040 スライムと家族になる
SSをつかって、出てくるモンスターをゴブリンからスライムへとチェンジした。
しかも、友好的な物と条件もつけてだ。
すると翌日、綺麗なスライムが現れた。
さっそくコンタクトをとってみる。
「こんにちは。俺と敵対するつもりはあるか?」
ふるふると震えて、スライムは違うと意志を示した。
「このウサギ達はスモモとキラリだ。彼らとも敵対しないか?」
ぶるんぶるんと震えて、肯定の意志を示した。
「レイナス、構えを解いて落ち着いてくれるか? 大丈夫だから」
「え? ええ、そうね。マスターを信じるわ」
「うん、ありがとう。それじゃあ、こっちのレイナスと敵対するつもりはあるか?」
ふるふると震えて、違うと意志を示す。
何となくこのスライムの意志が伝わってくる。
魔法レンガを出して、地面に2つ置く。
「俺たちの仲間になるなら、こっちのレンガを、なるつもりが無いなら、そっちのレンガを取ってくれ」
するとスライムは、うにょーんと触手を伸ばしてレンガを取り、仲間になると意志を示した。
かなり伸びるんだな。
なるほど、本来は特定の形は無くて、安定しているからお饅頭型をしているのか。
名前は……無いから俺に付けて欲しいのか? そうか。
……黒い空間にうごめき光る紫のきらめきは、まるで星雲の様で、……それでいてお饅頭型、……宇宙的なお饅頭、……コズミック・バン。
『コズミン』でどうだ?
気に入ってくれたか、これからよろしくな、コズミン。
「ずいぶんと、その、コズミンと話す事ができるのね」
「仲間になったら、何となくわかる様になったぞ。不思議だな」
「ええ、不思議ね」
コズミンに色々と訊いてみると、どうやらゼラチナス・カオスという種では無い様だ。
「……確かに特徴は似ているけれど、大きさが小ぶりね」
「そのゼラチナス・カオスから進化したのが、コズミンみたいだな」
「……その先があったのね」
まあ、何はともあれ、コズミンは綺麗なスライムだ。
この後、見回りを続けると、もう2匹のスライムと合流した。
彼らは、水を入れたビニル袋みたいな感じに透明度が高く、大きさは20cm前後。
ぽよんぽよんしている。
色々と訊いてみるが、分からないと答えられる事が多かった。
コズミンによれば、彼らはまだ高度な思考ができない様だ。
だから、名前を付けても自分の事なのか、仲間の事なのか分からないらしい。
仕事は、本能に合う物ならできるそうで、その采配をコズミンに任せる事にした。
それじゃあ、スライム達もよろしくな。
外は寒いから、凍ったりしないように注意してくれ。
彼らは『は~い』と返事するかの様にぽよんぽよんと跳ねて、汚水の浄化に向かった。
とても可愛い。
▽▼▽
その日の夜。
レイナスは眉根にしわを寄せて、何やら真剣な表情をしてコズミンを見ている。
「どうしたんだ?」
「……わたしもコズミンと話しができないかと思って」
そうなのか。
うん、コズミンは体の色を眺められていただけと思っていたのか。
双方に、認識の違いがあるな。
「レイナスは、ちゃんと話をしようって言ったのか?」
「そう頭で思い描いていたつもりなんだけど……」
「口で言わないと分からないんじゃないか?」
そうだ、とコズミンはフルフル震える。
「……成る程、テレパシーをするって事に囚われていたみたいね。盲点だわ。コズミン、お話しましょう」
コズミンは、レイナスに触手をうにょ~んと伸ばして握手した。
「うふふ、そうね、いざ話すとなると、話題に困る物ね。……それじゃあ、スライムの中にも魔法を使う種はいるけれど、どういった理論を構築して発動させているのかしら?」
それは、スライムと話すのに適切な話題なのだろうか?
「……へえ、意外な方法でアプローチしているのね。それだとシンプル過ぎて高度な魔法には至らないと思うのだけれど――」
適切だったみたいだ。
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