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第220話 昇格試験2

 少しして俺たちはギルドマスターに呼び出された。

 ノックをしてギルドマスターの部屋に入る。するとそこには如何にもなおっさんがいた。

 顎髭を生やし、トゲトゲした頭はとても痛そうだ。そして威厳を感じる。その雰囲気に滅多に緊張しない俺が緊張してしまった。

 でも何となく怖い雰囲気ではない。だから平然としていられる。


「わしがこのギルドマスターだ。君らはクラン『HOPE』だったか?」

「はい! 俺たちは『HOPE』と申します。俺はそのクランマスター、ジャック・スデイリーと言います」


 俺はクランマスターなので先導して名乗る。それに続いてみんなも名乗っていく。

 俺たちが名乗るとギルドマスターは俺たちに品定めをするような視線を向けてきた。どうやら俺たちが相応の力があるかという事を雰囲気で見ているらしい。

 しかし、どうやらギルドマスターには強くは見えなかったようでギルドマスターは首を傾げた。


「こいつらが盗賊を倒した……か」

「はい、どうやら盗賊クエストで無傷で帰ってきたようです。現場には何人もの盗賊たちが倒れていたとの報告が」


 確認が早いな。でも、これで俺らが盗賊に勝ったと、このギルドマスターにもわかって貰えただろう。

 しかし、ギルドマスターは唸るのを辞めない。しかもなにか受付嬢と何かを話し合っている。聞き耳を立ててみるとあんまり軽率に上げると高ランク帯にそぐわない実力の冒険者が増えるとの事を懸念しているようだ。

 確かに信頼も実績もない俺らのランクを簡単に上げてしまって、そのランクにそぐわないとなったらギルドの責任になったりするのだろう。それなら慎重になるのは自然な事だ。ゆっくりとギルドマスターの回答を待つとしよう。


 それから数分後、やっと俺たちに向けて口を開いた。


「うむ、分かった。決闘による試験を認めよう。しかし、その実力が無いとなったらランクアップは諦めろ」


 と言うと認められなかった場合、二度とランクアップ出来なくするという脅しだ。もちろん俺は冒険者ランクに興味など無いし、二度とランクアップ出来なくとも何も怖くない。だけど他のみんなはどう思うか――と言っても、もうみんなの心は決まっているようだ。そんなの怖くない、そういった表情だった。

 なら決まりだ。


「望むところです!」


 俺は全く望むところではないんだが、ここまで来たらなるようになれって言うやつだろう。


「うむ、覚悟が出来ているならそれでいい。来い、決闘場に案内する」


 ギルドマスターは納得いったように頷くと俺たちをこのギルド内にある決闘場に案内した。

 決闘場はコロシアムのようになっていて解放されているらしく、俺たちが決闘するという情報を聞き付けたのかたくさんの観客が居た。この国の人達の情報伝達の早さはどうなっているんだ?

 しかし、どうやら俺たちが最初からギルドマスターにボコボコにされると決めつけて俺らがボコボコにされる姿を見に来た趣味の悪い人が多いようだ。


『これから冒険者の昇格試験を始めます』


 アナウンスがかかり、わっと盛り上がる会場。しかし、俺たちの控え室は静まりきっていた。

 そんな中で俺はギルドマスターの事を知っている可能性のある人物、マイにギルドマスターの事を聞いてみることにした。


「マイ、ギルドマスターはどういう人なんだ?」

「ギルドマスターはものすごく強いのは分かると思いますが、冒険者時代にAランクだった人が多いです。低くてもBランクですね。冒険者の腕前としてはこのギルド1の強さだと言っても過言ではありません」


 何となく予想が着いていたけどギルド1強いのか……。強いなら結構戦うのも大変だろうな。

 なんにせよ、俺たちが決闘で勝つのは望みが薄いというわけだ。だからあの受付嬢も俺たちが勝ったらでは無く、ギルドマスターが認めたらと言ったのか。

 じゃあ、勝ちに行くんじゃなくて実力を出せばいいんだな。なら少しは安心だ。あとはどんな動きをしてくるかだが、もう聞いている暇はないだろう。


「まず一人目! 新設クラン『HOPE』のメンバー、スイ」


 普通はここで盛り上がるのだろうが、俺たちは全くの無名だ。盛り上がることはなかった。むしろ誰だよこいつという雰囲気が会場に漂い始めた。

 しかし、そんなことは全く気にする様子はなくスイは立ち上がって部舞台に向かおうとする。

 ルールとしては剣魔法王者決定戦とほぼ同じだ。ただ、違うのは死ぬような攻撃を与えてもこれは決闘なので死ぬことは無いということだ。

 それでもサキはスイのことが心配のようで心配そうな視線を向けるが、スイはサキに大丈夫だという言葉の代わりに微笑んだ。サキとスイの間には言葉など要らないって言うことだ。

 ユキ、マイも「頑張って」と声をかける。

 俺はスイに拳を突き出した。スイは一瞬驚いた様子を見せたものの、直ぐにニカッと笑って俺の拳に自分の拳を当ててきた。こういうことに言葉なんて要らないんだ。


 スイの昇格試験、スイ対ギルドマスターが今始まる。

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