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第114話 リッチェルに感じた違和感の正体

最後に全てのスキルを明かしたのは、リッチェル。



(あの時感じた嫌な感じは、これのせいか…。)


彼のスキルを聞いて、ロックは言い知れぬ悪寒の正体を理解した。




++++++++++++


【スキルコピー ★★★★★】・・目視できる対象の★4以下のスキルをコピーできる。解除するまではそのスキルを保持できる。


【見切り ★★★】・・相手の攻撃動作を見切りやすくなる。


【経験値ボーナス ★★★】・・経験値を1.5倍得ることができる。対象をパーティ全体にすると1.2倍。


【ラッキースケベ ★】・・ラッキースケベが起こる。


++++++++++++




そう。



【ラッキースケベ】だ。


ミラのパンツが丸見えになったのは、スキルの効果だったのだ。


怒りに似た感情とともに、葛藤が生まれる。



(なんて…、なんて魅力的なスキルなんだ…!!)


むっつりスケベのロックにとって、そしてスキルを奪えてしまうロックにとって、そのスキルを奪いたいという誘惑は底知れない強さを持っていた。



そして、その葛藤をリッチェルもまた抱えていた。


公開した瞬間、みんなから【ラッキースケベ】を入れ替えるよう総口撃をくらったのだ。


戦力UPは間違いないし、何より女性陣からの口撃がすごかった。


ミラだけでなく、セアラも被害に遭っていたようだ。



しょうがないとわかりつつ、割り切れないリッチェル。


そして、その気持ちが痛いほどわかるため、何も言えないロック。


2人の間にくだらない絆が生まれかけていた。



まあ、結局入れ替えることになったのだが。



S級冒険者でユニークスキル持ちとはいえ、リッチェルの実力は正直微妙なものであった。


スキルコピーの対象は★4までであるため、汎用性はかなりあるが、強いスキルをコピーできなければ死にスキルとなってしまう。


先ほどロックのスキルを確認するため、現在は【スキルコピー】となっている。


【経験値ボーナス】によってギリギリS級冒険者のレベル70となった、というのが実情だ。



ちなみにリッチェルはソロ冒険者。


「男性冒険者とはパーティを組まない」


というのが信念(?)らしく、女性冒険者はラッキースケベと彼元来のキャラにより定着しないため、結果的にソロとなっている。


【経験値ボーナス】があるため、パーティを組むメリットはかなり大きいが、それを台無しにするリッチェルはある意味、規格外。



ただ、この作戦に対してリッチェルは大変有益な情報を提供してくれた。


それは、敵のスキル。


【スキルコピー】を持つリッチェルは幾度となく攻めてきたモンスター達のスキルを把握していた。


アルカトルのモンスター生息域「ゾシメズの山道」には合成獣が巣食っており、ステータス異常を中心とした弱体化のスキルを多用してくる。


その相手から的確に有効なスキルを奪い、それぞれに適したスキルを考えることができたのだ。



その後、ロックのスキルを打ち明けるA級冒険者を会議場に呼んだ。


打ち明けたと言っても、S級冒険者たちのように詳細にではない。


ロックのパーティメンバーのスキルにより、条件はあるがスキルを変化させることができる、ということにしてある。



スキルを入れ替えたA級冒険者たちは、後々S級に手が届くようになるだろう。


ロックがもしどこかの国に加担したとすれば、その国は圧倒的な戦力を有することができる。


全ての冒険者をランクアップさせることができるわけだから。


ヨムじいさんが言っていた、「世界を牛耳ること」も決して世迷いごとなどではないのだ。



会議が終わり、解散するタイミングでリッチェルが口を開いた。


「彼らの誠意に少しだけだが報いたい。

 この戦闘の間だけ、僕をパーティに加えてくれ。」


ティナとミラの顔がひきつる。


(【ラッキースケベ】を発動してくれるってことか…?)


むっつりのロックはリッチェルと【ラッキースケベ】が切り離せなくなっているため、正常な思考ができない。


「その理由はわかっていると思うが、【経験値ボーナス】だ。

 パーティに加えてもらうだけで、君たちの経験値も1.2倍になる。」


(あ、そっちね…。

 でも、一緒にいる時間が増えたら、僕にも恩恵が…!)


「あ、ありがたいです!

 ね?みんな?」


「「う、うーん。」」


ミラとティナは複雑そう…。


「ありがてえべ!

 ぜひ入っでもらおう!」


そこにラフリンクスに加入済みのゴルドが後押ししてくる。


「お、お願い、します?」


「できれば、あんまり近寄らないで欲しいわ…。」


何気にひどいティナ。


「そんなに照れなくても大丈夫だよ。

 さあ、僕が外までエスコートしよう。」


超絶ポジティブなリッチェルが立って近づこうとするが、ティナは距離をとるため颯爽と立ち上がろうとする。




パンっ!




ヒューーーン。




コンッ。




急に立ち上がった反動で、ティナのシャツのボタンが弾け飛び、リッチェルの額にぶつかった。


それはティナの暴力的なまでのお胸の仕業。


そして、リッチェルの【ラッキースケベ】の。



「……。」



ジロリとリッチェルを睨むティナ。


そして冷たく言い放った。



「近寄らないで。」



流石にヘコむリッチェルと、ティナの谷間を拝むことができ、心の中で彼にお礼をいうロックであった。


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