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mode:3人称
side:???
集の大陸、デサティ島。
「ドル!」
「へー、あいつらベタリキを倒したんだ。んでその後町はどうなったの?」
黒く毒々しい汚水混じりの川のほとりで、マジクスはフラッドルーパーズからの報告を聞いていた。
「ドル!」
「あー、そう。思ったより早かったねー。うーん、ちょっと時期が悪かったかな? まあいいや、とりあえず知りたい事は分かったし。それより他の箇所の設置は終わってる?」
「ドル!」
「いようし、お疲れ〜」
「ドル?」
「何してるかって? なあに、単純な話さ。例えば、植物ってのは汚い土で生きられる?」
「ドル!」
「そう、無理さ。じゃあ綺麗な水に住む魚は汚い水に耐えられる?」
「ドル!」
「そう、それも無理。ま、要するにそういうことさ、そのうち分かるよ。さあ、早く来ないとどうなっても知らないよ〜、からっぽ勇者サマ? クヒッ、クヒヒヒヒヒ……」
汚染の広がる川を眺めながら、マジクスは笑い声を上げた。
ーーーーーーーーーー
所離れて、ミザン島。
「じゃあ……死ね」
ミーティアがピスに銃口を向けたその時、ミーティアはディバイドフィールドによって隔絶され、タンデ達の逃走を許す形となった。
「素手はよろしくないな……ミーティア君、これを使いたまえ!」
事態を傍観していたジョーカーは銀色に輝く剣を展開されていくフィールドに投げ込む。
ミーティアは視線を一瞬剣に移し、その後にジョーカーに移すと、ディバイドフィールドを仕掛けた張本人の方へ向き直る。
「アンチフィールド……見つけたぞ、最も才ある勇者にして、最も危険な勇者よ」
ミーティアの視線の先にいたのは、ライフル銃のような杖を持った仮面の魔法使い、ファフニール。
「俺の名前はファフニール……勇者を狩る者だ」
「へぇ」
その相手は、シンヤ達を追い込んだ存在、ミーティア。
彼女は薄ら笑いを浮かべ、ファフニールを見る。
身体に突如現れた正体不明の違和感を気にしつつも、ミーティアは全く笑っていない目をファフニールへ向ける。
「お前に付いたいかなる加護も、この空間では通じない。お前はただのヒトガタとして死ぬのだ」
「ふーん。じゃあやってみれば?」
ミーティアは銃口を、ファフニールは杖の先をお互いに向ける。
刹那の睨み合いの後、1発の銃声が轟く。
「ちっ……!」
苛立ちの表情を見せるミーティアの頬には、赤い血の線が走っていた。
「何これ弾切れ? ああもう使えないなぁ! なんか身体も重いし!」
何度も引き金を引くも、まるで反応が無い魔力銃を投げ捨てる。
「言ったはずだ、お前に付いた加護は」
「うっさいなぁ!」
ミーティアは腰に差した剣をベルトごと外し、遠心力で勢いをつけて投げつける。
ファフニールがそれを銃撃した隙に、ミーティアはジョーカーが投げ込んだ剣を手にする。
「おっ、ちょっと身体が軽くなったかも?」
ミーティアは剣を軽く振り回し、調子を確かめる。
「ま、ハンデ戦ってとこかな」
ミーティアは身体の感覚を掴み直すかのようにその場で軽くステップを取った後、ファフニールに向かって駆け出す。
ジグザグに走って飛んでくる銃撃をかわして懐に飛び込み、顔面目掛けて突きを放つが、ファフニールは首をひねって回避する。
反撃にファフニールが放った蹴りを、ミーティアはバック宙で回避し、構え直して連続で突きを放つ。
シンヤと対峙した時程の勢いは無いが、それでも矢継ぎ早に繰り出される突きをファフニールは幾度も回避し、右手で剣先を掴む。
「!」
剣を掴まれた直後、ミーティアは剣から手を離してファフニールの右手を蹴り上げる。
跳躍して吹き飛んだ剣を掴み、そのままジャンプ斬りを放つ。
ファフニールは杖を使って攻撃を受け流し、ミーティアから距離を取るようにバックステップしつつ、銃撃を放つ。
絶え間無く放たれる銃撃を右に左にかわしつつ、ミーティアは接近戦に持ち込もうとするが、弾幕と俊足がそれを許さない。
「それっ!」
「フン」
間合いに入り込んだミーティアが剣を振るった瞬間にファフニールは彼女を飛び越える形で背後を取り、右手と両足目がけて3連続の銃撃を放つ。
「ちっ!」
銃撃を回避しきれず、剣を取り落として膝をつくミーティアの前に、ファフニールは杖を構える。
「ここまで戦えたのは貴様が2人目だ」
「は?」
杖の先に光が集まり、魔力が濃縮されていく。
「何勝った気でいるのさ!」
ミーティアは横っ飛びで射線から退き、剣を手に取る。
直後、杖の先から赤い光線が放たれ、ファフニールは杖を剣のように横に振る。
横なぎの光線を回避しきれず、ミーティアが傷を負って倒れたその時、赤黒い空間にヒビが入る。
「チッ、時間切れか……」
ファフニールはそう言うと、泥のように崩れて姿を消した。
「何だったの、アイツ……」
崩れゆくフィールドの中、徐々に傷が回復していくのを確認しながら、ミーティアは首をすくめた。
「大丈夫だったかい? ミーティア君」
「まあね。珍しく戦いがいがあったけど、何かムカつく敵だったなぁ。あれ何?」
「彼もプレイヤーだが……どうにも開始位置が敵側だったようだね。戦いがいがあったのは、さっきのフィールドの仕掛けだろう」
「ふーん……でもあんな奴いたっけ? ま、いいや。進也君じゃないなら誰でも一緒だし」
投げた装備を拾い、土を払って装備し直すミーティア。
「さて……逃しちゃったけどどうしよっかなー……」
銃を片手に、ミーティアはスマホを取り出し、歩き出す。
「アンチフィールドか……時限式のようだが、今の魔王軍は面白いものを持っているようだね。しかし、ミーティア君の才能はいつ見ても素晴らしいな。場合によっては手を貸すつもりだったが、普通に生き残るとは。彼女の力は別格だな」
ミーティアの後をゆっくりと追いつつ、タブレット端末を見るジョーカー。
「別格といえば……ニヴァリスの元に送り込んだあのピースワーカー205……時折魔力反応が消失するのは何故だ?」
ミーティアには聞こえない声で、ジョーカーはそう呟いた。
「進也君……と言ったかな。あのピースワーカーを携える彼に、1度会った方が良さそうだな」
タブレット端末から目を離し、ジョーカーは足を早め、ミーティアを追いかけていった。




