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文具戦争  作者: 文音マルタ
第三章:プレパレーション
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落胆、そして

僕は会長の方へと目をむける。

「それで、会長。別にその格好を披露しにきただけじゃないですよね?」

「お、察しがいいな。」

そう言った後で会長は少し真剣そうな表情に戻る。

「実はこの間、戦闘があったんだ。」

「!!」

これには僕だけではなく、部屋の中の矢代を除く全員が驚いた。

「場所はドイツだ。ドイツ部隊はもちろん、シュナイダーも交戦した。」

会長の言葉にすかさずナズナが反応した。

「シュナイダーさんは日本部隊では・・・?それに・・・」

「ま、なんだかんだ言って、いろいろあるんだろうさ。母国には変わりないんだから。」

「・・・そうですね」

ナズナはどこか納得していない様子である。

それを見た会長は

「それに、あいつの強さはお前も知っているだろう。文具協会としてもあいつがどこへでも飛んで行ってくれると好都合なんだ。」

なるほど、だからシュナイダーは日本部隊と合流していなかったのか。

するとそこで矢代が会長に代わって話し始めた。

「それでその時の話だけど、相手は5月25日の現地時刻午前3時頃文具協会ドイツ本部を襲ってきた。文具協会側の能力者8人が応戦。援助に向かった蛍光戦隊の一般隊員9人が重軽傷だそうだ。文具協会には怪我人なし。相手は5人の文具同盟側の能力者。4人捕獲、1人は逃がした。」

「一般隊員?」

ナズナが首を傾げた。

「ああ、言ってなかったな。ウチの組織は普通、団ごとに1人の能力者を団長としてあとは無能力の武装兵で構成している。その武装兵を一般隊員と呼んでいる。」

「それにしても」

と口を挟んだのは藍だ。

「もう戦闘が始まっていたなんて・・・。」

藍は悲しそうな表情になる。

会長はチラリとそれを見やって

「これはまだ本格的に始まったわけじゃない。本格的に始まれば、もっと戦闘はひどくなっていくだろう。そこでこちらも本格的に戦闘準備にはいる。まずはコレだ。」

そう言って何かを僕と藍に投げた。僕がキャッチしたそれは、リストバンドのようなものだった。小さな画面が備え付けられていて、携帯の電池表示のようなものが満タンの状態で赤く光っている。

「"能力メーター"だ。私たちの能力は永久に無限に使えるわけじゃない。ちゃんと限界があるんだ。そして、それを教えてくれるメーターってわけだ。定子その他数名の合作だから大事に使え。本来なら入会時に配布するんだがお前らが初めてきたときは私もいなかったし、バタバタしていたからな。・・・そして定子」

そういいながら会長が定子を指差す。

「以前言っていた護衛のことだが、今回シュナイダーとともに来日するあいつらにやってもらう。」

「あいつら?」

定子は少し思案していたが思い浮かばないようだったので、会長が言った。

「AAこと、アスラ&アレックスだ。」

「だぶるえー?・・・えー・・・えー・・・えええっ!!!??」

かなり驚いたらしく、定子は二、三歩後ずさる。

「あの、と、とと、特殊部隊の!??」

「そうだ。」

会長は首を縦に振ってから、少しニヤリとしたように見えた。



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