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第113話 S級冒険者たちのスキル

話し合いの結果、ロックのスキルを使用するのは、S級冒険者と一部のA級冒険者ということになった。


できればS級冒険者だけにした方がロックの秘密は守れたのだが、それでは被害を抑え切れないだろう、ということになった。


とはいえ、ロックのスキルが公になれば大混乱どころか、世界的な問題となりかねない。


スキルで成り立っている世界を根底から覆すようなスキルだからだ。


そうして今いるメンバーと、彼らが本当に信頼できると思うA級冒険者だけに限定するという結論に至ったのだ。



その後、S級冒険者たちも自分のスキルを明かした。


スキルの構成を考えるために必要であるし、ロックに対する誠意を見せるためだ。


実際、セアラのスキルは見事に攻撃魔法に特化していて、入れ替える余裕はなかった。




++++++++++++


【杖神 ★★★★★】・・杖術が特級レベルになる。


【上級攻撃魔法 ★★★★】・・上級までの攻撃魔法を全て使用できる。


【魔力チャージ ★★★】・・魔力を多く消費することで、魔攻力をあげることができる。最大2倍のMPで威力も2倍。チャージするためのタメの時間が必要。


++++++++++++




杖術の最上級ユニークスキルである【杖神】。


杖術は物理攻撃力の上がる[武技]が使えない代わりに、魔法の威力が上がり、消費MPを減らすことができる。


それに加えて【魔力チャージ】を使えば、想像を絶する威力の攻撃魔法が使えるであろう。


レベルは78らしい。



繰り返しになるが、必要ないにもかかわらずスキルを公開したのは、ロックに対する誠意を見せるためである。




次にスキルを教えてくれたのは、グリゴリー。


「しっかし、すげえスキルだな!

 色々言っちまったが…、頼むぜ、ロック!」


怖い風貌をしているが、素直に間違いを認め、一度理解し合えたらむしろ馴れ馴れしくなった。


グリゴリーは現在レベル73。


彼のスキル構成は特徴的なものであった。




++++++++++++


【魔獣化 ★★★★】・・倒したことのあるモンスターをベースに半魔獣化する。このスキルを除いたスキル枠をベースとなるモンスターのスキルに置き換えることができる。変身するモンスターのランクによって消費MPが変わる。また、モンスターを倒す際に自分よりレベルが高かった場合、そのモンスターに変身時にステータスがUPする。


【我慢強い ★★】・・ダメージを10%軽減する。


【火事場の馬鹿力 ★★】・・HPが減れば減るほど力が強くなる。最大2倍。


【捨て身 ★★】・・攻撃が必ず急所に当たるが、自分が受ける攻撃も急所攻撃になる。


++++++++++++




「【魔獣化】…、ですか。」


「ああ。

 それ以外のスキルは★2つばっかりなんだよな。

 ただ【魔獣化】した時にスキルを入れ替えることにはなる。」


「アルカトルで戦う時はどんなモンスターをベースにするんですか?」


「エキドナが中心だな。

 【槍聖】と【状態異常】のスキルを使うことができる。」


「その時どれか1つはスキルが残ってるわけですね。

 【魔獣化】以外の3つも強化できていれば戦力をあげられるますね。」


「そうだな!

 よろしく頼むぜ!」



3人目はアッサール。


年齢は25歳と若いにもかかわらず、レベルがなんと82。


現在世界中にいるS級冒険者の中でもトップクラスらしい。


その理由は、スキルにあった。




++++++++++++


【斧聖 ★★★★】・・斧術が上級レベルになる。


【再生 ★★★★】・・HPや傷が回復する。回復量などは魔力に依存する。


【バーサーカー ★★】・・ステータスが大幅にアップする代わり、敵味方関係なく攻撃する。相手がいなくなるか、体力が5分の1以下になるまで解除できない。


++++++++++++




1番レア度の低い【バーサーカー】。


ステータスの増加率は「力/10 %」で、例えば力が500あれば50%、1000あったら100%、つまり2倍になるというかなり強力なスキルだ。


ただ、★が2つしかない理由は「敵味方関係なく攻撃する」こと。


このスキルがあるため、パーティを組むことができずに1人で戦い続けてきたらしい。



「…俺は、このままでいい。」


スキルについてはセアラ同様誠意を示すために、隠さずに公表したアッサール。


しかし、入れ替える必要はないという。


そこにアルカトルのギルマスが、諭すように語りかけた。


「アッサール。

 確かにお前は強い。

 S級冒険者の中でも、単純な強さなら間違いなく1番強いだろう。

 しかし、【バーサーカー】は危険だ。

 実際、モンスターが侵攻してきた時何度も死にかけてるじゃないか。

 お前の命を晒すような戦い方を、このまま続けさせるのはあまりに酷だ。」


25歳の若さでレベルが80を超えるというのは非常に困難なこと。


どれだけ命を危険に晒し、それを乗り越えてきたのだろう。


味方も攻撃するとなれば、回復役も近づけない。


【再生】があるとはいえ、数百の敵に囲まれて1人で戦うというのはあまりにリスクが大きすぎる。


「…かまわない。」


結局アッサールの意思は変わらなかった。


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