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リィンカーネーションクエスト  作者: シュガーロック
クエスト3 砂漠の遺跡と魔の影(獣の大陸・サンドラール編)
39/106

クエスト3-13 砂漠を発つ

 



 風の四天王ワールヴェントを退けるも、満身創痍となって身動きが取れない俺達。



「ヘーイ! ユー達、オイラを助けてくれてセンキューだぜイェーイ!」




 そこに響くのは、謎のハイテンションな声。





 流石に勘弁してほしい。

 こっちはもう限界なんだ。




「オーゥ、ユー達ワールヴェントとの戦いでバイタルがデンジャラスだナ! オーケーオーケー、この土の大精霊ビリー様に任せておけばノープロブレム!」



 土の……大精霊?






「ミュージック、スタート!」


 何やらノリの良さそうな音楽が始まり、地面がそのリズムに合わせて振動し、グリッド状のオレンジの光の線もそれに合わせて点滅する。

 硬く冷たい地面も心なしか柔らかくあったかくなっているような……?



 何もかも意味が分からないが、何だか妙に心地がいい。

 例えるなら……そうだな、春頃の朝の布団の中、かな?

 ……なんだこの例え。



 不思議なことに、音楽を聞くたびに身体中から元気が湧き上がり、体調が良くなっていく感じがする。

 痛みから解放され、軽くなった身体を起こして立ち上がり、ビリーとやらの姿を確認してみると、そこにいたのはキレッキレのダンスを踊る、ギラギラした派手なスーツを着たグラサンアフロの黒人っぽい人。



 ……マジで?





 トルカとフィンも同様に起き上がったが、両者ともビリーの姿を見て固まっている。


 それとフィン、助けてくれって表情でビリーと俺を交互に見るのはちょっとやめてほしい。俺にどうしろと。





「オゥィエ、すっかりパワーをチャージできたようだナ! オイラのダンスはあまねく大地のパワーのギフト! 見たり聞いたり、それだけでエネルギーがプラスされていくのサ。どうだい?グレイトだろう?」

「アッハイ」



 半分くらい何を言ってるのか分からなかったが、こいつが踊ることによって大地のエネルギーが満ちることは何となく分かった。

 俺達が回復したのもそれだろう。




「えっと、その……ありがとう、ございます」



 お礼は大事。





「ノンノン! お礼を言いたいのはオイラの方サ! ユー達が魔王の配下である四天王が1人、ワールヴェントを退けたのだからネ!」

「俺のした事はほんの僅かです。頑張ったのは、そこの彼女達のほうです」

「センキューー!! ベリーマーーーッチ!!!!」

「ど……どうも……」

「うるさい……」


 お礼くらいは普通に言ってくれアフロのおっさん……


「えー、確認なのですが、貴方が土の大精霊のビリー様……で合ってますでしょうか?」

「イエス!……アー、でも出来ればフレンドと思ってトークしてほしいゼ。オイラはフォーマルなのが苦手なんダ」

「……タメ口でいい、ってことか?」

「イエス! イエス! オイラとユー達はソウルブラザー! 仲良くしようぜイェーイ!」



 ……とりあえずフランクな奴ってことは分かった。



「えー、あー……」


 頭の中で言葉をまとめる。



「俺達は魔王を倒すために旅をしている。ビリー、お前の力を貸してくれ」

「オッケェーイ! ソウルブラザーの頼みなら断れねぇナ! 実力もグレイトだ! オーケーブラザー、こいつを持っていけ!」



 ビリーの手から光が生まれ、それは橙色に輝く宝石の付いた指輪へと変わる。



「そいつには土の精霊剣がインプットされてるぜブラザー。この世界の物資で出来たものならどんなものでもズバッとスラーッシュだゼ! 空には弱いが、そいつはチャームポイントってところだゼ。ケーブルは必ず地面と繋いでおくれヨ」




