519ーぶっ飛ばして
「ロロったら何を考えてるの?」
「でぃしゃん、おくしゃんが、たいへんなのら」
「アハハハ、そこなの?」
いや、大事なことだぞ。当のロック鳥は、のほほんとしているけど。
「で? レオはなんで魔鳥の巣になんか行ったんだ?」
落ち着いたのかロック鳥が聞いてきたから、レオ兄がそれを説明した。ロック鳥の巣がダンジョンの真上にあったのだって。その魔鳥を魔族が扇動しているかも知れないって。
「なんだとぉッ!? 魔族かッ!?」
ただでさえ強面のロック鳥が、クワッと怖いお顔をした。どうした? ロック鳥でも魔族は怖いのかな? だってとんでもない強さだと言うし。
「あいつら、何してくれてんだぁッ!」
単純に怒っているらしい。えっと、ちょっと質問があるのだけど良いかな?
俺はその知識がないから、分からないのだけど。
「ねえ、まじょくと、どっちがちゅよいの?」
「ああん? 俺様と魔族か? そりゃあ、魔族によるな!」
意味が分からない。人と同じで、弱い魔族と強い魔族がいるのかな?
俺が聞いたことを、みんなが興味深げに注目していた。だって、もしロック鳥の方が全然強いぞってことだったら協力して欲しい。きっとみんなそう思っている。
俺たちにとって魔族は、未知の存在なのだから。
「ですが、心強い味方でっす」
「そうだよね、飛べるだけでも有利だ」
ん? 飛べるだけでも? あれれ? ちょっと引っ掛かっちゃったぞ。
ああ、そっか。レオ兄は上空に浮いている魔族を見たって言ってた。
俺たちは飛べない。なら攻撃しようにも届かないじゃないか。
「ロロ、ちょっと私もロック鳥とお話ししたいでっす」
「くりしゅてぃーしぇんしぇい」
クリスティー先生がお話があるみたいだよ、ロック鳥。
「なんだ? エルフか?」
「はじめまして~! 私はハイエルフのクリスティー先生でっす」
「お、おう」
ニッコリと良い笑顔で手をフリフリしながら、自己紹介をしたクリスティー先生だ。ロック鳥はエルフさんも知っているみたいだ。
「くりしゅてぃーしぇんしぇいは、こわいんらじょ」
「おや、エル。今なんと言いました?」
「え、えっちょぉ……なんれもねー」
そう言って、エルは俺の後ろに隠れちゃった。
「はい。私は怖くはありませんよ。エルがちゃんとお勉強をしないのがいけないのでっす」
ほら、エルがちゃんとしないからだって。
なんでもいい。戦力になるならロック鳥、協力してほしい。クリスティー先生のお話ってそのことだろう?
「ロロたちは、このロック鳥に乗せてもらって飛んだと言いましたね」
「うん。ビューッて!」
「なるほど。では、ロック鳥。お願いがありまっす」
「おう! 何だ? 卵を孵してくれた恩もあるしな、なんでも言ってくれ!」
言ったね、今言ったよね。言質は取ったぞぅ。
「魔族が現れて飛んでいたら、誰かを乗せて欲しいですね。いえ、何なら叩き落としてください」
えっと、叩き落とす? とってもイケイケな発言だ。穏やかそうな、クリスティー先生の口から出たとは思えない。
「なんなら、ぶっ飛ばしてくれても構いませんよ」
「アハハハ!」
ディさんは、笑ってるけど。これってクリスティー先生はロック鳥に、魔族を倒せと言っているのと同じじゃないかな?
「おうよ! 卵を盗まれた恨みだ! 思いっきりやってやるぜぃッ!」
「ええ、頼みましたよ」
「頼まれたッ!」
調子のいいことを言ってる。でも俺は忘れていなかった。
「まじょくによるって、いってたのら」
「だよな、ロック鳥はそう言ってたよな」
ほら、ニコ兄だって覚えている。そこは、どうなのかな? どんな魔族でも、ぶっ飛ばせるわけじゃないのだろう?
ちょっぴり疑いの目で見ちゃった。
「おや、ロロは冷静でっす」
「アハハハ! クリスティー先生ったらロック鳥頼みなの!?」
「ディ、使えるものは何でも使う方がいいのでっす」
「そりゃそうだけどさ」
「取り敢えず地面に降ろしてくれたら、皆が攻撃できますからね。ついでに倒してくれたら、ラッキーでっす」
ラッキーなのか! なんだよ、その程度にしか思ってないのか。ということは、やっぱそれだけ魔族って強いのだ。
「えっとぉ、えっと」
「ロロ、言いたいことは分かるぞ。俺が聞いてやるよ」
「にこにい、おねがい」
ニコ兄ったら、頼りになるではないか。
「ロック鳥って、もしかして弱いのか? 見掛け倒しなのか?」
そこじゃないー! ニコ兄、違うぞ。俺が聞きたいのは、そこじゃない。
「ニコ! 俺様は弱くないッ!」
ちょっとムキになって否定している。けど、そうじゃない。
「にこにい、ちがうのら」
「違うのか?」
「えっとぉ、でぃしゃんと、くりしゅてぃーしぇんしぇいは、まじょくよりちゅよいの?」
「あん? あんだって!?」
ロック鳥には聞いてない。俺は、ディさんとクリスティー先生に聞いてるんだ。二人は魔族より強いのかってね。
「ロロ、ディさんに任せなさい!」
「ひょー! でぃしゃん!」
「良い経験になりますから、リアとレオも一緒に戦いましょうね」
クリスティー先生ったら、そんな場合ではないと思う。経験になるとか言って、余裕をぶっこいてる。
「クリスティー先生、でも魔族は我々には太刀打ちできない強さではないのですか!?」
お祖父様が、堪らず口を挟んだ。あまりにもエルフさんの二人が、のほほ〜んとしているから。きっと焦ったくなったのだろう。
俺たちとは温度差を感じるもの。
お読みいただき有難うございます!
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宜しくお願いします。
すみません、ちょっと遅くなってしまいました!
クリスティー先生はご存じの方もおられるかと思いますが『おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!?〜皆で領地を守ります!〜』の登場人物です。
そっちで改稿した際に、少しキャラが朗らか(?)になりました(^◇^;)
必ず『こんにちは〜!』と手をフリフリしながら登場します。このお話でも『はじめまして〜!』と言ってますね。語尾の〜でっす。は変わりません(^◇^;)
クリスティー先生も大好きなキャラです。
覚えていただけると、嬉しいでっす!
よろしくお願いしまっす!(◍˃ᗜ˂◍)ノ
ロロ⑤巻が発売中でっす!




