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文具戦争  作者: 文音マルタ
第三章:プレパレーション
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共同戦線

「それで、作戦とは?」

僕は定子に聞いた。そのとき嫌な予感がした。なぜならそこに昼休みにはいたはずの会長がいなかったからだ。自分から「来い」と言っておいて自分がこないはずが無いのだ。

「とりあえず、あんたたちも変身してもらうわ」

さらりと定子は言ってのけたが、それ、かなり抵抗あるんだが。というか、この人が「とりあえず」って言うときはその直後にトンデモ発言がくるな。

「嫌です」と断りたかったけれどここで断って協力関係にヒビでも入れば僕のせいになる。それは避けたい。

はぁ、と一つため息をついてから、定子が差し出した黄緑色の蛍光ジャージを受け取る。。藍もしぶしぶ受け取って部屋を出た。

制服の上からジャージを被せて着た。そんな僕を横目で見て

「うわぁ・・・」

と言ったのは定子だ。

「貴女もジャージでしょうが!」

「いや、でも、黄緑・・・蛍光・・・。うわぁ・・・」

「納得いかね──────!」

するとそこでガチャっと藍が入ってくる。

ピンクのジャージだ。悔しいが、とても似合っていた。

「さすが!やはりピンクは女性と私に合いますね!!」

と委員長こと矢代が絶賛する。おい、お前には似合ってねぇと思うぞ。

とそこで僕は一つ疑問が出てきた。

「なんで僕のだけジャージの色が違うんだ?」

「あぁ、それはね。チームが違うからよ。」

「え?僕だけ?」

僕は矢代に視線を向ける。説明しろよ、と。

「美しく無いものはピンクの団には要らん」

当然のことだろう、とでも言いたげな表情だが殴っていいか、お前。

「美しく無いものはピ」

「二回言わなくていいからね!?」

「いや、分かってなさそうだったからさ。」

「お前のその心の方が美しくねぇよ!」

「いや、現実を教えてあげることもまた、大事なことだろ?」

と、そこでドヤ顔。

あー、もうついていけねぇわ。

そこで僕は定子に作戦の説明を促した。

「そうね、それが本題だったわよね。・・・それでその予言書なんだけど、その本の題名は『Innocence』。月は『3月』の本よ。そしてその内容なんだけど・・・」

と言いながら校長の机の下から機材を取り出し、白い壁に何かを映写した。よくみるとそれは洋書の文面だった。知っている単語もチラホラと。察するに英語の本だろう。

「ここを見て」

と言って定子が指さしたところにはやはりほとんど意味の分からない英単語の羅列があるのみだった。

「『一人の男と一人の女が光を纏いし戦士になりしとき、月は隠れた。』という文面があるわ。・・・ちなみに説明しておくけれど、この種の予言書は普通に読めばただの小説になっているから普通の人には予言書だとはわからないわ。けれど読んでみてわかるけれど、明らかに小説として不必要な表現が多すぎるの。その後でサーチ型の能力者の力でようやく予言書だと判明するからとても見つけにくいのよ。・・・そしてさっきの文の解釈は、こうよ。」

そこで一度切る。出た、定子の癖だ。

「『一人の男』はアンタ。『一人の女』は藍ちゃん。『光を纏いし戦士』は蛍光戦隊。でもって『月』は、ウチの石碑の内容と照合すると文具同盟のことを言っているみたい。つまり、文具同盟は敗北し、協会に勝利が訪れる、と。」

「・・・」

そんな適当でいいんだろうか?

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