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17 ダンジョンマーケット店舗



ホロロロロロ、と鳴くコウモリとフクロウの親戚みたいなモンスターが飛び回る。


飛行系モンスターは厄介だ。

簡単にブロック間を移動しダンジョン化を阻害する。


空を飛ぶから遠距離攻撃手段も必要。


今までは魔力を飛ばして撃ち落としていたが、それは少々隠密性に欠ける。

準備不足だったな。


とりあえず手裏剣と苦無、吹き矢を購入。

魔法陣は、闇に紛れて見えづらかった。



【暗殺術】は【剣術】等のように武器を指定することはなく、毒と全ての武器の扱いを補助する。

中でも特に暗器系は大きな補正がかかるため、初めてでもそれなりに扱える。


吹き矢も手裏剣も百発百中。

ただ回収が大変だった。



「ピィィィィイ!!」



断末魔がモンスターを呼び寄せるのも問題かな…………。

狙った部位にピンポイントで当たり、悲鳴なく堕とせるのは5回に1回くらい。


面倒なことこの上ないが、変な鳥の数が多いためいくら待っても拡張できない。

全部殺さないと。


思ったより作業は難航して午前4時半、ようやく見張りの隙をついて校内に侵入した。

生活跡は残るものの、見張りの数人以外誰もいないグラウンドをまとめてダンジョン化。


赤十字マークの医療テントの横、吹き抜け(ピロティ)になっている1階部分に記念すべき1号店を召喚した。



大きさは駅のホームにあるコンビニくらい、中には精算機の半透明の謎板カタログ、その横に”買取所”の看板とトレイが置かれた台があった。





『税率を設定できます』





簡単な説明と注意点を書いた看板を入り口辺りに置き、小学校の敷地から脱出する。


既に東の空は朝焼けに染まり、【探知】が校内の人間の一部が動き出したのを感知した。


まだ5時前だと言うのに……

異変からわずか数日で早寝早起きの習性が身に着いたのか。


なんにせよ、その中の一人が階段を降りてこちらへ向かってきているので急いで離れよう。



「……は?なんだこれ……おい!だれか!」



去り際聞こえた困惑の声に、店が問題なく見つかった事を確信した。





あんまりタイミングよく行くと怪しまれるかもという事で、ツタヤとかゲーセンを回って色々回収し、自宅に戻って遊んでいる。


ツタヤってほんとに暖簾かかってるんだな…………


DPも10億ほど確保したから、あっちがいくら頑張ってもそうそう尽きないだろう。



「ピーーーぃ」


「プオッ……おー……」



働くスケルトンを見回っていると、楽器持ちスケルトン達が何かしていた。


ここにいるのは”演奏家”や”吟遊詩人”等、なんの役に立つかよく分からない音楽関係の職業につくスケルトン達である。



特に吟遊詩人、喋れないくせに何を歌うと?

なんか歌ってみろやオラオラ。



「カタカタカタ」



これがお前の歌か?

楽器はともかく歌の方は期待できんなぁ……

歯を鳴らしてるだけなんだよな。



「……とりあえず、色々楽器持ってきてやるよ。お前はまず日本語を喋れるようになろうな」



確か近くに大きな楽器店があったはずだ。


6層目を25ブロックだけ追加して倉庫にする。



「召喚」



スケルトン軍団を追加で500、百人隊長にナイトを5体、残りは全てEランクのスケルトン達である。

俺が居るし、近くまで行くだけなのでこの位で十分だろう。



「俺の周囲500m以内のモンスターを全て殺せ。着いてこい」



【威風堂々】の効果は一定ではない。

例えば、1000のスケルトン軍団に命令を降す時は幾分気取ったような口調、傲岸不遜な物言いになる。


正三爺さん曰く、傲慢な態度だが気品と威厳が備わっているため、とても自然で微塵も悪印象を与えないらしい。


だが、先程のように、数体のスケルトンと話すくらいでは普段通りの口調になることもある。


効果が強まるのは、俺がそう意識した時で、その意識の度合いによって変わるようだ。



「人間が居れば知らせろ。手は出すな」



緊張している時。

大勢の前に立った時。

厨二病が出た時、命令をする時。


それ以外は、普段の自分だ。

寝っ転がって漫画を読んでいる姿なんかは、お世辞にも洗練されているとは言えないだろう。


軍服のマントをふわりと翻し、なんだか馬が欲しいなと思いながらスケルトンの後について行った。


”迷宮倉庫”のおかげで資材運びの手間がかからないんだし、どうせなら人が居ないホームセンターやショッピングモールも回って根こそぎ回収しよう。



50m×50mじゃ足らないかな?と思い、200ブロック追加で150m×150mにしておいた。



倉庫は1ブロック10万、かなり高いが距離を無視した出し入れ、自動仕分けとリスト化、劣化防止の機能を考えればむしろ安い買い物かもしれない。


残念ながら時間停止はついていなかった。

食料品の取扱いには気をつけなければ。


ただの倉庫を作って”迷宮倉庫”経由で収納するのも良いだろう。

高性能は認めるけど妥協はできる。



「カァー、カァ〜〜」


「魔弾」



ゴァッ!と音をたてて飛んでいく魔力の塊がカラスに似たモンスターを弾き飛ばす。


魔法ではない。

魔力を扱える者なら誰でも出来る、魔力を固めて飛ばすだけの技。


スケルトンアーチャーは空飛ぶ小さい敵に対してあまり命中率が良くない上、矢数にも限りがある為、今回は飛行型モンスターを俺が倒す。


食品以外の資材を大方収納して、家に戻る途中。



(ニンゲン、を、見つけマシた)


「案内しろ」



どうやら、人間とモンスターが戦っているらしい。


避難所の探索班か?自力で生き延びた猛者かもしれない。



(やらレそう、です)



……ナイトの思考は聞き取りづらい。ジェネラルを呼ぶべきだったかな?



「なら、急げ」


(はイ)



俺も【探知】を全開にした。






早く戦いたくてイライラしてます。

避難所もちょっとだけ書かせて……重要キャラも出るかもよ。


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