第1話 異能自警団デビュー
西暦2056年ーー30代以下のほとんどの人が特殊な能力を持つようになり、異能が当たり前になった世界。そんな中、異能を悪用する者も少なくない。それを阻止、または討伐するために異能自警団は今日も活動をしている。
ーーーーーー俺の名前は最強力 風圧。大学2年生だ。能力は風圧。風圧だけで人1人を吹っ飛ばせる程の超パワーを出せるという能力だ。その超パワーのおかげで地面を蹴って、超ジャンプをして、そこから空気を蹴ることによって、空を飛ぶことも可能にしている。今日も空を飛んで、登校中だ。もちろん、普通に疲れるので超時間は飛べないがな。
お、そんなことを言ってるうちに大学が見えてきたぞ。
「よし、今日も問題なく大学に着いたぞ。」
「おはよ~、風圧。」
「おはよ~、高藤。」
そんな挨拶をかわしながら俺たちは講義室へ向かった。
「え~、ですからここがこういう感じになるのです」
高藤「なあ、なあ、教授の授業退屈じゃないか?(小声)」
風圧「退屈だけど、ちゃんと講義には出席してないと単位取れないだろ(小声)」
高藤「お前、そういうところは真面目だよな。犯罪してるのに(小声)。」
風圧「犯罪言うな。俺は困ってる人たちのために異能を悪用するやつをやっつけてるだけだ(小声)。」
高藤「それを犯罪って言うんじゃ…。異能問題は警察に任せればいいだろ。」
風圧「警察の手の届かないところや警察ができないようなことを代わりに俺たちがやってるんだよ。」
高藤「ふ~ん。ところでさ、お前はなんで異能自警団に入ったんだ?まあ、大体、察しはつくけど。」
風圧「そうだな。それは2ヶ月前のことだった。」
2ヶ月前、俺は酒を買いに外出していた。もう空は暗く、夜のことだった。近くの路地裏から女性の悲鳴が聞こえた。だから助けに行こうとして、路地裏に入ったが、間に合わなかった。物音で気づかれ、大男の1人に金縛りをかけられた。そして、その女性が殺されるのを見てるしかなった。大男はもう1人いて、その大男は何もないところからナイフを取り出し、笑いながらその女性を刺し殺していた。
風圧「や、やめろーーー!!」
ナイフ大男「チッ、うるせえな。後でお前も遊んであげるから黙っとけよ。」
金縛り大男「兄貴、こいつの相手、俺がしていいっすか?」
ナイフ大男「好きにしろ」
金縛り大男「よかったな。お前、俺と遊べるんだからな!」
そう言いながら、金縛り大男は俺の顔面めがけて拳を振り上げた。
身体強化!
金縛り大男「いって~!!お前、能力者か?」
風圧「あー、そうだ。お前らみたいなクズなんかに負けるもんか!」
金縛り大男「おー、おー、威勢がいいな。そんなこと言ってられるのも今の内だぞ。お前は俺の能力でいっさい、体が動かせないんだからな。お前の硬い体も貫けるようなものを兄貴に出してもらうからな。」
ナイフ大男「いや~、楽しかった。やっぱり人間の血は最高だ!特に血しぶきが飛ぶ様なんか美しい!なんだ、お前、まだ終わってなかったのか?」
金縛り大男「こいつ、身体強化系の能力者でして、拳だけでは、硬くて、傷をつけられません。」
ナイフ大男「まあ、ダメだとは思うが、試しにこのナイフで刺してみるか」
ナイフ大男はそう言いながらナイフを俺の腹に刺そうとしたが、当然のようにナイフの方が壊れた。
ナイフ大男「ほう。これはおもしろいな。だが、現代兵器にはお前の体の硬さを貫通できるものもある。」
そう言いながらナイフ大男はまたもや何もないところから何かを出そうとした瞬間、その大男たちの周りにあるライトが全て割れた。
ナイフ大男「チッ、いいところだったのによー!誰だ!」
金縛り大男「く、暗くて何も見えません。た、助けて下さい兄貴。」
ナイフ大男「お、落ち着け。冷静になれ。」
金縛り大男「…」
ナイフ大男「よし、冷静になれたようだn………
そんな大男たちの声が切れた瞬間、明かりがついた。そして目の前に広がってたのは大男2人の死体とその前にナイフ片手に立っているフードを被ったアラフォーのおじさんだった。
金縛りもいつの間にか解けていた。
???「大丈夫か?」
風圧「あの、助けてくれたんですか?」
???「まあな。」
風圧「あの、この度は助けていただいて本当にありがとうございます。このご恩は一生忘れません!」
???「ところで、君、名前は?」
風圧「風圧でございます。最強力 風圧です。」
???「風圧か。いい名だ。俺の名前は三井 大輝だ。」
風圧「…」
三井「ん?あ、すまん、すまん、ナイフ出しっぱなしだったな」
そういうと三井さんはナイフについた血を布で拭き、かばんにしまった。
三井「怖がらせてすまなかったな。」
