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文具戦争  作者: 文音マルタ
第三章:プレパレーション
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作戦。〜side藍〜

僕が定子のトロフィー攻撃で気を失って倒れ、校長に担がれて保健室へ行っていた、その時藍は─────。





教室から出て廊下をキョロキョロと見回す。

やっぱり居ない。

さっき放送で呼ばれてからずいぶん時間が経っている。

なんで呼ばれたのかな。長く休んだことが理由なら私も呼ばれるはずだけど。

それとも・・・何か別の理由で説教されて、どこかで泣いてたりして・・・。

・・・探しに行こう。



図書室。

全部の本棚の間を歩いてみたけれど、居ない。

運動場─────は行かなくても教室からみれば分かった。居ない。

保健室。

開ける。

ガラッ。

「!!」

「おや、どうしたのかね?」

こ、ここ、校長先生!!

「ん?君はもしかして・・・」

「お邪魔しましたっ!!」

ピシャッと閉めてからそそくさとその場から立ち去る。

一つのベッドだけカーテンが閉めてあったけど・・・もしかして校長先生は今までお昼寝でもしてたのかな・・・。

なんていうんだっけ、そういうの。

「・・・職務怠慢。」

一人、口に出してみた。そして気づく。

私って、ひとりぼっちなんだなぁ・・・。

なんでかなぁ・・・無口すぎるからかな。

でも、誰だってなんにも喋りたくない時、誰とも一緒にいたくない時って、あるよね。

・・・それが、人より少し、多いだけ。

「・・・。」

それだけかなぁ。

一人で悶々として立ち止まっていたその時後ろから

「おーい!」と呼ぶ声が聞こえた。

違う。私じゃないよね。私なんかを呼び止める人なんて・・・。

「おーい、藍ちゃんってばー!」

「!」

確かに私だ。呼んでいるのは、どこかで聞いた覚えがある女性の声だ。

藍が振り返ってみると、そこにいたのは文具協会の中で同じ日本部隊に所属している

「常盤・・・ナズナさん・・・?」

「あっ、覚えててくれたのねー!」

ぱぁっと顔を輝かせてこちらに走り寄ってくる。

「あ、はい」

ナズナとは対照的に藍はおずおずとお辞儀をするので精一杯だ。

「嬉しいなー、また会えて。」

「わ、私もです!!・・・って、なんでここに・・・??」

「あっ、それなんだけどねー・・・」

とナズナが言おうとした時、ナズナの背後から

「ちょっと待った!!」

と息を切らしながら駆け寄ってきたのは定子だ。

「ナズナ、今『どっち』?・・・まぁ、いいや。藍ちゃんを無事に見つけ出せたのね。」

「?ああ。教室に居なかったから随分探したけど・・・」

藍は首をかしげる。

(ナズナが私を探していた?)

と、ナズナは眉をヒクヒクさせながら

「なんだ・・・そのカッコ」

ナズナが指摘した『そのカッコ』とは定子の蛍光ピンクのジャージと、その脇に抱えた、これまたピンクのヘルメットの事だ。

「あら?ナズナは見覚えあるんじゃない?」

するとナズナは少し考えるような仕草をしてから

「あ、あ───なんか、知ってる気がする・・・けど・・・って、まさか!!」

「そう、そのまさかよ!」

定子は得意げに胸を反らす。

「まぁ、説明はまた放課後に、ってことで!」

と、手で何かを横に置くジェスチャーをした後

「さっきの話なんだけど、その、えっと・・・」

なにやら定子がモジモジしたかと思うと勢いよく顔を上げて

「・・・ナズナの設定は変更!!」

「変更?なんの事だ?」

「・・・教育実習生の件。」

「・・・えっ!?なんで!??」

それに対して定子は両手の人差し指の先を胸の前でツンツンしながら小さな声で

「・・・悔しいから。」

と言った。

「はぁ!?なんだそりゃ・・・」

ナズナは頭を抱えるポーズをとって

「・・・まぁいい。なにか別策をちゃんと考えてあるんだろ」

「・・・え、ええ。もちろんよ・・・。」

「むー、本当かー?」

ナズナは定子に疑いの眼差しを向ける。

すると定子は

「そ、それじゃ、そういう事だからっ!!」

と言って逃げて行った。

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