039 スライムを呼び寄せる
ゴブリンの相手をするのに嫌気がさし、どうにかならないかと悩む。
すると、スライムなら友好的になれる可能性があると、レイナスは言う。
ほう、スライムとな。
「可愛いのか?」
俺は新たな癒しを求めている。
「……人によるわね」
何でもスライムは、凶悪な種類から人類生活に役立つ種類まで様々なのだとか。
凶悪な代表は『国飲み』という物が居たようだ。
膨張を続け、島国を1つ飲み込んで、その土地全ての生物を根絶やしにしたという。
その島国を治めていたドラゴンまで飲み込んだと言うから恐ろしい。
結局は他のドラゴン達が報復として集まり、何とか討伐したという伝説が残っているのだとか。
役立つ部類だと、下水や汚水を浄化してくれる物がいるのだとか。
こっちは平和的で良いね。
それじゃあ、ゴブリンを可愛くて役立つスライムと置き換える様に念じてみよう。
SSを幾つか手に取り、念じる。
ゴブリンはチェンジで! 友好的で役立って可愛いスライムとチェンジで!
すると、手の中のSSは1つ減っていた。
何らかの変化は起こる様だ。
次の日。
朝の見回りでは、今までのゴブリンとは違う、黒くてプルプルした物がうごめいていた。
大きさは2mのお饅頭型。
黒い体の奥から紫の光を発する感じで、大人なデザインだ。
マジョーラ塗装の様に、見る角度で光り方も変わり、美しい。
可愛い系を期待したら、綺麗系が来た。
これはこれで良いね。
「ぜ、ゼラチナス・カオス!? よりにもよって!」
「知っているのか? レイナス!」
「件の『国飲み』になったスライムよ。出会うのは初めてだけど、確かに尋常じゃ無い魔力だわ」
レイナスは、ファイティングポーズを取り、魔法の準備に入る。
それとは対照的に、スモモとキラリはリラックスしていた。
俺の方も、このスライムからは、敵愾心や嫌な感じはしてこない。
念の為に気を付けながらも、ゆっくりと近寄ってみる。
「ダメよマスター! 迂闊に近寄るなんて危険過ぎるわ!」
「まあまあ、そんな悪い感じはしないけど、この辺までにしておくか」
10m程まで近寄ったら、足を止める。
さあ、仲良くできるかな?
コンタクトを取ってみよう。




