第49話 奇跡の5つ星
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どうぞよろしくお願いいたします!!
アラートフの町から馬車で3日。
バルキア帝国の首都に到着した。
「マークさん、ありがとう!」
「こちらこそ、本当にありがとうございました!
絶対にまたアラートフにきてくださいね!」
「きっとまた行くわね。」
「また会いましょう!」
マークはそう言って、再び馬車を走らせた。
2人はマークと別れ、首都の街中を歩いている。
ロックは世界でもほとんどいないスキル5つ持ち。
首都が広いとはいえ、誰かに見つかったら面倒。
そう考えた2人は、フード付きの服で顔が見えないようにして移動していた。
向かう先はミラの家。
「ミラの様子を少しだけ見に行きたいんだ。」
そうティナに相談したロックであったが、ミラの家がある付近は顔見知りが多い。
慎重に歩いていた。
ふと、道端に泣いている子供がいた。
「どうしたの?
大丈夫?」
「えーーーーーん!!!」
大号泣の子供。
「お母さんとはぐれたの?」
そう聞くと、子供が木の上を指差す。
「あ、風船が飛んでっちゃったの?」
「えーーん…。」
コクンと、泣きながら頷く子供。
「ちょっと待ってね。
よっ…と。」
ジャンプして風船をキャッチするロック。
「どうぞ。」
「…ありがと。
お兄ちゃん、お姉ちゃん。」
子供が泣き止んでくれてホッとする2人。
「あ、ロック!」
ジャンプしたはずみでフードがズレて、顔が見えている。
「あ!」
ロックはフードをさっと元に戻すが、怪しい風体の2人組が子供に近寄っていたことで、すでに注目を集めていた。
見ていた中の1人が思い出したように叫んだ。
「あ、お前 「奇跡の5つ星」じゃねえか!」
(しまった…。)
「え!?
ウソだろ?!
死んだはずじゃ?」
そういった若者が、ロックのフードを強引にめくる。
「本当だ!
生きてたんだな!
まさに「奇跡」!」
その若者グループは愉快そうに笑っている。
「なんなの、あなたたち。
失礼よ。」
「なんだ?
お前も怪しい格好しやがって。
いいか?
こいつは世界でも珍しいスキル5つ持ちなんだ。
それだけでもすごいのに、覚えるスキルがどれもこれも1つ星のクズスキルばかり!
畏敬の念をこめて、「奇跡の5つ星」と呼ばせていただいてるんだよ!」
「大体、孤児のくせに5つ持ちなんて生意気なんだよ!
クズスキルばっかりよりは、スキル1つで★2でもあったほうがいいけどな!」
「…行こう、ティナ。」
2人は暴言を吐き続ける若者を無視して、その場を去った。
「感じ悪い人たちね。
あんな低レベルなことしか言えないくらいなら、スキルなんてないほうがいいわ。
もっとも、人間性は元からとしても、今となってはスキルもロックのはるか下でしょうね。
何一ついいとこないわ。」
若者グループの態度にかなり腹を立てていたティナは、珍しく悪口を並べる。
そんなティナにロックは癒される。
「ありがとう、ティナ。
ティナが代わりに怒ってくれたから、なんかどうでもよくなっちゃった!
ミラの様子が見られないのは気がかりだけど、今会ってもしょうがないからね。
馬車でフォーレンに向かおう!」
「私も会ってみたかったけど、1年後の楽しみにするわ。」
それから2人は食料品や旅に必要な雑貨を買い揃えた。
久しぶりの首都だったが、ゆっくりする間もなく、次の町へ馬車で旅立った。
次話、馬車の旅!




