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第218話 WARNING『後編』

「ここら辺か?」


 クエスト用紙には地図が添付されていた。

 この地図によるとこの森に生えているらしい。しかしなかなか見つからない。雑草は沢山あるというのに……。

 しかし、この森は薄気味悪いな。アルケニアから逃亡して間もない頃を思い出す。あの時はサキとスイが助けてくれたから今の俺が居るんだよな。この二人には感謝してもしきれない。

 地面を凝視しながら歩いていく。しかし、俺は気がついてた。俺たちに敵意のある生命体がこの先にいることに。

 俺は一応念の為に索敵を使っていた。そしたらなんとビンゴだったってことだ。

 敵を発見するのも俺の仕事だからな。国一つは見れなくてもこの森くらいの大きさなら見ることができる。しかも特訓の成果があってか索敵を使ってもまだ魔法が使えるレベルには残っている。大丈夫だ。

 距離は大体100m位か?


「みんな、慎重に動け。この先に俺たちに対して敵意のある生命反応があった」


 そう言うとマイは「やっぱりですか」と呟いた。ということはマイはとっくに気がついていたってことだ。さすが先輩冒険者、経験が違う。

 でもこのマイの感じからしてただの魔物って訳では無さそうだ。そんな俺の問いに答えるようにマイは言葉を紡いだ。


「盗賊です」

「盗賊?」

「はい、奴らの狙いは私たちの荷物です。たまにクエストを掲示板に貼って、そのクエストを受けた冒険者を襲うっていう事件が発生しています」


 なるほど、冒険者の心を巧みに利用したトラップって事か。許せないな。せっかく冒険者は依頼を達成しようと頑張っているのにそれを利用するなんて……。

 なら負ける訳にはいかないな。でも相手の方が人数的には多いようだ。これは正面突破は場合によってはやめた方がいいかもしれない。


「盗賊には窃盗魔法を会得している人もいます。気をつけてください」

「ああ、分かっている」


 マイと相談しながら着々と盗賊の方へと歩み寄っていく。どうやら盗賊はまだこちらに気がついていないようだ。

 もう一歩、さらに一歩と足を進めていたその時――一本の矢が飛んできた。どうやら相手はこの世界では珍しい弓使いのようだ。

 しかし、相手は木の上。足場が安定していないようで狙いが外れてしまったのだろう。これはラッキーだ。

 索敵の時間は切れてしまっているのは知っているけど移動した可能性も考えて迂闊に行動出来なかったのだが、今の一撃で相手の居場所は掴んだ。

 そして相手は弓使い。この程度の距離感、外したことを公開することになるな。なにせ、こっちには凄腕の弓使いが居るからな。


 そこでサキは大量の矢を取りだした。何をする気だ?


「弓はこうやって放つんですよ」


 サキがそう言ってたくさんの矢を一度に放った。しかし、その方向は結構上の方だった。この向きは完全に外した。普通ならそう思ってしまう――しかし、そのすぐあとにたくさんの悲鳴が聞こえてきた。どうやらこれはサキの技のようだ。たくさんの矢を相手に降らせる。


「これがアローレインです」


 矢の雨。確かにその表現が正しいようだ。これは相手の意表を突くことが出来るな。

 そしてその矢が命中して、たくさんの盗賊たちが落ちてきた。どうやらアローレインは一度にたくさんの相手に攻撃できるものの、弱点としては威力が出ないことらしい。

 まだまだ戦えそうにピンピンしている。


「ち、バレたならしょうがない。あいつらの荷物を奪うぞ!」


 一人の男が声をあげると全員で襲いかかってきた。今俺たちの持っているバッグには非常食と少量の金しか入っていない。だから俺たちから奪っても対して得はしないと思うんだけど、盗賊たちにはそんなことは関係ないだろう。

 向こうから襲いかかってきたんだ。返り討ちにしてやろう。

 俺は右手に握りこぶしを作ってブーストで駆けだした。


「ぐは!」


 その状態を維持してものすごい勢いで腹パンをする。これを耐えられるようなやつではなかったらしく、直ぐに気を失って倒れてしまった。

 そんな俺の背後に剣を持った一人の盗賊が――しかし、俺は全く心配はしなかった。なぜなら俺の背後に頼りになる仲間達がいるから。

 その通りにサキが矢を放って背後の盗賊の手に命中。盗賊は痛みで剣を落としてしまった。その隙を俺は見逃すことなく回し蹴りを与えてぶっ飛ばした。

 他の面々もどんどんと盗賊を倒していく。ユキがスロームーブを使ってくれているお陰で戦いやすくなっている。


「こいつら、強い!」

「なんなんだよこいつら、俺らより人数が圧倒的に少ないって言うのによ!」


 数なんて関係ない。作戦とチームワークでそんなものどうとでもなる。その事をわかっていない奴らは数だけで何とかなると思っている。そんな考えは甘いぞ。

 そんなこんなであと一人、


「た、助け!」

「逃がさないわよ」


 最後の一人はスイの水斬によって倒された。

 しかし俺は誰一人として殺していない、気絶程度だ。やっぱり人間を殺す気にはなれない。


「でもこれはギルドに報告しなくてはなりませんね」

「だな」


 こうして俺たちは引き上げてギルドに報告するために歩き出した。この盗賊たちはギルドに引き渡す。

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