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第337話 帰還

「もう行くの?」

「あぁ、この依頼も完了させなくちゃいけないしな」


 演説終了後、俺とユキは少し話したあと、俺たちはもうアルケニア城下町に帰ることになった。

 少し名残惜しいものの、俺たちは依頼を達成するためにこの街に来たのだ。


 ちなみに、新里長であるユキはもう一度貿易を再開するという言質を頂いたので、交渉をするという今回の依頼は無事達成ということとなる。

 なかなかに大変な道のりだったが、何とか今回の依頼も達成だ。


「そういえば、ハルトたちは戦いが終わったあと、どうしていたんだ? 俺は気を失ったから知らないんだ」

「あぁ、あの後はね、ハルトさんが目を覚まして」

「スイとサキを回収してからお前と合流した、それだけだ」


 確か、スイとサキは眠らされていたから安全そうな場所に避難させたとか聞いた。

 しかし、俺はそのあとの事を知らない。そのため、色々と聞いてみたいことがある。


「眠らせたのってやっぱり奴らの仲間だったのか?」

「いや、あればどちらかと言うと俺たち側の獣人だろう。つまり、元々里長であるレオン? とか言うやつに不満を抱いていた連中だ。俺も一瞬敵かと思ったが、奴らと戦っていた形跡があった」


 なるほどな。全員が全員的だったわけじゃなかったんだ。

 だとしたらユキもよくやって行けそうだな。まぁ、ユキならば心配することはないだろう。


 そんな風に安心したあと、カナタがテレポートを使用した。これによって直ぐにアルケニア城下町内の俺たちの家に帰ることが出来るはずだ。

 そして、もう一回こっちに来る時もテレポートを使えば一瞬で来ることができる。この世界ではある程度距離が離れてさえいれば一瞬で行き来することが出来るのでその点に関してはかなりいい。


「じゃあなユキ。また来る」

「うん、次に会う時は持て成すよ」

「あぁ、じゃあ」


 俺らは手をヒラヒラと振りながら目の前に出現したワープゲートを通る。

 その次の瞬間には俺たちの視界は俺達の家の中に切り替わっていた。


 この旅が大変すぎて、この家もかなり久しぶりに感じる。

 俺、カナタ、ユキで住むには少し広すぎるような気がするほどの家だ。もう少し人数が増えてもいいと思うくらいの広さなのだが、他にこの家に移り住む人がいないのでかなり部屋が余ってしまっている。

 まぁ、そんなことはどうでもいい。とりあえず俺たちは今回の依頼の完了をしに集会所に向かう。


 ☆☆☆☆☆


「はい、依頼完了を確認しました。どうやら再び交易をしてくださるようですね」

「はい」


 受付嬢は依頼書に印鑑を押すと報酬となった金貨の入っている袋を手渡してきた。

 結構大きく膨らんでいる袋で握ってみるとずっしりとした重さが伝わってきた。


 ここには本来は報酬を山分けするはずだったジュマイさんが居ないことが悲しいが、いつまでも過去の事を悔やんでいても仕方が無いだろうと思って、気持ちを切り替えてこの場にいるメンバーとユキの分で山分けをすることにした。

 ユキの分はまた今度会った時に渡せばいい。


 それでも一人あたりの配分は結構ある。なので、今回の報酬はそれくらい多いのだ。


 それで今日はもう解散ということになった。

 この長旅で疲れてしまっているので疲れを取るために休む。


「ヒロ、お疲れ様です」

「あぁ、カナタもな」


 カナタはお茶を入れて俺に渡してくれる。

 カナタは家事万能なのでどの点に関しても家ではカナタは欠かせない存在となっている。

 ちなみにユユも最近ではカナタの手伝いで料理が出来るようになってきている。となるとほとんど何もやっていないのは俺ということになってしまう。


 少し不安になってきたぞ。

 いずれカナタに「家事を押し付ける人は要りません」と捨てられてしまうんでないかとヒヤヒヤしてしまう。

 でも、カナタの家事スキルが高すぎて手出しが出来ないと言うのが本当のところだ。


 俺は腰に提げた剣を撫でた。

 本当に俺はカナタに色々なものを貰った。


 この世界に来たばかりで一文無しだった頃、この剣を買ってくれたのはカナタだし、最初の方のホテル代だってカナタが出してくれていた。


「ありがとうなカナタ」

「どうしましたか?」

「いや、なんでも」


 俺は照れ隠しにお茶を一気飲みした。

 外へ目を向けてみるともう夕暮れ時となっていた。


 明日からはどうしようか……かなりこっちの方も落ち着いてきたから一度マイに逢いに行くというのもありだが、もう少しこっちでゆっくりしたいという気持ちがある。

 まぁ、この調子なら明日も依頼を受けることになるか。


 だけど、今回ほどの高難易度の依頼はそうそう無いだろう。獣人と死闘を繰り広げるのはもうコリゴリだ。


 今回のでユキの過去が一件落着した。ユキは里のみんなに認められて里長となることが出来た。

 だけど、もう一つ気になることがある。


「スイ」


 そう、スイのことだ。

 スイはいつもは気丈に振舞っており、そんな側面は一切見せない人物だが、時折スイの目が曇るのだ。何やら考えているように。

 その事が気になってしまう。


 あまり人のことに首を突っ込むのは良くないというのは分かっているが、『HOPE』のメンバーなんだからやはり気になってしまう。

 まぁ、その事はおいおいゆっくりと聞いていけばいいか。


 そんな感じで今日はもうまったりと過ごして眠った。

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