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第346話 強くて弱い少女3

 次の日、俺たちは起きて直ぐに国王の部屋にやってきていた。

 直ぐに出発との事なので、俺たちは出発する準備を整えてこの場にやってきた。

 窓から見下ろすと既に馬車が停まっており、朝早いのに本当にお疲れ様ですって感じだ。


「えー、これで全員か?」

「はい、恐らくこれで全員集まりました」

「そうか、これより君たちにはスノーランド王国に向かってもらう。この者たちを馬車に案内してやってくれ」


 ついにこの時が来たのだ。

 昨日のスイの様子がおかしかったことから、何があったのは事実だ。しかも、普段俺を頼ってこないし、相談事ならばサキにしそうなものなのだが、そこでわざわざ俺を選んできたのだ。

 俺が解決してやらないとな……。


 ――今の俺は最高に気が向いているのだ。


 そして俺たちは馬車に案内されて、馬車に乗り込む。

 中はかなり広く、ストレスなく馬車に乗っていられそうだ。とりあえず、馬車は二台来ているので、五人と四人で別れて乗ることにした。

 編成としては、俺とカナタとユユとサキとスイ、パイプとバイトとキラさんとルルとなっている。

 俺はどうしてもスイの様子を見たかったので、一緒になるために俺が乗ったらこうなった。うちのメンバーで、ルルだけ仲間はずれみたいにあっちの方にいるが、あれは仕方の無いことだったのだ。


「それじゃ、出発します」


 御者のその声とともに馬車は走り出した。

 スノーランド王国はかなり遠いはずだ。なので、かなりの長旅になることは必死だろう。

 向かう途中でドラゴンの里と獣人の里の前を横切る。ドラゴンの里のドラゴンたちは温厚だし、獣人の里にはユキがいる。そのため、もう襲われることは無いだろう。

 そんな景色を流しながら馬車はどんどんと進んでいく。


「ヒロ、大丈夫ですか?」

「何がだ?」

「いえ、なんだか難しそうな表情をしていたので……」


 そんな表情をしていたのか……。恐らく、スイのことを考えすぎてその事が表情に出てしまっていたのだろう。

 そんなことでは仲間に心配をかけてしまうな。気をつけないといけない。


「……さっきー」

「何?」

「いや、なんでもない」

「気になるんだけど!?」


 スイがサキに何かを話したそうにしているけど、話せずにいる。十中八九、昨日のことだろう。しかし、サキには話せないのか。

 しかし、スイがサキに話せなくて俺には遠回しにでも相談をすることが出来たのってどうしてなんだろうか。もしかすると、友達には話しにくいことなのかもしれないな。


 昨日のスイの質問で一つ気になるのが、拒まれても助けるかって質問だ。もちろん俺は助けるのだが、わざわざこんな問いをするってことは何か関係があるってことなのだろう。

 そんな感じで俺は考え込んでいると、急に隣から視線を感じる。

 隣を見てみると、カナタが怪訝そうな表情で俺を見ていた。


「どうした?」

「いや、ヒロはスイと何かあったのかなって」

「どうしてだ?」

「だってヒロ、朝からずっとスイのことを見ているじゃん」


 言われてみて気がつく。そういえば俺はずっとスイのことについて考え込んでいたため、確かにスイのことを見ていたような気がする。

 これはまずい。スイのことが気になりすぎて今のこの状況に集中できていない。

 今回の遠征の真の目的は国王の依頼をこなすことだ。なので、俺以外の人にとってはそっちがメインだ。しかし、俺はスイの方に集中しすぎて、このままで依頼の方に支障を来たしてしまう可能性がある。

 こういう時は気持ちを切り替えないといけない。


 出発してから数時間が経った。なので、ここら辺で昼飯の時間とする。

 今回はこの遠征のために城の料理人が腕によりをかけて弁当を作ってくれたのだ。なので、弁当だと言うのにかなり豪勢な作りとなっている。

 味はもちろん、一流の料理人が作っているので美味い。


 そんな感じで弁当を食べながら馬車に揺られていく。


 馬車で旅をしていると当然、魔物に襲われる事もある。だが、そういう時は遠距離で攻撃できるカナタ達がテキパキと倒してくれるので、あんまり支障はない。

 まぁ、ここら辺はあまり強い魔物はいないので、そこまで本気で迎え撃たないといけないって言うのが無いので結構楽な部類ではある。


 そんな感じで、揺られていると夕方に差し掛かってきた。

 もう辺りは暗くなってきていて、これ以上暗くなると移動するのは危険だという判断で今日はここで野宿をすることになった。

 だが、今回はアルケニアからスノーランドまで行くという話だったので、距離的に馬車を使ったとはいえ、一日二日で行ける距離ではないということを理解していた。

 そのため、今回はとあるアイテムを支給されていた。


 御者さんが準備をする中、線香のようなものを取りだした。そう、これは魔物避け線香といい、これを置いておけば魔物が近づいてこなくなるという代物だ。

 この線香の煙は魔物にとっては有害物質らしく、人間には無害なのだとか。なので、魔物は逃げていくらしい。


 そんな感じで今日はテントを立てて線香をテントの前に立てたら野宿の準備は万端だ。

 今までは寝ている間は魔物に襲われる心配があったが、これを置くだけでその心配はなくなる。かなり便利なアイテムと言えるだろう。


 明日も早く移動を開始するので、早起きしなくてはならないため、今日は直ぐに眠りについた。

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