風圧「い、いえ。あの、どうしたら三井さんみたいに強くなれるんですか?」
三井「いや、俺は強くないよ。さっきも結構危なかったし。」
風圧「でも、一瞬で大男2人を倒してたじゃないですか」
三井「もしもあの時、ナイフを持ってた大男の能力でライトを出されて、明かりをつけられたらもう1人の大男の能力、金縛りで身動き1つできなくなってただろう。今回は相手がパニクってたおかげで助かったけど。」
風圧「さっきから気になってたんですけど、どうして暗闇でも相手を倒すことができたんですか?」
三井「それは俺の能力に関係している。」
風圧「三井さんの能力って結構すごいんですね。」
三井「いや、俺の能力は凄くないし、弱い方だよ。さて、本題に戻すけど、俺の主な能力は風操作だ。まあ、風操作って言っても、風強いな~くらいまでの風しか吹かせられないし、風を弱くすることもできるけど、連続では10秒くらいしか風を弱くできないし、風向も環境依存だから操れないし。その風操作の応用で、空気でものを感知したりできる。まあ、範囲はせいぜい50メートルくらいだし、途中で壁とかがあるとその壁の中で感知は止まるけどな。遠ければ遠いほど、感知の精度も悪くなるしね。その空気感知の応用で、空気感知と触覚を繋げることで離れたものやものの中身の触感を知ることができる。あと、空気感知のおかげで、人やものの動きを先読みもできる。それに加えて、風操作の応用で、天候操作もできるけど、天候操作は普通に時間がかかるから一瞬で天気を変えるなんてことは不可能だよ。それに天候操作で雨にするのは苦手だし。
な、凄くないだろ?」
風圧「それ、普通に凄いですよ!俺の能力も三井さんみたいに応用が効くのかな?」
三井「ああ、もちろんだ。風圧くんの能力は俺の能力よりも圧倒的に強いしな。」
風圧「俺も三井さんみたいに強くなりたいんで、弟子にして下さい!」
三井「まあ、少しの間だけなら能力の使い方を教えてやるよ。」
風圧「ありがとうございます!あの、最後にもう1つ質問いいですか?」
三井「ん?なんだ?」
風圧「三井さんみたいな【おじさん】が能力を持ってるなんて珍しいなと思って…」
三井「まあ、俺の力は40年前に発現したものだからな。」
風圧「40年前!?まだ異能社会になるどころか、異能の存在すら都市伝説扱いをされてた時代じゃないですか!そんな昔から能力を持ってたなら、あの強さも納得できます。」
三井「本当はもっと強くなりたかったんだがな。あ、そうそう、言い忘れてたんだが、今日のことは他言無用で頼むな。警察には捕まりたくないし。」
風圧「もちろん言いませんよ。命の恩人に恩を仇で返すようなことは絶対にしません!」
三井「ありがとな。」
風圧「いえ、こちらこそ!」
三井「ところで、風圧くん、なぜ、強くなりたいんだ?」
風圧「俺も三井さんみたいに人を助けられるような人になりたいからです。」
三井「俺を憧れにするのはやめた方がいい。なんてたって、俺は人殺しだからな。」
風圧「でも、三井さんのことだから人殺しくらいしか殺してないじゃないですか?」
三井「それでもだ。どんな理由があろうと殺人は殺人だ。普通に警察に捕まる。だからやめておいた方がいい。」
風圧「それなら、なんで三井さんはこんなことをしてるんですか?」
三井「なるべく多くの人を助けるためだ。俺は警察の手の届かない異能犯罪者や警察に捕まってもすぐ脱走できるような異能を持った犯罪者を倒している。いわば、異能自警団ってやつだ。」
風圧「やっぱり、三井さんは凄いですね。警察も敵にまわしながら、人々を助けるために動いてるなんて。決めました!俺も異能自警団になります!」
三井「本当にいいのか?異能自警団も一応は犯罪者だぞ。警察に見つかれば捕まるし。危険も伴う。そして、人を殺す覚悟も必要だ。もう一度、聞くぞ。本当に警察じゃなくて異能自警団になるのか?」
風圧「はい!警察だと動きにくく、手の届かないところもあるので、異能自警団として、その警察の手の届かないところで、異能犯罪者を倒していきたいです!」
三井「風圧くんの覚悟は分かった。それなら最後に異能自警団として、大切なことを教えておく。現行犯以外は絶対に殺すな。もしも冤罪で殺してしまうと、俺たちも異能犯罪者と一緒になってしまうからな。あと、明らかに襲われてるって感じ以外も殺すのはNGだ。分かったな?」
風圧「はい!」
三井「よろしい。で、風圧くん、能力の訓練日はいつが空いてる?」
風圧「今週の日曜日で、お願いします!」
三井「今週の日曜ね。うん、俺もこの日は予定が開いてるからとことんしごけるな。覚悟しとけよ~。」
風圧「望むところです!」




