スピンオフ その2 ガラガラ神
アスリの釘刺しはもはや3人の耳には全く入ってない様で、なにやらワイワイやり始めた。毎度毎度の事ながら、あれだけ喧嘩していたのに、すぐに3人そろってワイガヤやり始めるのは仲が良いのか悪いのか…ちゅん助の中身は46歳のいいオッサンであり炎風の精霊二人も
「ボクらはゆーきゅーのときをいきてるっぽ!」
「ワタシらはオマエたちの100ばいはながいきしてるぴゅ!」
などとほざいているのだが3人とも精神年齢は超幼稚なのは間違い無い…
そして…
「ポオオオオオオオ!デルっポお!でるっぽおおおお!」
クネクネクネ!
「出すッピュ!出すピュウううう!!!!」
ヘコヘコヘコ!
「まだまだ!まだまだだお!先生方!」
「その程度のコミカルな動きでは!」
「ガラガラの神様は微笑んでくれんおッ!」
「こうかッポ!?こうかッポオオオ!???」
クネクネクネ!
「こうだッピュ!?こうだッピュウウウ!???」
ヘコヘコヘコ!
「むほほほほw」
満面の気持ち悪い笑みを浮かべるちゅん助、その傍らで炎風コンビがなにやらタコ踊りのような?出来損ないのラジオ体操の様な奇妙奇天烈な踊りを、商店街の福引で使うガラガラの様な器械の前で延々披露している…
こうなったのは例によって例の如く、ちゅん助が炎風コンビに遊んでもらうがための仕掛けとしてガラガラを用意して持ち出したからだ。
ちゅん助の奴と来たら夜な夜な気持ち悪い微笑みを浮かべながら必死になってガラガラ抽選機を製作していたのだ…
炎風コンビのファイアストンとウィンドミルにしてみればガラガラ抽選機の様な器械を見るのはもちろん初めてであり、ちゅん助の狙い通り興味津々な様だった。
ただ、最初から夢中で食いつくのは炎風の精霊としてのちんけなプライドが許さない様であり
「ま~たしょ~もないものもちだしてきたっぴゅうw」
「ちゅんす~け~のたくらみなどおみとーしだっぽw」
と努めて相手にしないフリをしていたのだが…
「先生がたぁ~?そんな事言って良いのかおw?」
「このガラガラの特等賞は!!!」
「なんと特製の!」
「トンガラシ飴とハーブ飴なんだお!!!」
「ぽおおお!?とんがらしあめ!?」
「ぴゅうう!!!???はあぶあめ!?」
「もちろん1等の飴も美味しいのを用意してるおwww」
「ぴゅうううう!!!???」
「ぽおおおおお!!!???」
と、用意周到に準備された罠にどっぷりつかる空気が満載なのだ…
しかし、炎風コンビも散々ちゅん助の悪戯にしてやられているため、全て警戒を解いたわけではない様で?
「どーせちゅんす~け!アタリを入れてないッポ!」
「ちゅ~んすけはまたま~たズルするッピュ!」
と不用意に近付かない様相を呈していたのだが…
「先生方!」
「なんちゅうことを言うかお!」
「ガラガラ抽選機に不正などあれば!」
「このちゅん助商店街の会長ちゅん助の名が穢れると言うもの!」
「89パーセント公正な物だお!」
「ちゅん助…そこは100とか、もしくは胡散臭くても200パーとか言うべきところだろ?」
「みゃっ!どぼく!」
「ご主人さみゃにはご主人さみゃなりの計算があるみゃ!」
「しもじもの者は黙ってるみゃ!」
「………」
「みぁ~園さんのいうと~り♪だお!」
「ささ!先生方!」
「初回はサービスで引かせてやるお!」
「ぽう!?」
「ぴゅう!?」
ガラガラガラ ポトーン!
カランカランカラーン!
「銀玉!!!」
「ファイアン先生!いっとーしょー!」
「上級トウガラシ飴おおあたーりーw!」
「ポオオオオオオオオオオオ!!!!????」
「ぴゅう!?」
「ワ、ワタシも!」
ガラガラガラ ポトーン!
カランカランカラーン!
