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第28話 道を探し、歩き続ける

この2人、いい人たちに出会いすぎです…。

「魔王を倒してはダメ?」


「んだ。」


「一体どういうことですか?


 僕の故郷は魔王に滅ぼされたんです。

 そして、魔王はその故郷に居座っています。

 みんなの仇をうちたい…。


 考えることはいろいろありますが、倒しちゃダメっていう意味はわかりません。」



「…そっが。故郷を…。」


ゴルドは目を閉じた。



「どうしてなんですか?

 教えてください。」



ゴルドは目をゆっくり開き、真っ直ぐロックをみた。


「それじゃ、言うぞ。

 ごれはBランク冒険者になっだら教えられるこどだ。

 弱いランクの冒険者には関係ねえ話だし、魔王を倒すっていうやづはほどんどいねえがらな。

 






 


 魔王を倒すどな…。

 















 世界中のモンスターが消えるんだ。」



「世界中のモンスターが…?」



「んだ。

 そうなるど、どうなるが、わかるな。」


「…。」


ロックは言葉が出ない。


「…冒険者は仕事を失い、世界は食糧危機に陥る。

 すごい数の人たちが路頭に迷い、飢え死にしてしまうのね…。」


ティナが代わりに口を開いた。


「ああ。

 そったらごとになっだら、世界は終わっちまう。」


「…。だれが。」


「ん?」


「だれがそんなこと言ったんです?

 倒したこともないのに、なんでそんなことがわかるんですか!?」


「そだな。

 もしかしだら、消えねえがもしんねえ。

 




 ただ、







 それを言ったのは、












 魔王本人だ。」



「魔王本人!?」


「んだ。

 今がら14年前、魔王はバルギア帝国に攻め込んだ。

 ロッグ、おめえの故郷を滅しだ後だな。

 激しい戦いになっだ。

 今の帝国の皇帝、その当時はまだ皇帝じゃなかっだが…。

 それど、今のギルドマスターが中心となっで、なんどが帝国を守ったんだべ。

 

 その時に、魔王本人がいったらしい。


 「我を倒せば、モンスターはこの世界から姿を消す。

  今のお前たちにとって、それがどういうことになるかな?」


 とな。」


「それは倒されそうになったから、逃げるためについた嘘じゃないのかしら?」


「それがな?

 皇帝とギルマスどっぢも、魔王はまだ本気じゃながった、そう言っでるんだ。

 おそらぐ、あれは真実だ。

 だがら、魔王を倒しちゃなんねえ、とな。」


「…。

 じゃあ僕たちはなんのために強くなるんですか?

 食料のためだけなら、弱いモンスターだけ倒しててもいいじゃないですか…。」


「魔族だ。」


「魔族…。」


「魔王の配下、魔族は他のモンスターど違う。

 知能を持っでいで、他のモンスターを率いで町や城を襲っでくる。

 それがら、人類を守るのが、おらたち高ランク冒険者の役目だ。」


「…そんな…。」


ヨムじいさんから言われ、「魔王を倒すこと」、それを目的にするのが本当にやりたいことなのか、ロックにとって大事な人たちの幸せに繋がることなのか、考えながら旅をしてきた。


そして、考える材料を探すために旅をしたいと思っていた。


それが、1番最初の街で、倒すこと自体を否定されてしまった。



4人の間に沈黙が流れる。


「ロック。」


ティナがしっかりとした口調でロックの名を呼んだ。


「おじいさんが、カイルが教えてくれたこと。

 そして、私たちが命をかけて学んだこと、忘れたの?」


「忘れるわけない!

 魔王を倒すことがだれのためなのか、なんのためなのか、考えてきた!

 これからも考え続けるつもりでいた!

 でも、倒しちゃダメなんて…。」


「教えてくれたのは、それだけじゃないわ。

 

 絶対に勝てないとわかっていながら、あのディランに立ち向かった時のことを思い出して。」


「…。

 




 …。





 諦めないこと。」


「そう。」


「諦めずに道を探すこと。





 挑戦すること。



 

 

 本当に倒せないのか。


 

 

 

 倒せなくても、故郷を取り戻す方法がないのか。

 



 

 モンスターがいないと、本当に僕らはダメになるのか…。」



「やれることは、まだありそうね。

 私たちの旅、2日前に始まったばかりよ?」


「そうだね。

 こんな大事なこと、もう忘れちゃうなんて…。

 情けないな、僕は。



 ティナ、ありがとう。」


「忘れても、迷ってもいいのよ。

 そのために仲間がいるんだもの。


 自分の大事なことがダメになりそうな時、人は冷静じゃいられない。

 でも、あなたは1人じゃない。

 ダメになりそうな時は、私が支える。

 

 …あなたが私を支えてくれたようにね。」




「…いい仲間だな、おめえら。」


「んだんだ…。

 まげんじゃねえぞ、おめえたち…。

 魔王なんが、ゲンコツくらわしで、海の底に沈めでごい!」


「ダニス!んだがら、倒すのはダメだって今話しただろがー!」


「そだけんど、ええじゃないか〜!

 野菜でも魚でも、なんでも食えばよかじゃろ〜!」




「ぷっ…。」


「ふふっ。」



2人のやりとりに、気持ちが和んだロックとティナ。



「また大事な人が増えました。

 ゴルドさんと奥さんがこうやってずっと笑い合える時間を守りたいです。」


「Fランクのひよっごがなに言ってるだ〜!」


ゴルドはそう言いながら、嬉しそう。


「魔族から守ってるだけじゃ、その目的は果たせない。

 やっぱり、元凶の魔王をどうにかしたい。

 その方法を探すために、僕は冒険をしていこうと思います!」


「だがら…!」


ゴルドの照れ隠しの言葉を遮って、ゴルドの奥さん、ダニスが真面目な顔で語りかけた。


「でもな、おめえたち、絶対に死んじゃなんねえぞ…。

 おめえたちが犠牲になっで世界が平和になっでも、おらたち悲しいから。」


「…。

 そのセリフはおらが言おうど思っでたんだよ、ダニス!

 

 あー、もう湿っぽいのはおしめえだ!

 明日は早えんだ!

 もう寝るぞ!

 

 ロッグ!

 ティナにエッチなこどすんじゃねえぞ!」


「僕、毎回言われてる気がするんですけど!

 そんなことしませんからね!?」


「ふふふっ。

 ロックはすぐいやらしい顔するからね。」


「え!?

 うそ!!?

 いつ??」


「冗談よ。

 かわいいんだから。」


「か、かっ、かわいいって…。」


「ほら、いやらしい顔。」


「もう!変なこと言わないでよ!」


「だしがにいやらしいな…。」


「犯罪級だべ…。」


「2人まで!!

 もう寝ますよ!まったく…!」



(エッチなこと想像したのバレたのか!?

 冗談だよね?バレてないよね…?)



怒ってごまかし、眠りについたロック、そしてティナだった…。


次話、クエストに出発!

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