11話 ボッチ飯最強
ガランガランッという鐘の音が鳴るのが聞こえた。
ここでもアルトリウスと同じように、講義の開始と終わりは鐘の音を合図にしているようだ。
さて、昼飯の時間だが、当然ながらぼっちである。
いいぜ? 問題ない。こちとらボッチ飯上等なんじゃい!
ラズリーやソフィア、あるいはレティに声をかけるという選択もあるが、慣れない学院で、しかも男一人でわざわざ女性陣に声をかけるのは少し気が引けた。・・・悪かったな、コミュ障で。
とはいえ、今回のアルトリウスからのメンバーで男は、俺とハーヴェルだけ。ハーヴェルと食うぐらいなら、一人で食った方がずっと美味しい飯を食うことができるだろう。
―おい、ルディ、飯にしようぜ
嗚呼、ルディよ、俺の心の友よ、お前がいないのでは俺は一人で飯を食わざるをえないではないか。
・・・奴は今頃、飯の時間を楽しんでいそうだが。
そういうわけで、俺はボッチで購買に向かうことにする。
講義が少し早めに終わったせいか、購買前で並ぶ者はまばらだ。
―今がチャンス
人だかりができてしまっては、ゆっくりと飯を選ぶこともままならないはずだ。コルティスはただでさえ、アルトリウスに比べて学院生の数が多いのだ。
・・・何があるか?
商品棚をゆっくりと見る。やはり港街なだけあって、街中と同じように、魚介類の食べ物が多そうだった。魚のフライや、魚介のムニエルなど。
購買の食べ物だけあって、どのような魚が使われているのかは商品に書かれてはいない。例えば、今俺が手にしている「魚のフライのパン」とか、どれも大体そんな感じである。
「こいつをくれ。」
俺は手にしたハンバーガーのような「魚フライのパン」に、サイドメニューとして、ポテトパイを購入することにする。ちなみに、水は廊下に備え付けの給水機で賄えるようなので、それで済ますことができるようだ。
さて、昼飯はゲットできたが、問題は、どこでそれを食うか、だ。
俺ぐらいのレベルになれば、別に大勢の学院生がいるであろう、食堂でぼっち飯をすることに何ら抵抗はない。しかし、ぼっち飯をするのであれば、できれば人のいない静かな場所で、というのは当然の願望であろう。幸い、まだ次の講義が始まるまで充分な時間がある。
―少し校舎を回ってみるか
人気のない、綺麗な景色を見ることのできる場所でもあれば最高なのだが。
校舎をてくてくと歩いて行く。
途中、それなりにコルティスの学院生とすれ違うが、誰も俺を気にした風ではない。
「屋上はどうだ?」
階段を上がり、屋上へ。
――しかし、屋上への扉は施錠されていた。
「・・・戻るか。」
コルティスの校舎は円形であり、丸い形の校舎の中央の中庭は当然ながら、学院生の人気スポットであることは明らかだ。しかし、後者の外周にもちょっとしたスペースがあり、いくつかベンチがあったことを思い出す。
一旦玄関より外に出て、後者の外へ。
「―やっぱりな。」
果たしてそこには、ちょっとしたスペースにベンチがぽつんとあった。しかも、周囲に人の気配はない。まさにぼっち飯をするには理想的な空間といえるだろう。
俺はベンチに座り、いそいそと紙袋を開ける。
ぱっと見はハンバーガーである。ただし、二枚のパンの間に具の挟まったタイプではなく、パンの間に切れ目があり、そこに具が挟まったタイプのもの。
ラッキーなことに、ポテトパイはどうやら焼きたてらしく、ホカホカだ。
「――これは期待できるな?」
大きく口を開けて、まずは魚のパンの方にかぶりつく!
きっと魚そのものは高級魚ではないのだろうが、フライにするのであれば、逆にこういうのが美味かったりするのはあるあるである。スケトウダラのフライによく似た味であり、美味い。
次にポテトパイを一口かじる。
ちょうど焼きたてのサクサクのホクホクの熱々である。これも当たりである。今ぐらいの時間帯に行けば、焼きたてを購入することができるのだろうか?
――紅茶があれば最高だな
今回は水袋の中の水で我慢することにするのだった。
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