「赤玉!」
「ウィンディ先生!《《にとーりさ》》しょ~w!」
「健康ハーブ飴おおあたーりーw!」
「ピュウウウウウウウウウウ!!!????」
どうせちゅん助がズルして良い物は出ないと高を括っていたコンビは意外な結果に驚きを隠せず、またガラガラで「上等賞を出す!」という快感を初手で覚えてしまったらしく、憐れちゅん助の手のひらの上…
夢中になって競う様にして我先にガラガラ抽選をしたがる様になったのだ…
だが!
ここからがガチャ商法の恐ろしい所!一度成功体験を得てしまうと次も!次も!そうなるのは自明の理、さらにはまだ見ぬ特等をなんとか引き当てたいと思うのが人情というもの、ちゅん助はそこをいやらしく突いて炎風コンビを虜にしたのだった。
最初の数回は無償で引かせ、次はゲームに勝ったら!そうハードルを上げていく!しかしゲームではちゅん助の卑劣な手も相まってなかなか勝利を挙げる事が出来ず、特等賞がなかなかでない事もコンビの射幸心を煽りに煽った挙句、ついにここでちゅん助は禁断の「課金制度」を持ち出したのだった…
どうしてもなんとかして特賞が引きたいコンビはとうとうアスリの目を盗んではアスリの通信石からお金を引き出してはガラガラを回すようになったのだ…
まあ、アスリの通信石の莫大な金額はもともとちゅん助の邪な事業で得たお金を罰金として召し上げただけの物であり、課金と言っても微々たる金額なのでその辺は問題無いのだが、お子様の教育上、非常によろしくない流れではあった。
だが、度重なる課金の末にでも目的の特等は未だ出ない!出ないのだ…
となると…
「ちゅんすけ!おかしいッピュ!」
「もうワタシたちふたり合わせてもう500回いじょ~も引いてるッピュ!」
「そうだッポ!」
「とくと~のかくりつはひゃくぶんのいちだっていってたッポ!」
「ふ~む?」
「先生がたぁ?この正直者を絵に描いた様な!」
「ガラガラ協会会長のわしを疑うと言うのかおッ!」
「特等が出ないのは!」
「先生方のじょーねつが足りないからだお!じょ~ねつが!」
「うんにじょ~ねつかんけーないッピュ!」
「じょーねつでとくとーがでたらくろうしないッポオ!」
「い~や!」
「ガラガラの神!」
「ガラ神様は!」
「にぎやかで笑いに溢れたふいんきが大好きなんだお!」
「先生方の様に!」
「特等ばかりに目が眩んで!」
「自分の事しか考えない輩に!」
「絶対ガラガラ神様は微笑まないんだおッ!」
「ぴゅううう!!!いーがかりだッピュ!」
「だったらどーすればデるかおしえろッポオ!」
そんなこんなでちゅん助は出鱈目を教え込み、ガラガラ神様はコミカルなそして一見すると間抜けな面白さが大好きだとそそのかした結果、先の有り様なのだ…
「デルっポお!でるっぽおおおお!デろッポオオオオ!!!」
クネクネクネ!
ガラガラガラ ポトーン…
カラーン…
「白玉ぁああwwwはいまたはずれ~だおwww」
「ポオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
「出すッピュ!出すピュウううう!!!!出せぴゅうううううう!!!!」
ヘコヘコヘコ!
