クリスマススペシャル:雪山 中編
夜に後編出します。
なんか、前編の倍くらいの量になりそうだったので、切りました。
3人はスキーウェアに着替え、ホテルの裏手にある大きなスキー場へと移動した。
このホテルは日本一広いゲレンデを保有しており、3つの山と複数のコースへとつながるリフトを完備している。
故に今日もスキーやスノーボードの利用客は多く、お客さんでにぎわっていた。
3人は各々雪遊び用の道具をレンタルし、初級者用のリフトの前にいた。
「まま、あやかスキー上手く滑れるか心配」
「大丈夫よ。アヤカ何でもすぐ上達しちゃうでしょ?」
「まあ、危なくなったらパパが助けるから」
「本当?信じるからね?」
綾香と美鈴はスキー板にストック。
蓮二はスノーボードをレンタルしていた。
「まあ、今日は吹雪が来るらしいから早めに引き上げかな?・・・まあ、それまでに上達すればいいさ」
蓮二は天気予報を確認した時に、夕方ごろから吹雪となっていた。
あと約4時間。今日は初心者コース(30分)を何周かして終わりかと考えていた
―――2時間後
「見てみて、パパ!アヤカ、こんなこともできるよ!」
あっという間にスキーに慣れた綾香はスケートでも滑るかのように雪の上を滑れるようになっていた。
具体的に言えば、凸凹を利用して飛び、空中で3回転できるぐらいに・・・
「パパ!上級者コース行こう!今からならまだ間に合うよ!」
「え、・・・うーん」
「まあ、大丈夫じゃない?・・・まだ晴れているし」
美鈴と綾香にお願いされると断れない蓮二。
上級者コースは一周2時間。
一応、順調に行けば吹雪の前に帰ることはできる。
心配はあるが、しぶしぶ上級者コースのリフトへと乗るのだった
「うわー綺麗!パパ、ママ!早く早く!」
リフトで頂上まで登るとそこから眺める景色は絶景だった。
ただ景色がよく見るからこそ、遠くの空にかかる黒い雲が心配でならない。
あまり不自然にならない程度にさっさと降りてしまおうと考えたレンジは「お先に!」と言って二人を煽るように滑っていく。
結果思惑どおり、二人はレンジに置いていかれないように、そして追い越すために滑り出した。
ただ、この時のレンジは焦りすぎたのかもしれない。
故に、絢香が初心者であること。
自分がいれば助けられると言うのが、彼女達の後ろにいてこそ出来ることが頭から抜け落ちてしまっていた。
※※※
滑ること1時間後。
---山の中ばまで降りてきた。
すでにリフトは吹雪を警戒して上に人を運ぶのを止めていた。
休憩所として設置された、ロッジの中にはすでに人はおらず、蓮二達だけがいた。
「あ、雪降ってきた」
絢香のその言葉に蓮二は美玲を見る。
二人はロッジの備蓄や発電、水道系統のチェックをしていた。
雲の進みが予想より早く、このまま進むのは危険と感じたからだ。
蓮二は絢香の面倒を見ながら、屋内の食料品、燃料を確認した。
食料はそこそこあったのだが、燃料に少し心配があった。
「…美玲、自分は山を登って近くのコテージから燃料をもらってこようと思う。悪いけどーーー」
蓮二は申し訳なさそうにうつむき、頭を下げようとする。
「イテッ!」
すると額に痛みが走り、顔を上げると目の前に美玲の手があった。
彼女はデコピンしたあと、そっぽを向く。
「わかってるわ。…早く戻ってきてね?」
「あ、…うん」
これで美玲が照れてくれていたら、可愛かったのだが、ヤンデレた濁った目で「寄り道して女にかまけたら許さない」という有無を言わせないそのオーラに、さっきまでのちょっと甘い雰囲気はどこかえいってしまった。
・・・それと一つ言わせてもらおう。
自分は家族第一に考えてます!…向こうから来るだけで、自分からじゃないのに。
美玲!そろそろ、信じて(泣)




