第8話:新人勇者の初任務、死体の山と効率的な処理法。
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新人勇者としての初任務は、まさかの調査官同行付き。
ケンジの清掃員スキルが戦闘において「解体技術」として発揮され、ゼノンを困惑させます。
ケンジの鈍感さと、そんな彼を泳がせている凛の視点、少しずつ物語が動きます。第8話です!
「――というわけで、佐藤ケンジ。今回が君たちの初任務だ。この辺境の村を荒らしている『スケルトン・アーミー』を掃討せよ。もちろん、調査官である私も同行して実力を監視させてもらう」
ギルドから派遣されたゼノンが、冷ややかな視線を俺に向けた。調査官が任務に同行するのは極めて異例だ。マナトが「そんなのありですか!」と食ってかかったが、ゼノンは聞く耳を持たない。
「魔神の力は絶対に出せん。……凛のガジェットだけで、どう切り抜けるか」
村の入り口まで来ると、地中から無数の骸骨兵が湧き出してきた。数にして三十体。新人の初任務にしては数が多すぎる。
「ひぇっ、ケンジさん、多すぎますよ!」
「落ち着けマナト! 俺が正面から注意を引く、お前は後方から援護だ!」
俺は高圧洗浄機型魔導銃を構え、駆け出した。
スケルトンの群れが錆びた剣を振り下ろしてくる。俺は清掃員時代、死体の山を片付ける際に培った「効率的な立ち回り」を思い出した。
(ここは急所……じゃなくて、関節の結合部!)
魔力を最小限に抑え、ガジェットの噴射口から高圧水流を放つ。
それは攻撃というより、もはや外科手術だった。スケルトンの首の骨と胴体の連結部をピンポイントで打ち抜き、一撃で頭蓋骨を吹き飛ばす。
無駄な動きは一切ない。踊るような足さばきで群れを縫い、次々と骸骨をバラバラにしていく。
「なっ……! なんだあの動きは!? 剣技でも魔法でもない、ただの……『解体』か!?」
後ろでゼノンが驚愕に目を見開いている。
俺は必死に言い訳を並べ立てた。
「あ、いや! これはその、長年の清掃現場で培った『魔物の死体をいかに早く解体するか』という効率化の極みでありまして! 戦うより片付ける方が得意なもんで!」
「戦闘中に死体の片付け方など考えるな!!」
マナトが「ケンジさん、戦闘が早すぎます!」と叫ぶ中、俺は冷や汗を拭いながら次々とスケルトンを「掃除」していく。
(よし、凛のガジェットのおかげで今日もバレずに済んだ。……にしても、凛は本当に俺が魔神なんて疑いもしないよな。こんな怪しい動きをしてるのに、研究者としてガジェットを貸してくれるなんて、本当にいい奴だ……)
俺は、自分がどれだけ人間離れした動きをしているかにも気づかず、ただ凛のサポートに心から感謝しながら、最後のスケルトンを綺麗に処理し終えたのだった。
第8話をお読みいただきありがとうございました!
「戦闘」ではなく「解体」として魔物を処理していくケンジの姿。本人にとっては日々の仕事の延長ですが、周囲からは異様なプロの暗殺者に見える……という構図です。
ケンジは「凛は俺の正体なんて夢にも思っていない」と安心しきっていますが、凛の側では「また新しいデータが取れたわ」と静かに観察が続いています。
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