ガラガラガラ ポトーン…
カラーン…
「また白玉ぁああwwwはずれ~だおwww」
「ピュウウウウウウウウウウウウウ!!!」
「むほほほほほw」
「せんせ~がたぁあ?」
「本日もざんね~んでしたあw」
「ちゅん助商店街はまたの挑戦をお待ちしとるおw」
「おっおっおっwww」
満面のいやらしい笑みでコンビを馬鹿にして見下すちゅん助であったが…
「まつッピュ!」
「まつっポ!」
「な、なにかお?」
「ちゅんすけ!そのガラガラの中に!」
「ほんとーに金の玉は入ってるっポ!!!?」
「そーだッピュ!」
「これほどまわしてるに!出ないなんてぜってーおかしいッピュ!」
「なにを言うかお!」
「特賞の金の玉は!」
「毎度毎度!おまえらの目の前で!」
「ガラガラ抽選機にいれておるでないかお!」
「またズルして入れるふりしてぬきとってないかッピュ!?」
「入れたフリしてかくしてるッポ!?」
「先生方!これはまたまた心外な事を言い出すお!」
「そもそも素早くて目聡いウィンディ先生と!」
「勘が良くて鋭いファイアン先生の目を盗んで!」
「その様な事が出来るかおッ!」
「それとも!この名誉ガラガラ会長のちゅん助がズルしてると!?」
「おまえらにはわしがその様な男に見えるのかおッ!?」
ま~た変な設定を持ち出して来たな…
「みえるっポ!」
「みえるピュウ!」
「なんという冤罪!」
「えんざいでないというなら中をみせるッピュ!」
「バカな!」
「ガラガラ神様の御開帳は!30年に一度しか行われないお!」
「次の御開帳は28年後でしたあwざんねーんw」
「ピュウウウウウ!」
「ウィンディ!ここはボクにまかせるっポ!」
「ッピュ!?」
「ちゅんす~け!中が見せられないならそれでもいいポ!」
「しかしッポ!」
「のこりのくじ!」
「ぜんかきんしてすべて引くッポオオオオオオ!」
「だおおおおお!!!???」
「ピュウウウウウ!!!!」
「ナイスだッピュウ!ファイアン!」
「さあぜんかきんだッピュ!」
「ちゅ~んすけ!」
「のこりのくじ!ぜんぶファイアンに引かせるッピュよ!」
「お、おまえら!」
「なんちゅうえげつなさだお!」
「いっち番くじのラヴァーのアスカのファイナルワン賞が欲しかったわしだって!」
「そのような暴挙に出た事ないんだお!」
「そんなん知らんポ!とにかく引かせろッポオ!」
アスリがほら御覧なさい!そんな感じで鼻で笑った。
ちゅん助の奴と来たらコンビが夢中になってガラガラをいつも回すのだが、くじの終わり近くになると何かと理由を付けて強制終了して引き上げていたのだ。怪しいと思わない方がおかしい…
「引かせるッポ!」
「引かせるッピュ!」
「うう…」
「だめだお!だめだお!」
「よい子のくじは一日30回まで!」
「そう決まってるんだお!」
「たしかにここで30回いじょ~引いちまったら…」
「ボクたちはもうよい子でねぇっぽ…」
「そうだおw!そうだおw!」
「でも…」
「ボクたちは…」
「ワタシたちは…」
「だお…?」
「からてかじゃなくていいッポオオオオ!」
「《《かてらか》》じゃなくていいッピュウウウ!」
「なっ!なんで空手家が出て来るお!?」
「あらゆるいいわけはむようだッポ!」
「おとなしくすべて引かせるッポ!」
「いや~そんなことしたらガラガラ神様があ~w」
「お怒りになられてしまうのだお~w」
「という訳でほなさいなら…」
「まつッピュ!」
「あっかりん!ガラガラ神なんてほんとにおるッピュ!?」
「おりません!ウィンドミルさん!」
「こらあ!アッカリン!人様の神様をかるがるしくひていするんじゃあないお!」
「しんみょうにすべて引かせるッポ!」
「そうだッピュ!」
「いやだお!いやだお!」
「だめだお!だめだお!」
「ほなw」
「キンバイバーイw」
ぴゅーん!
慌てたちゅん助は頭上にガラガラを抱えて大急ぎでいつもの様にいつもの如く逃走するのだが?
「ウィンディ!やるッポ!」
「こころえたピュ!」
「ウィンドカッピュー!!!」
ピシュン!スパッ!
ウィンドミルが右手を振り下ろすとたちまちのうちに真空の刃が空中に生成されちゅん助の頭上を襲った。
バラバラバラーーーー!!!
「うわーーーー!?」
憐れガラガラは綺麗な断面が見える様に真っ二つに切断されて左右に別れ、堪らずスカポン賞の大量の白玉をちゅん助の頭上と辺りに撒き散らしたのだった。
「こ、これはッポ!?」
「こ、これはッピュ!?」
コンビの目は抽選機の内部構造に釘付けになった。そこには白玉は全て大量に撒き散らされたと言うのに金の玉だけは内部にしっかりと残っていたからである。
「ピュウ!?」
「ポウ!?」
金の玉は白玉たちが収められていたはずの抽選機の完全な内部にはおらず、そこに繋がる細い管の部分で引っ掛かって止められていたため白玉たちと一緒に飛び散らなかった様だが…?
「ポオッ!?」
「この金の玉!よくみたらほかの玉よりすこしおおきいッポ!!!???」
「ピュウ!」
「これじゃあとちゅ~でひっかかってなかまで入るわけないッピュ!」
「はわわわわ…!」




