12話.放課後の教室
学校の授業が終わり放課後となった。
他の生徒たちは部活に行ったり、家に帰宅したりしているだろう。
俺?俺はなんと…まだ教室に残っていた。
「はぁ…全然終わらねぇ」
教室の中で一人ため息をつく。
担任の玉置先生が受け持つ世界史の課題を、俺はやってくるのを忘れたのだ。
そのため、放課後になって教室に残されてしまっている。
早く終わらせて帰りたいが…世界史苦手なんだよな。
「ルイ〜世とか、教科書に何人いるんだよ…」
教科書と課題のプリントをにらめっこしていた。
ん?なんだろう…。人の気配を感じる。
俺はプリントを解くのをやめて、顔を上げた。
「……」
目の前に、俺のことを見下ろして立っている目黒がいた…。
「うぉ!?…お、お前いつの間にいたんだ」
「スグル、帰らないの?」
「課題やってくるの忘れたからな…。終わるまでは帰れない」
「そっか」
これで、目黒もここから離れて寮に帰るもんだと思っていた。
だが、俺の目論見は外れたようだ…。
「…おい」
「なに?」
「なんで俺の前の席に座った」
目黒は俺の前の席に座った。しかも、椅子を俺の方に向けているから、机を挟んで目黒と対面しているみたいなものだ。
「スグルが課題を終わらせるの待ってる」
「まだ終わるのに時間はかかるが…」
「別にいい」
「俺のことを待ってても、いいことなんてないぞ」
「あるよ」
目黒はまたいつもの無機質な表情だった。
しかし、微かに口元が綻んでいるようにも見えた。
「スグルと二人きりでいられるから」
その言葉に、俺は思わず口が空いてしまっていただろう。
俺と二人きりでいたいと目黒は言った。
勘違いしそうになるほど、浮ついた考えだけが脳裏によぎる。
放課後の教室…男女二人きり…この雰囲気は…条件が揃いまくってないだろうか。
数秒の間、俺と目黒はお互い言葉発することなく見つめ合っていた。
だがそれもつかの間、目黒はスンッと鉄仮面のような顔に戻っていた。
「また、おはぎ買って」
「奢らせるのが目当てかよ…」
その後俺は課題を終わらせると、学校帰りに目黒と一緒にコンビニに入り、おはぎを買ってやった…。
最後まで読んでいただきありがとうございます!




