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文具戦争  作者: 文音マルタ
第二章:先輩と協会と
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逆転

「!!??」

それを目撃した誰もがおどろいたが、やはり一番驚いたのは他でもなく定子だった。

しかし彼女の驚きの表情はだんだんと歪み、悔しさと怒りから成るそれとなった。

「く・・・!」

いつもならば比較的爽やかな表情を浮かべているシュナイダーも、この時ばかりは穏やかではないようだった。






ただただ驚くだけの皆を他所に会長の目だけが輝いた。

「トニー!!」

と会長が叫ぶと天井から少年が降ってきた。

「任せろ!・・・"PICK"!!」

すると次の瞬間トニーと呼ばれた少年の目から眩い光が放たれた。

会長がニヤリと笑う。

「予想通りだ!」

僕が追った会長の視線の先にはなんと──────会議室の出口に二人の男の姿があった。

「・・・ヒロシだ!」

誰かが叫んだ。

そう。確かに一人はヒロシで、手をつないでいるもう一人の男とともに周りを見回して焦った表情を見せている。ヒロシの声が漏れる。

「・・・あれ・・・・・・見えてる・・・?・・・ちっ!」

ヒロシともう一人の男は慌ててドアを開いて出ようとする。

「逃がすかっ!」

会長が手を振り上げた途端に出口がぐにゃりと曲がり、人が出れるスペースがなくなった。

それでも少しの間ドアノブをガチャガチャとしていたヒロシだったがドアを開けるのは諦めてドアがあった場所に背中をつけ、文具協会員全員と正対した。

「はは・・・嘘だろ・・・」

するとヒロシの目の前にざっ、と仁王立ちしたのは───────ノモスだ。

ノモスはそのたくましい腕を振り上げながら、怒りで曲がった口の端だけを使い低い声で

「文具協会を・・・なめるなよ!!」

振り下ろされた腕はヒロシの頭を直撃した。続けざまにノモスが放ったチョップももう一人に命中。

二人は音を立ててその場に伸びてしまった。

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