幸せな結末に置いていかれた私の話

昔々あるところに王女様に恋をした男の子がいました。

しかし、男の子は貴族でもなんでもないただの平民。王女様とは話すことすらできません。男の子は王女様に近づきたくて兵士になりました。彼はの剣や槍の腕を磨き、戦いの前線に立ちました。数々の戦果をあげ、彼はいつしか英雄と呼ばれるまでになりました。

そして、彼は恋をしたお姫様を花嫁に迎えることができたのです。

めでたし。めでたし。

そんなハッピーエンドの物語の中で、一人、笑うことができない女がいた。

これは、物語では綴られなかった彼女の話。

全四話。

※主人公は女ですが男言葉を使います。
戦争や兵士については作者の独断と偏見が入っています。タグをご覧になって苦手なものはないかご確認頂ければ幸いです。