈に顔が赤くなっていく。見られた衝撃に、体が固まって震えるのが分かる。

―公爵令嬢として、あるまじき姿を見られましたわ!

微動だにしない私を見て、ベアトリス嬢がもう一度、「何も見ておりません!」と叫びながら教室から飛び出ようとしたその時…


「おや、珍しい組み合わせだね。一体どうしたの?」

そこには、何も無かったかの様な笑顔で微笑む、レオがいた。


「レ、レオ!」

マッケンジー男爵令嬢と一緒にいた筈のレオがいる!

―ど、どうして?

聞きたいことや、今までの事がわっと溢れ出し、レオを責めたい気持ちになる。

「なんですの!今までわたくしを放っておいた癖に!なぜそんなに普通なんですの!」


さっきまでの勢いはどこへやら、私は泣きながらぽかぽかとレオの胸を叩いていた。

「ごめんね、シア…」

そっと私の額に口づけを落とし、溢れる涙を指でそっと拭ってくれる。

それでも止まらない涙を見て、自分の胸に私を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。

「ごめん、シア。君を泣かせるつもりなんて無かったのに…」

コツンと私の頭の上にレオの頭が乗ったのを感じる。そのまま更にぎゅっと抱きしめられた。


「あ、あの……わ、わ、わたくし…」

ハッと顔を上げる。

ベアトリス嬢が顔を真っ赤にして、先程の私に負けない位ぷるぷると震えていた。

「ベアトリス様!ご、ごめんなさい!」

「い、いえ、わたくし、お邪魔の様ですので…お、お茶会は、また後日という事で…」


そう言って今度こそ教室を出ようとする彼女を、レオが引き止めた。

「ちょっと待って。君は確かマグワイア子爵令嬢だよね?アリステア様の友人の」

ベアトリス嬢は、動揺した様子を見せつつも、レオにきちんと名を名乗り挨拶をする。


「シア?お茶会ってどういうこと?」

―あら?レオの笑顔が怖いわ…

有無を言わせぬ笑顔で、私に説明を迫ってくる。が、レオの追及を受けてムクムクと反抗心がもたげてきた。

―なんですの?説明をして貰うのはわたくしの筈ですのに!


「えぇ、アリステア様のお茶会に参加しますの。ベアトリス様からお誘いを…受けて?」

ツンと顔を上げて言い切るつもりだったのに…

「へぇ、アリステア様がシアもお茶会にって?」


―え?アリステア様は…

もごもごし始めた私に、更なるレオの追及が待っていた…


今回ひどい目にあったのは、ベアトリスちゃん…( *´艸`)

14-15日は更新お休み予定です。ごめんなさい(-人-;)

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