520ーめっ!
お祖父様の反応だと、俺たちは絶体絶命だと思っていた。
「そう怖がる必要もありません。いつも通りの力を出せば良いのでっす」
「そうだね、辺境伯家だとご先祖の令嬢が倒したくらいだから」
「ディ、それを喩えにしてはいけません。あの時は皆がいたからでっす」
「はいはい。でもリアはそれにとっても興味があるんだよね?」
「はい! ディさんは知っているのですか?」
「だから僕は知らないって」
前に聞いた時もそう言っていた気がする。それでもリア姉は聞きたいらしくて食い下がる。
「クリスティー先生は詳しく知っているのでしょう?」
「おや、言いませんでしたか? 私もその場にはいなかったのでっす」
「ええー、残念ですぅ」
「ですが、リア。魔族というのは物理攻撃だけでは倒せません。魔力を上手に使わないといけませんね」
「はぁ~い」
おやおや、痛いところを突かれちゃった。でもリア姉はとっても上手になったのだ。
「まえより、じゅっとじょうじゅになったのら」
「アハハハ! ロロったら」
二人が来てロック鳥まで登場しちゃって、張り詰めた空気が漂っていたのに少し和んだ。
どうしようって不安で、ドキドキしていたのだけど。二人の笑顔を見ていると、大丈夫だって思えるから不思議だ。
「ひ~よ」
「おう、取り敢えず母ちゃんのとこに帰るか!」
ええー、ロック鳥ったら帰っちゃうのか? その間に魔族がやってきたらどうするのだ? いやいや、ロック鳥に依存してはいけないけど。
「魔族が現れたら分かるように、気をつけておいてやるさ! すぐに来てやるぞ!」
「ほんとう?」
「ああ! なんだ、ロロは怖いのか!?」
「らって、まじょくって、じぇんじぇんしらなかったからぁ」
「ちょくちょくいるぞ。俺様も何度か出くわしている。もちろん俺様が撃退してやったけどな! ワッハッハ!」
そうなのか? ええー、撃退してくれたのは心強いのだけど、何度も会ったなんてそれってどうなの?
「懲りないんだよ、あいつら」
「300年前も、魔王に苦情を入れたのですけどね」
ま、ま、魔王だって! 思わずとんでもないワードが出てきて、隣にいたニコ兄の腕をバシバシと叩いてしまった。
「お、おう。ロロ、落ち着け」
「にこにい! ま、ま、まま、まおう!」
「本当に魔王は存在するのですか!?」
ほら、お祖父様だって驚いている。そりゃそうだ。魔王なんて今のこの平和な世界からは想像できないぞ。
しかも、クリスティー先生の言葉を俺は聞き逃さなかった。
「く、く、くりしゅてぃーしぇんしぇい! しゃべったのら!?」
「はい。今の魔王は平和主義ですからね」
「アハハハ! ロロったらお目々が落ちそうだよ」
それは俺だけではない。みんなそうだ。魔王なんて、前世のゲームの世界や漫画じゃないのだから。
待てよ、女神がいるのだから魔王もいるのか? あれれ? 俺は自分で思っている以上に動揺しているみたいだ。
頭の中で魔王と女神が腕を組んで、ルンルル~ンランララ~ンってスキップしてる。そんなわけないって!
「魔王が世界征服なんて、そんなのはおとぎ話でっす。そんなことをしたら、魔族だって生きていけません」
「ろうしてなのら?」
「知りたいですか? ここからは一番驚くところでっす」
なんだ、なんだ? とっても期待してしまうじゃないか。
クリスティー先生のキラキラした目が、楽しそうだ。
「それはエルフが黙っていないからでっす」
「そうそう、僕たちが攻め込むのが分かっているからだね」
だめだ、俺が理解できる範疇を超えている。とってもかる~く、ぴょ~んって超えてきた。驚く余裕さえない。
えっと、悪さをしたらエルフさんたちが黙ってなくて攻め込んでしまう。それはマズイから、おとなしくしているってことかな?
ならエルフさんが束になって攻め込むと、魔王も倒しちゃう、てことでいいのか?
これは興奮するぞ! そんなにツヨツヨなエルフさんが目の前に二人もいる。
「ひょー! ちゅよちゅよなのら!」
「僕たちはハイエルフだからね。エルフの中でも強いよ」
そう言ってディさんが、バチコーンとウインクをした。おふッ、相変わらず破壊力が凄い。
「そんなことをしたら、女神様も黙ってないしね」
いやいや、あの女神は頼りないぞ。とってもとっても頼りない。いつも泣いてるもの。
「クリスティー先生、ならどうして魔族はこうして悪さをするのですか?」
「レオ、それは人と同じでっす。それぞれですね」
「そうそう、人にも悪さをする奴がいるだろう? それと同じだよ」
ただ、魔族となると人とは力が違うってだけだとディさんは言う。そんな問題なのか? 大勢の人の命に関わるのだぞ。
「だからエルフの国を通して抗議したのでっす」
「ね、忘れちゃってる魔族がいるんじゃない?」
「どこにでも馬鹿はいますからね」
あれれ? 馬鹿扱いなのか? なんだか怖がっているのが、馬鹿らしくなってきちゃった。
「めっ! て、しゅるのら!」
「らよな!」
悪いことをしたら叱られる。それが当然だ。だからしっかり叱ってやろう。
ふんすッと鼻息も荒く、俺は腕組をする。隣でエルも真似してる。二人共、組んでる腕が届いてないのだけど。ぽっこりお腹は見ないでね。これは幼児体形だから仕方ないのだ。
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宜しくお願いします。
先日無事に初稿を三作品送って一つは校正もして、燃え尽き症候群でしょうか? 何もしたくない病になってます(^◇^;)
この数日間でKindleをめっちゃ買ってしまって読む気満々です!
インプットが必要みたいです。
リリの完結巻の初稿を書いてから、またまた愛犬が恋しくなってしまいペットロス真っ只中です( ᐪ꒳ᐪ )
真っ黒かシルバーのトイプードルが欲しい!けどもうあんな辛いのは…と葛藤してます。
ところで!もう少ししたらまたお知らせできることがあるのです。
お楽しみにしていただけると!(*ˊᵕˋ*)ꕤ*.゜
活動報告に書きますので、よろしくお願いいたします(◍˃ᗜ˂◍)ノ
ロロの5巻も発売中です!




