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第905話 104日目 ドローレス国領主邸がある街に到着

「来たね。」

「来ましたね。

 はぁ・・・あとは受付だけかぁ。」

街の門を通った所の通りの角に1組の男女が街道を見ながらのんびりとしていた。


------------------------

武雄達は何も問題なくドローレス国領主邸がある街に到着したのだが。

「・・・着いたんですよね?」

「ええ。着きましたね。」

武雄が隣にいるマイヤーに聞くとマイヤーも不思議顔で頷く。


武雄達が到着した街は普通に海がある大きな街だった。

街の入り口からも街の活気がわかる程賑わっている。


「所長。ドローレス国の領主邸と奴隷市がある街だからと言ってどんな街を想像していたのですか?」

ベイノンが苦笑してくる。

「・・・もっと殺伐としていて奴隷が暗い顔で歩き回っている陰湿な街。」

「・・・殺人とか横行しているヤバそうな街。」

マイヤーと武雄がベイノンに真顔を向ける。

「それだと街を形成出来ませんからね?

 どの街も活気がありますよ。

 少なくとも表立っては何もありません。」

ベイノンがため息をつく。

「ヴィクター殿も言っていましたか。

 『国家が形成されているのならこれがこの地域でやりやすい事』なのだと。

 それにしても報告書は見ていても実際の街を見ると・・・齟齬が激しいですね。」

マイヤーが顎に手を置き言ってくる。

「そうですね。

 そう言えば、私もオルコット宰相に同じような事を言いましたか・・・

 考えていたし、想像もしていたんですけど・・・どこか負のイメージが強かったのは確かですね。」

武雄も百聞は一見云々を思い知っていた。

「さて。城壁で受付ですね。」

アンダーセンが前を見ながら言ってくる。

「はい。

 では。受付の準備をしますかね。」

武雄が下馬してリュックを漁り始めるのだった。

・・

城門横の兵士詰所にて。

「では。使節団殿。

 街に入る事を許可いたします。」

対応している兵士が武雄に書類を戻す。

武雄がカウンターに置いていた小箱は兵士が自身のポケットに終う。

「ええ。どうも。

 ところで奴隷市と言うのは見れるのでしょうか?」

武雄が懐に書類を戻しながら聞く。

「はい。

 貴国からの問い合わせののちに奴隷商組合の方には一報を入れていると我々は通達されています。

 奴隷市は基本的には仲卸のみが入れますが、組合経由で見学は出来ると思います。

 またどの街でも使節団の方々には移動に制限は必要最低限にすると通達されていると聞き及んでおりますが、他の街で何かございましたか?」

「いえ・・・何もありませんでしたが・・・

 本当に平気なのでしょうか?」

「・・・まぁ私共の方から貴国に使節団が行く際も同様な事があるのでしょうが、問題はございません。

 各街の庁舎内に入られる際は兵士を随行をさせて頂き、立ち入り禁止部屋を設けさせていただくと思います。

 商店や宿。娯楽施設には問題なく。もちろん入場料等は頂かないといけませんが。」

「わかりました。

 あと・・・他の街に入る際も言われたのですが、治安が少し悪い場所が点在すると言われていました。

 こちらにもあるのでしょうか。」

「あぁ・・・そうでしたね。

 初めての方は危険がある場所があります。

 えーっと・・・お待ちください。」

対応している兵士が一旦席を外すが、すぐに戻って来る。

「こちらがこの街の街区図になります。

 今の位置がこちらですね・・・そしてこちらとこちらが治安が悪い所になります。

 私共も取り締まりはしておりますが、後から後から住み着く者が居るのも確かで困っています。」

「なるほど・・・んー~・・・

 まずは冒険者組合ですかね。どの辺ですかね?」

武雄が身を乗り出して地図を見ると兵士も身を乗り出す。

「あの地域はカファロ一家とカプート一家の支配地域です。

 ご用心を。」

兵士がボソッと言う。

「冒険者組合はこちらですね。

 そして奴隷商組合はこちらになります。」

兵士が顔をすぐに離し、地図に丸を付けて行く。

「わかりました。

 では私達はこれで。」

武雄が地図を懐に終うとマイヤーと一緒に詰所を出て行くのだった。

・・

「所長。問題なくいきましたか?」

待っていたアンダーセンが聞いて来る。

「どちらかと言ったら問題だらけなのではないですか?

 とりあえず、宿で話をしましょうか。」

武雄が「こうも他国の者の贈り物を簡単に受け取ってはダメでしょうに」と呆れる。

「わかりました。

 あとは先行している2人との合流ですね。」

オールストンが頷く。

「さて・・・どこにいるのか。」

アーリスが辺りを見回す。

「あれですかね。」

アーリスが道の先に居る2人を見つける。

武雄達が馬を引いて進むと2人も近寄って来る。

「「キタミザト殿。お疲れ様です。」」

バートとフォレットが労ってくる。

「2人もご苦労様です。

 すみませんね。2人とも指名してしまって。」

「いえいえ。問題はありません。」

フォレットが元気に言ってくる。

「2人とも、とりあえず宿はどこにしたんだ?」

マイヤーが聞いて来る。

「皆様の部屋も用意しています。

 とりあえず、前の時と同じような数部屋ある型のですが、よろしいでしょうか。」

「ええ。構いません。」

武雄が頷く。

「では。皆一旦宿に行こう。」

「「「わかりました。」」」

武雄達はバートを先頭に街に入っていくのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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