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その後、多少のことを簡潔に問われ、晴れて月読は「認可」を受けたのであった。
「お疲れ様です。これで終わりです」
「ホントにあっさりしてましたね。茶飲み話のような気分でしたよ」
「気楽に済ませられるのならそれが一番です」無表情で副局長は言う。ホントにこいつのユーモア感覚はよくわからない。
「ところで」
月読が聞く。「もう、こうなったら『局長』でいいんじゃないんですか? 事実上この町のトップでしょう? 誰に気兼ねしてるというんです?」
まあ当然の質問である。今まで副局長副局長で通してきたから忘れかけていたけど。
「局長であり町長は、イーシィ湖の精霊です。彼女こそ、この町を統べるにふさわしい存在です。私は事務をこなすだけです」
「なるほど」
「それでは本日はご足労いただきありがとうございました。何かご用命がありましたらご遠慮なくお申し付けください」
「まるで執事みたいだ」
月読が言う。「ここまで丁寧にしてくれる役場というのもなかったよ、正直、今までの旅で」
「それがこの町のクオリティなのさ」
セリゼは言う。「さあ、行こうか。何か腹減ったし」
「何となく、セリゼさんが『腹減った』とおっしゃるのが分かっていました」
「エスパー?」
「いや、付き合ってればわかるでしょ」月読がさらりと言う。
月読と副局長、お互いに一礼して、部屋を後にする。
建物を出ると、白い日差しが二人を照りつける。まるで辺り一帯が真っ白になったかのように見える。
「静かで、いい天気」
月読が言う。「こういう日々なのかな?」
「ま、そんなとこ」
大体言いたいことは分かったので、安心させるようにこう言うセリゼであった。
「さ、食いに行こうか」
これにて、幕間的な話はおしまいです。……というか、ほしよみの小説は全部幕間みたいなおはなしなんですが(笑)
個人的には、副局長という女性は、もっともっと書いていきたいです。デレることはないですが、独特の甘さを持った人です。