 はめてみると、風の精霊剣の時と同じく、指輪の力とその使い方が一瞬で頭の中を駆け巡り、記憶に叩き込まれる。


 基本的に起動の仕方はファルコンソードと同じだ。柄に付いた蔦のようなケーブルの先の宝石を地面に埋めないとただの棒っきれだが、埋めれば凄まじい斬れ味を発揮する。

 空飛ぶ敵に弱いのは、ケーブルの長さの関係だろうか。



 …すげぇな、この時点で既に嫌な予感がしやがる。




「土属性の魔法は使えないのか?」

「オーゥ、いくらオイラが大精霊だからってそいつはインポッシブルだぜブラザー。代わりと言っちゃなんだが、指輪に向かってオイラの名前をコールすればトークの相手になるゼ。いつでも声をかけてくれよブラザー!」



 うーん、魔法の使用可能化はフォリウムが特別だったということか。

 あいつ凄かったんだなぁ……








 ……………………






 ………………




 サンドラールに戻ってきた俺達は、次の町に移る準備を進めていた。

 俺の持っていた鉄の剣はかなり無茶な使い方をしたせいでかなり傷んでいたので、修理に出す。


 ピスが言うには、次の大精霊の場所はこの大陸ではなく、集の大陸らしい。



 集の大陸には船で渡るのが一番手っ取り早く、そのために現在地である獣の大陸、その東にあるイヤーズポートという港町を目指す。




 サンドラールからイヤーズポートまでには、結構な距離がある。

 そこで、行きと同じく商隊の馬車を利用することにした。






 ワールヴェントとの死闘から6日後の早朝、商隊の馬車の集合場所に赴き、今回も護衛として馬車に乗る。

修理に出した剣は昨日のうちに引き取っている。




 遠出には顔見知りがいると安心するタイプなのでシルロスさんを探してみたものの、流石にいなかった。




 相談の末、ランクとしては並程度の馬車を選ぶ。

 御者として乗っていたのは俺と年が殆ど変わらない、荒野の民……普通の人間の青年であった。



「すみません、護衛として乗せていただけませんか?」

「どうぞどうぞ! まだ若輩者ですので、ちょっと乗り心地悪いかもしれませんが……」

「いえ、問題ありません」




 代金を払い、馬車の荷台に乗り込む。


 内装はシルロスさんの馬車とさほど変わりないように見える。

 座席は無いが、あれはシルロスさんの馬車の方が例外だったのだろう。




 次は港町。


 次は一体何が待ち受けているのだろうか。

 この先の戦いに俺は付いていけるのだろうか。




「港町……ということは、海が見れますね」

「海……というと、風の塔への道にあった、たくさんの水のある景色デスかね?」

「確かにそうですが、あんな恐ろしい感じではなく、とても綺麗な景色が見られると思いますよ!」

「おお! それは楽しみデス!」

「甘いもの、ある?」

「物流が多いですから、甘いものを取り扱うお店もあるかもしれませんね」

「ん……楽しみ」





 まだ見ぬ港町に想いを馳せ、楽しそうに歓談するフィン達のように、俺にも新しい町に対する期待というか楽しみというか、そういうものが無いわけではない。



 だが、それを喰らい潰すほどに、これから先の戦いに対する不安が増大しているのだ。




 商隊の馬車はサンドラールを離れ、イヤーズポートを目指して走る。





 旅は、まだまだ終わらない。













 ――現在のギルドカード――







 名前:シンヤ・ハギ   種族:荒野の民

 属性:無  レベル:22 職業:勇者

 体力:49 魔力:0

 筋力:42 敏捷:41

 創造:3  器用:32




 名前:トルカ・プロウン 種族:森の民

 属性:氷   レベル:17 職業:魔法使い

 体力:15  魔力:175

 筋力:2   敏捷:17

 創造:171 器用:29




 名前:シアルフィア・カルネリア 種族:荒野の民

 属性:雷 レベル:15 職業:聖堂騎士

 体力:140 魔力:58

 筋力:128 敏捷:36

 創造:52  器用:45




 名前:ピーステール・フォリア 種族:森の民

 属性:風 レベル:1 職業:吟遊詩人

 体力:35 魔力:130

 筋力:5  敏捷:25

 創造:35 器用:25





ビリー:土の大精霊。グラサンをかけたアフロの黒人っぽい見た目をしている。

踊りと音楽が好きで、陽気な性格。土のあるところであれば基本的にどこでも行ける。テラステラの世界の音楽は全て網羅しているが、当人はテンションの上がる曲を好む。



クエスト3はこれで終了となります。

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