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1. ヒヨッコと【片手剣】

「おーっちゃーん!」


 あの元気な声は最近【片手剣】を教えてるアイツか。

 少し前から冒険者デビューを果たそうとがんばってるヒヨッコだ。

 暇があればここに来て訓練をしようとする根性と素直さは最近の若いヤツには見られない。

 なんだかんだ言って基礎もやらずにモンスターに突っ込んでって大怪我するバカなやつが最近多いからな……。

 女神の遣わした天人たちは最初からアーツが使えるぐらいには基礎が出来てる連中ばかりだから、あまり心配せんでもいいのがありがたい。


「今日も元気でいいこった。そんじゃ、いつも通り外周を5周して来い。その後は素振り200回だ」


「げ!? 素振りの回数が増えてるじゃん!」


「問題なく出来る範囲でしか言ってねえから安心しろ。とっとと行って来い」


「ふぁーい……」


 若干嫌そうな声を出しつつもちゃんと走りにいく。やっぱり素直だな。





「さて、そろそろ《スラッシュ》が使える頃合だと思うがどんな感じだ?」


 マラソンと素振りを終わらせたヒヨッコに確認を取る。

 《スラッシュ》ってぇのは【片手剣】最初のアーツだ。

 手に持った武器を振るだけって言うシンプルなアーツだが、アーツとしての恩恵があるだけ同じ動作の攻撃よりは火力が増える。

 ちなみに刃のついてる【片手斧】とかにも《スラッシュ》のアーツがある。効果も同じだ。


「それ、昨日も言ったよね? まあいいけどさー」


 ぶつくさ言いつつもヒヨッコは練習用の木剣を持って半身に構える。


「《スラッシュ》」


 そう言うと共に練習用の木剣が薄く光を纏い、右腕だけ(・・)が見えない敵を袈裟斬りにするように動く。


「ふむ、ちゃんと出来てるじゃねえか。おめでとう」


 木剣を振り切った状態で固まってるヒヨッコを横目に俺は笑みを浮かべながら褒める。

 アーツってのは熟練度が一定値を超えるといつの間にか使えるようになっている。そういうもんだ、諦めろ。俺も最初は驚いた。

 ちなみに熟練度は一部の教会で確認することが出来る。金もかからんから見に行くやつは毎日行くそうだ。俺は面倒だからそんなことはしてないし、そもそもここの街には確認できる教会がないから関係ない。


「……アーツって、本当に覚えた感覚とかって無いんだ……」


「おう。だから実は使えるようになってるのに、気付かれるまで全然使われないなんてザラにある。それを防ぎたければマメに教会で熟練度の確認をするか、予め次に使えるようになるアーツを頭に入れておけばいい。ただ使うだけなら、さっきみたいに使おうと言う意志と名称さえ言えば勝手に体が動くからな」


 俺なんて、駆け出しの頃は適当に剣を振り回してたから本来なら3つ目のアーツまで使えたのにもかかわらず、ずっとアーツなしでモンスターとやりあってたからな。

 後でその事に当時の教官に気付かされた時には大目玉を貰った。ついでにアーツなしでもモンスターと渡り合えてた剣の腕やら体捌きなんかはずいぶんと褒められたが。


「と言うことで、だ」


 アーツが使えるようになった実感が湧いてきたのか、ガッツポーズをしながら満面の笑みを浮かべてるヒヨッコの肩に手を置いて、でも若干哀れみを込めた目で見つつも告げてやろう。


「おめでとう、次はアーツを連発で使って限界探りだ。どうやったって絶対使えないってところまで絞り尽くすぞ」


「!?」


 これも初めてアーツを覚えたやつの通過儀礼みたいなもんだ。諦めろ。

 そんなに絶望した顔をしたって手加減はしないからな。

 片手剣とは片手で扱う両刃の直剣の総称。

 ブロードソードやロングソード、ショートソードなどが該当する。

 基本的に扱いやすく、メインウェポン、サブウェポンとして一番使用率が高い装備。

 反対の手に盾を装備して防御力を高めるか、それとも二刀流と言う形で両手に片手武器を持つかは個人のスタイルによる。

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